ピボット(pivot)という言葉があります。
もともとは「軸」「旋回軸」といった意味ですが、ビジネスやプロジェクトの文脈では、それまで進めていた方針を、状況に合わせて大きく転換することを指します。
当初の計画を全部捨てるわけではありません。「このままでは上手くいかない」と判断したところで、目的そのものや現在地を見直し、別の方向へ舵を切る。
今回、この言葉を妙に気に入ってしまいました。
なぜなら、今回の旅行そのものが、まさにピボットの連続だったからです。
さっくりとした旅行の概要
2026年9月24日から28日まで、高松を拠点とした瀬戸内旅行に行きました。 ……と書けば、いかにも予定通りの旅行だったように見えます。
実際には、予定通りとは決して行かない旅行でした。
- 出発前から予定を変更
- 移動中にも変更
- 現地でも変更
- 天候によって変更
- 腹が減ったので変更
- 目の前に面白そうなものがあったので変更
など、予定通りだったのは行きと帰りの予約していた交通機関、そして宿のみ。それでも旅行そのものは、最後までちゃんと成立しました。
むしろ振り返ってみると、予定を変更したからこそ、成立した旅行だったというのが一番近い表現かもしれません。
そこで、この旅行を私は「ピボット旅行」と呼ぶことにしました。
なぜ「ピボット」なのか
この言葉を使うきっかけになったのは、WWEの絶対的エースだったジョン・シナのラストイヤーでした。2025年から始まったジョン・シナの引退ロードは、最後の最後まで大きな物語を作りました。
その中でも象徴的だったのが、ヒールターンです。
長年WWEの顔として君臨してきたシナが、ついにヒールへ転じる。演出そのものは見事でした。ところが、実際にファンが示した反応は、作り手が想定していた以上に大きな失望と困惑だった。
そこで物語は、さらに軌道修正されました。ヒールターンそのものを無かったことにするのではない。そこで生まれた感情も、そこで起きた出来事も拾い上げた上で、最終的にはフェイスターンへ向かっていく。
つまり、
「予定していた筋書きを最後まで押し通す」のではなく、実際に起きたことを見て、そこから物語を組み直す。
これが今回、私が「ピボット」という言葉を使いたくなった理由です。そして、今回の旅行もまったく同じでした。
今回の「ピボット」ぶり
最初に立てた旅行計画があります。
そこには「こう移動する」「ここへ行く」「これを持っていく」という予定がありました。
しかし、現実には
- 天候があります。
- 時間があります。
- 交通機関があります。
- 現地に着いてから初めて分かることがあります。
そして何より、
そのときの自分が何をしたくなるかなんて、出発前には完全には分かりません。
だから、計画通りに進まなくなったところで、「予定が崩れた。どうしよう」ではなく、「では、ここから何に切り替えるか」 と考える。
今回の旅行では、それを何度も繰り返しました。そして面白いことに、そのたびに旅行が悪くなるわけではありませんでした。
むしろ、 「ああ、こっちへ行けばいいのか」 という具合に、次の道が見えてくる。
最終的には、出発前には想像していなかったものが大量に残りました。
- 写真の撮り方
- 食べ物への認識
- 衝動買いした数々
- 移動手段や町そのものの認識
- 自分の旅行について
今回の記事では、最初から旅程を全部並べるつもりはありません。
「9月24日はこれをして、25日はこれをして……」という旅行記にすると、今回の旅での印象的な部分が見えなくなってしまうからです。
- なぜその場で予定を変えたのか。
- 何を見て、何を諦め、何を拾ったのか。
- そのピボットによって、当初の予定にはなかった何が生まれたのか。
そこを中心に書いていきます。2026年9月24日から9月28日まで。高松を拠点に、瀬戸内を巡った5日間。
予定通りとは決して行かなかった旅行でした。だからこそ、今回は 「ピボット旅行」 として記録しておこうと思います。