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ピボット旅行2026-09『拉麺と麺麭』

はじめに

今度こその四国上陸。そこからの記事を書いていきます。

「何もしていないのに揺れる」の実績解除

桟橋から降りてフェリーターミナルのビルで思ったこと「なんで何もしていないのに体が揺れているんだ?」の感覚。

「なるほど、これが陸酔いか……!」

と、普段の暮らしが陸上であればまず体験しない感覚をゲット。いくら平穏な航海だったとは言え、

  • 航行による揺れ
  • エンジン音

は常に鳴り響いていました。「微妙に揺れるところ」に居続ける。そら、元に戻った瞬間に「なんで揺れてないのここ?」と体が異変を起こすという実績でした。

……思ったよりも遠い罠

当初の予定では徳島港に接岸後、自転車で自走して徳島駅に行くというプランでした。しかし今回は雨が予想されていたために未練がましく置いてきたので、必然的に港→駅はバス移動となります。

「まだ着かない」という罠。15分経ってようやく駅に到着。バスで15分と言うことは自転車だと30~45分ぐらいかかるというのはコーラを飲んだらゲップが出るぐらいの確実さ。

徳島到着は13時でしたので、お昼はまだ食べていません。そんな状況下での自転車は…… 結構な負担がかかることは想像に難くありませんでした。

最初の関門と発見:「徳島ラーメン」

ある意味での必然的な出会いでした。Xの相互の方で全国各地を精力的に回っている方がいます。

その方が載せてくれたラーメンの写真に惹かれました。それを遡ってみると「徳島駅前で」というワード。

その写真を元に調べてみると「この盛り付けは徳島の名店、麺王」の本店であると。

そこまで分かれば十分です。バスは徳島駅に到着したので降車。

どこかなと探すまでもなく、その店があったのでこれだと思いながら食券を買い、待つこと数分。

スープを一口飲み、麺をすすります。

「あれ? 拠点を徳島にすべきだった?」

が最初の感想でした。非常にいい意味で分かりやすい濃厚な味に醤油のスープ。細麺ののどごし、何よりも具材の豚バラとチャーシュー。ガツンと効いたニンニク。

いずれも陸酔いを一気に覚ます衝撃でした。「ここで食べる気満々だったからフェリーでは軽く取ったけどここまでとは……!」

替え玉と味変

潮風が体の水分を奪った後にラーメンが染み渡る…… そして飛び込む替え玉。更に生卵1個無料。

その替え玉もいくつか選べるとなれば、Goです。ゆず胡椒を練り込んだ麺。

更に違う世界が待っていました。具がほぼ無くなった状態での麺に、カウンターに置かれているもやし。そして生卵。

デフォルトとは別の辛み、生卵が絡むことによる舌触り、もやしの辛み。「ええっと、調べる限りでは宿のある高松とここ徳島は電車で1時間半。ということはどうやって行って帰れば良いのか……」を真剣に考えます。

(土地勘のある方なら分かると思いますが、これは盛大なフラグです)

しかも、ここ数ヶ月、外食でラーメンを口にしていないと言うことも大きかったのもあります。

替え玉と生卵込みで胃の腑に消えて、満足感のまま店を後にしました。

発車3分前

キャリーを転がしつつ徳島駅。高松行きの時刻を調べるまでもなく「あと3分で発車? しかもホームが目の前?」という「私は運が良い」状態。

券売機で促されるままに特急券&乗車券を買って入線。

そこで待っていたのは見覚えしかないキャラクター。空気のように存在していて四国が誇るレジェンド、やなせたかしが産んだ「アンパンマン」。

そのコラボ列車。話には聞いていましたが、これに乗れるという幸運の二乗倍。

しかし、この瞬間はそうは思っていなかったというか、精神年齢が極端に下がっていって

「うわーい、あんぱんまんれちゃだー!」

ぐらいのテンションでした。

高松、降車と2時間足らずのフラグ回収

讃岐平野を走り抜けた電車は、「2016年にもホームに行ったことはあるけど…… なんだこの欧州のターミナル駅みたいな場所は?」の高松駅。

宿はどこだろうと思うまでもなくクレメントイン高松は目の前に広がっていました。

地図を見るまでもない宿は2024年の尾道グリーンヒル以来でしたが、こうも近いというのはある種の拍子抜け。

さてさて、宿の入り口は…… よりも先に目に飛び込んだ「麺王 高松支店」。

「どうやってこの店に行けばいいんだ」と考えていた徳島に行く理由が消滅というか「道路を渡るだけでは?」になった衝撃で、この旅行記は「第1日目の夕刻」に続きます。

ピボット旅行2026-08『Come Sail Away!(番外編)』

はじめに

徳島上陸――と書きましたが、実際には「船室を引き払ってから接岸するまでの間」があります。

荷物をまとめ、下船の準備を終えて、あとは船が港に入るのを待つ。

その時間に外を眺めていて、ふと思いました。

そもそも、なぜ東京発着の長距離フェリーは、こんなに少ないのだろう?

今回乗ったのは、東京・徳島・新門司を結ぶオーシャン東九フェリーです。2026年現在、東京・有明から長距離を結ぶカーフェリーとしては、この航路が存在します。

では、東京湾には他にどんな「人と車両を乗せられる定期船」があるのか。

思ったからには調べずには居られない性分。いつものように、手元に持っている金属とガラスの板に聞いてみます。

疑問「需要に対して供給が少ないのでは?」

「東京湾発着の、人・車両を乗せられる定期運航便は?」

そう聞いてみると、だいたいこんな感じでした。

2026年現在、東京湾周辺の定期運航便

航路種別該当する航路・船会社発着地特徴
長距離カーフェリーオーシャン東九フェリー東京港(有明)~徳島~新門司東京発着の長距離カーフェリー
短距離カーフェリー東京湾フェリー久里浜(神奈川)~金谷(千葉)東京湾口を横断するカーフェリー
離島航路(貨客船)東海汽船竹芝桟橋~伊豆諸島旅客輸送と島しょ部への物流を担う
離島航路(貨客船)小笠原海運竹芝桟橋~父島小笠原諸島への定期航路
  • 東京湾フェリーは久里浜~金谷を約40分で結ぶ航路です。
  • 伊豆諸島や小笠原諸島への船便については納得できます。東京都内から東京都の島へ行くのですから。

一方で、久里浜~金谷は東京湾口を横断する短距離航路。

そうなると、東京港から四国や九州へ向かうような長距離カーフェリーは、実質的にオーシャン東九フェリーが目立つ存在になるわけです。

「海なんて広いんだから、いくらでも船を走らせればいいのでは?」

そんな風に楽観視していた時期が私にもありました。

レベルでした。

調べていくうちに、東京湾という場所が、どうもそんな単純な話ではないことが分かってきたからです。

1. 「1,400m」という数字の罠と、浅瀬の怖さ

東京湾口には浦賀水道航路があります。陸上の感覚で考えれば、1kmを超える幅というのはかなり広く感じます。

ところが、ここを通る船を見ると印象が変わります。

海上保安庁の現在の航行予定を見るだけでも、全長200m以上の「巨大船」が普通に登場します。

2026年10月6日の浦賀水道航路の入航予定を見ると、1週間分で381隻が予定されており、全長332mの大型タンカーまで含まれています。

つまり、

「海だから広い」

ではなく、

「巨大な船が、巨大な船同士で交通整理をしながら通っている」

という場所です。しかも、東京湾の中央部には浦賀水道航路や中ノ瀬航路が設定され、その周囲には浅瀬や複雑な地形があります。

船は自動車のように、好きなところを走って好きなところで止まれるわけではありません。

速度が出ている巨大船を、その場でピタッと止めることもできません。

舵を切れば船体が旋回するまでに時間がかかり、深く喫水した船は、航路を外れれば浅瀬との余裕も失います。

「広い海の上を自由に走っている」のではなく、「巨大な船が通れる水深と交通ルールを確保した場所を、順番に通過している」

と考えたほうが実態に近く、この海域は決して閑散としていません。

海上保安庁の資料では、東京湾では大型コンテナ船やLNG船などを含め、1日約500隻が航行しているとされています。さらに浦賀水道・中ノ瀬航路は1日の船舶通航量が500隻を超える国内有数の主要航路です。

これでようやく、

「海なんだから、船を増やせばいいじゃない」

という最初のアントワネット的な暴言(言ってない)が、言うほど簡単ではないです。

2. たった1隻の事故で「東日本が死ぬ」……?

「1隻事故を起こしたら東日本が即死する」という話ではありません。

ただし、「ここで大規模な事故が起きると、影響が東京湾の中だけで収まらない」

というのは、かなり現実的に想像できます。

東京湾の周囲には、東京港、横浜港、川崎港、千葉港などの主要港湾が集中しています。

さらに湾岸部には石油コンビナート、LNG基地、火力発電所など、エネルギー供給に関わる施設も集積しています。

  • コンテナが止まる
  • 燃料やエネルギー関連の船舶が止まる
  • 港そのものの入出港が滞る
  • その結果として陸上の物流にも影響する

という、おじゃまぷよどころではない連鎖が発生します。

(実際、関東地方整備局も、東京湾で海上災害による航路閉塞が発生した場合、コンテナ物流の停滞などを通じて我が国の経済活動に支障が生じる可能性を明記しているそうです)

だから東京湾では、

「事故を起こさない」だけではなく、「事故が起きても、できるだけ早く航路を復旧させる」

ところまで含めて考えられています。

災害時の航路啓開を目的とする「緊急確保航路」に東京湾が指定されているのも、その一例です。

3. 圧倒的に強い海運

ここまで来て、ようやく最初の疑問に戻ります。

なぜ東京発着の長距離フェリーが、もっとたくさんないのか。

その理由を考える前に、そもそも海運で何を運んでいるのか という哲学的な問いからスタートします。

結論から言えば、海運、強すぎます。一度に運べる量が、とにかく大きいです。

国土交通省の資料によれば、内航フェリー・RORO船は、一度の航行で100台以上のシャーシ等を運ぶことがあります。

しかも2023年度の輸送量当たりCO₂排出量は、

  • 営業用トラック:207g-CO₂/トンキロ
  • 内航海運:42g-CO₂/トンキロ

となっており、内航海運はトラックの約5分の1です。トラックを100台走らせるのではなく、「船に積んで、まとめて運ぶ」という発想だからです。

ここに大首都圏(1都3県)でおよそ 3,700万人の人口を支える海の玄関口という側面が見えてきます。

「東京湾にもっとフェリーを増やせばいい」

という発想そのものが、少し違って見えてきます。東京湾はすでに、ものすごい量の船を使って、ものすごい量の物資を運んでいます。

4. 「だからこそ」海運は厳重に管理されている

ここで、最初の「東京発着のフェリーが少ない」という疑問に戻ります。

東京湾で必要なのは、「船を増やすこと」ではなく、「今いる船を安全に流し続けること」です。

実際、東京湾にはかなり本気の交通管理体制があると、その金属とガラスの板は説明を続けます。

東京湾海上交通センター

東京湾では、海上保安庁の東京湾海上交通センターが船舶の動静を把握し、情報提供や航行管制を行っています。

2018年には東京湾海上交通センターと東京・横浜・川崎・千葉の4つの港内交通管制室を統合。

東京湾への入域から各港への入港までを一体的に把握し、管制計画を策定できる体制になっています。

空港周辺の管制そのものです。そして今日も、その管制室のコントロールルームには大量の船が並んでいます。

水先人

さらに大型船には、水先人が関わります。水先人は、その海域の地形や水路、潮流などに精通した専門家です。

東京湾は「強制水先区」に指定されており、東京湾の横須賀・川崎を除く水域では、原則として1万総トン以上の船舶が水先の対象です。(定期旅客船やフェリーは、強制水先の対象から除外されています)

  • 船の種類
  • 運航形態
  • 船長の経験

などを含めて、「こっから先は案内なしに航行するな」という制度があります。

おわりに:フェリーの窓から見えた『東京湾決戦』

今回、船室を出て接岸を待っている間に上記を調べて思ったこと。『沈黙の艦隊』で海江田艦長が指揮する「やまと」を護衛していた「たつなみ」の深町艦長が

「実はとんでもないモノを背負っていたのでは?」

と痛感です。補給・修理を終えて東京湾(まさに、上記に述べた浦賀水道)を突破しようとする「やまと」とそれを阻止する米国原潜群(尤も、平均水深30mの該当海域では大型潜水艦はその機動力を発揮できませんが)。

この、「浦賀水道が止まれば大首都圏の物流も死ぬ」プレッシャーを背負いながら第七艦隊の原潜を完封した「たつなみ」やべぇな、思いました。

まぁ、こういう胡乱なアイディアが生まれる程度には、「フェリーのゆっくりした旅路、最高!」という形で、ようやく、船もこの旅行記も四国に上陸です

ピボット旅行2026-07『Come Sail Away!(後編)』

はじめに

この、安定した船旅がもたらした時間は非常に有意義でした。

逆説的に「普段と全く変わらない部屋での過ごし方」をしただけで目的地寸前まで到着するという形です。

最初のトラブルとバックアッププラン

とはいえ、最初から「どーすんだこれ」のトラブルがいきなり降りかかります。

「ThinkPadのACアダプターがない」

詰め忘れです。出発寸前までこのノートPCを開いていたため、鞄に持ち込んだ後、それをサプライバッグに入れてませんでした。ですが脳内シャアの

「ええい、打ちどころが悪いとこんなものか!」

とはならず。というのも、スマートフォンやiPadなどの充電に備えて「USBマルチアダプター」があったからです。PD対応。後はケーブルが…… ありました。それも、体のすぐそばに。

「Type-C給電可能なケーブル」が備わっているネックストラップ。この「見せてもらおうか……」をまさか本番でぶち込むとは思わず。

結果は成功。

でなければ、この船旅はかなりの制限が加わっていたと思います。「当初の予定を外しながらもバックアッププランでどうにかする」を象徴する出来事。

お風呂→頭の悪い夕飯

お風呂という性質上、テキストのみの描写になりますが…… 艦内大浴場は感動そのものでした。キチッと座って汗を流し、湯量たっぷりの浴槽に浸かる。そして眼前に広がる川﨑の夜景。

で、部屋着に着替えて自室に戻り、楽しいお弁当タイムです。正直、ピボット(コメダで夕食)という手じゃあなくてよかったと思いました。でなければ、この頭の悪い弁当に巡り会うことはできませんでした。

こちらです。

そぼろと牛タン焼き肉。それ以上に目を引くのが辛子明太子一腹。「欲望をその場に詰め込んだ」という。これを、先の「広い船室」でいただく。最高にも程があります。

フェリー飯・船内オペレーション

テンションが上がると胃袋の容量が上がるもの。頭の悪いお弁当を食べてなお「もう少しに胃に入る」ということで、オーシャン東九フェリーの名物「冷食販売機」を利用します。

とても簡単な仕組みです。

  1. 気に入った商品を自販機で購入する。
  2. パックを袋から開ける。
  3. ラウンジに置かれている業務用電子レンジで「買ったものと番号が一致する」ボタンを押す。
  4. それを食べる

見かけとか更に別守とかそんなお行儀のいいものはありません。冷食のトレイでそのままいただく。これは船客も提供側も満足いく仕掛けだと思いました。

船客のメリット

  • 船上価格が若干入っていても「熱々の食べ物が即手に入る」
  • 調理器具も食べる場所も用意されている。
  • 個室利用者なら船室でも食べられる。
  • 航行中であればどのタイミングでも食べられる。

提供側のメリット

  • 人件費の最小化。
  • 船客用の厨房を廃することで船室面積を増やせる。
  • 輸送と保管費用も最低限。

はいいとして「海を見ながら、身近な冷食を食べる」というテーマとテンションは、背徳感がマシマシです。

船室のベッド

これは、豪華なダブルベッドとかではないですが、筆者としては満足いく広さです。何せ4人部屋を1人で利用。床にそのまま寝ることも可能です。かなり深く眠ることができました。

船内アクティビティ

食事と就寝以外は本当に普段やっていることでした。即ち、

  • PCを広げる
  • ブログの記事を書く
  • オフラインで日記を書く
  • ゲームをする

です。このゲームをするというのはスマートフォンゲームではなくSteamでの『Blue Reflection Quartet』をプレイしてました。ThinkPadがしっかりと軽めの3Dゲームも動くということで。

朝風呂と食事

紀伊半島を見ながらの朝風呂も最高でした。朝ご飯は、夕飯と合わせて買っていた『キムパとチャプチェ』です。これも、「ある程度、味がしっかりしているし旅情も味わえる」パーツ。

夜明け→接岸

そこからは以下の通り。起きたのが紀伊半島の東側。

そこから朝風呂入ったりデッキでねんどろライザと記念撮影をしたり。

そして、「潮岬」で電波が安定してきたのでThinkPadで自分のサーバにSSH接続をしたりfirefly-iiiの記帳をしたり。

もちろん、着替えとパッキングも済ませています。

ゆっくりしながらいよいよ、船は徳島港に入港。瀬戸内の青い海が出迎えてくれました。(この日だけ)

ピボット旅行2026-06『Come Sail Away!(前編)』

はじめに

この旅そのものの成否を分ける「フェリーの18時間超の航海」は、結論から言えば大成功でした。

船の全貌

国際展示場駅から相当歩くだけのことはあります。船そのものが大きく、ターミナルからも、あの独特の桟橋での入船です。

東京湾に浮かぶ大きな船。私の旅はまさにこれから始まるのかというワクワク感でいっぱいでした。

案内された船室

個室を使うのは譲れなかったため、割高と分かっていてもスパッと室料を支払って正解でした。で、案内された船室に入って

「ええい、このフェリーの船室は化物か?」

がいきなり出ました。広いです。それもすっごく。横になるのが精一杯だったサンライズ瀬戸と比べるまでも無く

  • 立って歩ける
  • 大の字になれる
  • 航行中に食事やPCを広げる座卓
  • 冷蔵庫

「なんだこの浮かぶ旅館は」という感覚です。「18時間超も海の上か」ではなく「こんな場所に18時間もいていいのか」です。普通の宿が11時にチェックアウトするのが通例なのに、こっちは13時。

快適な施設の数々

豪華客船というには憚られますが、快適でした。

大浴場

これが最高でした。「なぜお風呂があるのか」が疑問でしたが、フェリー(船舶)はエンジン冷却/発電機/造水機/冷房の熱交換などで「巨大な熱源」を内包しています。

そのため、その廃熱を利用して船客に還元することが可能です。これは、「移動時/到着前の疲れを取りたいし汗も流したい」パターンにおいてとても役立ちます。

いい気分転換になる歩行スペース

夜間は閉められていますが、展望デッキから

  • 東京湾の夜景
  • レインボーブリッジ

までは見ることができます。朝も潮岬や紀伊水道、瀬戸内海の入口の潮風を感じることができます。

というか、「移動中の乗り物内を自由に歩ける」というのは飛行機はおろか電車でもお目にかかれない体験です。

冷食オペレーションという合理性の極み

特に気に入りました。船内食堂が「カップ麺と給湯器」「冷食の自動販売機」です。それを取り出し、ずらっと並ぶ業務用レンジで温める。「旅の情緒」とか「豪華な食事」という点では一歩劣りますが:

「深夜の海を眺めながらのたこ焼きや焼き鳥」

という、背徳的&愉悦を味わえる。素晴らしかったです。(これは後編で改めて述べます)

もちろん、船ならではの欠点はありました

天候に完全依拠

こればかりは天候ガチャに頼る。神に祈るレベルではあります。割と深い眠りができたのも、台風の合間の出航という、ピンポイントでの天候運があったおかげです。

これが時化気味だった場合は船内浴場が利用禁止になり「船内トイレに設置されている特有のブツ」に頼る事もあり得ます。

携帯電話の電波問題

相模湾や駿河湾、紀伊半島の東側では4Gも届かず。サパッと寝るか船内Wi-Fiサービスに頼るのが正解です。

次への宿題

は後編で述べます。

ピボット旅行2026-05『そうだリフィル、買おう。(My “Favourite” Things)』

「お土産」は旅の途中や最後に買うというのが通例ではありますが、私の場合は「0日目」に始まっていました。

はじめに

道具論のお話ではあるのですが、これもまた旅行記なのでそのカテゴリーに入れます。

拙稿にあるように

筆者はアナログの筆記具「も」信頼しています。

なぜなら、

  • iPhone
  • iPad mini
  • Thinkpad

といったデジタル筆記具と

  • ほぼ日手帳
  • トラベラーズノート

を併用。というのも、『MASTERキートン』に曰く

「やめておけ」
「…………」
「拳銃の方が、ナイフよりも速いと思っているんだろう。
 だが、拳銃はデリケートな道具だ。
 弾が出ないかもしれないし、
思い通り的に当たるとは限らん。
おまけに拳銃は、
抜き、構え、引き金を引くまでに三動作(スリーアクション)……
 その点ナイフは、一動作(ワンアクション)で終わる。
この距離なら、絶対に俺が勝つ!!
どうする? それでもやってみるかね?」

の通り、それぞれ「記録する手段」は同じなのですが「得意とする射程距離」と「初速」が違うため、どうしても併用する。

(↑建前↑)
(↓本音↓)
「カッコいいから」

です。

また、昨年の谷川岳・湯檜曽温泉にて筆者は「トラベラーズノート」という極めてシンプルな作りなのにカスタマイズ性と利便性を兼ね備えた手帳を手に入れています。

このトラベラーズノートを使って分かったこと

シンプルなのに強い

これが一番の印象です。最初は縦長すぎないかと思ったあの独特のサイズ感。『ほぼ日手帳』になれている筆者としては、公式リフィルの厚い紙は慣れるのかどうかと不安だったのにスラスラ書けます。特に万年筆のインクの吸い付きが再考です。

割と雑に使える

旅に携行するだけあって

  • 重い荷物の隙間
  • 少々の水分

は耐えられます。使えば使うほど味が出てくる革の風合いも、その割と雑に使っていいんだという安心感をもたらしてくれます。

豊富なカスタマイズ

手帳本体が止め紐をつけた革。なのに、

  • 追加のリフィル
    • 無地
    • 罫線
    • スタンプ
    • スケジュール……
  • クリアファイル
  • リフィル自体を増やすアタッチメントバンド

等、用途に合わせて成長します。

ここまで旅行記に書く理由

「この旅行記群を書くにあたって活躍したから」に他なりません。「トラベラーズ」の名は伊達では無いです。

  • 旅先のメモ帳
  • ちょっとした気づき
  • 使ったお金

何よりも「レシートの台紙」として。

旅行0日目での「そうだリフィル、買おう。」

今回は東京からのスタートが19時と、サンライズ瀬戸よりも2時間ほど早い出立となります。なので、自宅からの出発も早く済みます。

最初の予定では

  1. 夢の島熱帯植物館で時間を潰す
  2. 閉館と出航の間をコメダで時間つぶし
  3. 同時に早めの夕食
  4. 船内の朝食をそこで包んでもらい
  5. フェリーターミナルに着く

予定でしたが「時は9/24」が立ちはだかります。今年の大連休がある意味災いし、「夢の島熱帯植物館、休館日」と、いきなり0日目の時間を潰すプランが無くなりました。

そうなると、「出航までどこで時間を潰すか?」の問いが生まれたときの結論が「そうだリフィル、買おう。」という、脳内に『My "Favourite" Things(英国英語で)』のあの歌い出しが聞こえてきた次第です。

この時いる場所は新木場駅。東京駅まで10数分です。そこで、こういう回答がありました。

以前購入しているこの、トラベラーズファクトリー、東京駅。ここなら夕飯・翌朝の朝食を買うことも可能です。オマケに、このタイミングで気づいた点として、「買ったばかりのノートに備え付けのスタンプを押してもらえる」おあつらえ向きのカスタマイズです。

そうして出航

乗船手続き前、その戦利品がこちら。この、表紙に押印された

  • 香川
  • 広島
  • 岡山

が旅で出回ったところ、という辺りが「ええぃ、ままよ!」のアドリブで行動しつつ「天候という変数」のピボットが成立できたわけで。

ピボット旅行2026-04『心の中のシャアとゴリラルーム』

はじめに

2026年9月――フェリーで四国へ渡り、高松を拠点に一人旅をしてきました。

今回の旅行については、すでに「ピボット旅行」と名付けています。

そもそもこの言葉を使い始めたきっかけは、WWEでのジョン・シナのストーリーでした。

2025年のシナはヒールターンという大きな方向転換を行いました。しかし、その反応を受けて、今年は再びベビーフェイスへと方向を変えた。

ここで面白かったのは、 それまで起きたことを全部なかったことにするのではなく、起きてしまったことを材料にして、次の展開へ進んだこと です。

今回の旅行も、まさにそんな感じでした。

  • 予定を立てる。
  • 予定が崩れる。
  • そこで別の手を考える。

これを繰り返しているうちに、いつの間にか「ピボット旅行」になっていました。

心の中のアズナブル

そして、もう一つ。今回の旅行には、常に 脳内のシャア・アズナブル がいました。

旅先では、見知らぬ土地を歩き、初めて乗る船に乗り、初めて食べるものを食べます。当然、予定通りにいかないこともあります。

そんな時に、

「見せてもらおうか……○○の性能とやらを!」

と、とりあえず試してみる。うまくいけば、

「ええぃ! ○○は化物か?」

となります。思ったほどではなければ、

「どうということはない」

で済ませられます。予定が外れれば、

「そうそう当たるものではない」

と言えばいいし、そして、自分の判断が盛大に外れていたことに気付いたら、

「これでは道化だよ」

にもなります。極めて重要なマインドセットとして、大ピンチに陥ったときにはあの言葉。

「まだだ…… まだ終わらんよ!」

実に便利です。

しかも、あの人は「戦いは常に二手三手先を読むものだ」と言いながら、普通に判断を間違えます。そのくせ、妙に生存率が高い。

あの白い悪魔と何度も交戦して、アクシズ・ショックまで生き残った人ですから、 「判断は必ずしも正しくないが、とりあえず現場に投入して帰ってくるテスター」 としては非常に優秀です。

今回も、フェリーには、

「見せてもらおうか……フェリー東九の性能とやらを!」

と乗り込みました。尤も、そこに至るまでに2つほどピボットがありましたが

心の中のゴリラルーム

そして、こうした「予定外の展開」を見て、もう一人、私の心中にいたのがゴリラルームのシナリオライターです。

WWEのプロレスラーは、何が起きてもその場で試合を成立させなければなりません。それも、コンマ1秒単位でのタイムコントロールが求められます。

予定していた展開が崩れたら、そこで試合そのものを止めるのではなく、次の展開を作ります。

今回の旅行も、それにかなり近いものでした。

  • 「尾道へ行く」という目的は残す。
  • しかし、そこへ至る手段が変わる。
  • フェリーの帰りがなければ、新幹線にする。
  • 自転車を持っていく予定だったが、雨だったので未練たらたら置いていく。

当初の予定が使えなくなったら、その時点で残っているカードから次の展開を組み立てる。

予定通りに進むことが目的ではない。旅行そのものを成立させることが目的です。

そう考えると、今回の旅行は最初から最後まで、ずいぶんとプロレス的でした。

シナリオライターが用意した展開に対して、

「そうはならんやろ」「なっとるやろがい!」のコンボ

が炸裂し、その横でシャアが、

「見せてもらおうか……」

と言っている。そんな旅行です。

まずは、東京・有明から乗船する前から。

見せてもらおうか……フェリー東九の性能とやらを!

は、このお話の後の後、となります。前回のエントリーで

次からはいよいよ実際の写真を伴いながらの旅行記となります。

と言いましたが……「アレは嘘だ」のメイトリックス語録でこのエントリーは〆ます。

ピボット旅行2026-03『筆者の異常な愛情 または私は如何にして輪行することを止めて未練を持つことになった か』

地味に、今回の大型旅行は国内初の「旅行代理店を一切介さない」旅でした。そもそも、フェリー東九を使う以上、ノーマルな旅行代理店の取り扱いはありません。

だからこそ、先述した母の「先に宿を取る」が最後まで響いたわけです。

そこで発生した「2つの大きすぎる軌道修正」が今回のテーマとなります。

-1ヶ月目:帰りの船がない

フェリー東九は1ヶ月前から予約可能と言うことで、時は8/24。出発日の9/24に行きの船を

  • 東京→徳島
  • 個室付き

の乗船予約を取ることに成功。後は帰りの9/28のフェリーを取るため8/27に予約をする…… 復路は割引がきくから更にOKと思っていた矢先

「この日付は選択できません」

の非情なメッセージ。待って、定期便のはず…… ということで改めてスケジュールを確認したのですが「この日付は徳島寄港せず」の×印があります。

これも確かに道理です。いくら4隻のローテーションとは言え、メンテナンスや「物理的にそこに寄港しないスケジュール」は存在します。

これは、飛行機や鉄道での旅行に慣れきっていたため「船便が毎日来るとは限らない」という当たり前の事実に気づきました。

とはいえ、この事態が行きの便でなくて本当に助かりました。

-1ヶ月目の解決策:新幹線を使う

極めて単純な手です。高松→岡山は1時間足らずで瀬戸大橋を渡って到着します。即座にスマートExで予約を行い、自転車が運べる最後列の指定席も確保。もしもの時に備えて変更可能なプランを選択。

これで、

  • 行きのルート(東京→徳島→高松)
  • 宿(高松3泊)
  • 帰りのルート(高松→岡山→東京)

が決まったわけです。

準備は上々

これが整ったことで

  • 自分と一緒に運ぶ荷物(輪行一式)
  • 先んじて別便で送るもの(衣服)

のジャンル分けが完了し、おぼろげながら主な旅程を考えていました。

最初のプラン

  • 0日目:フェリー泊。新木場なり有明なりで自走してブロンプトンを輪行する。
  • 1日目:徳島港から徳島駅まで自走して、そこから輪行して高松。
  • 2日目:高松駅を朝一で出発して特急で今治まで輪行し、しまなみ海道を走りつつ尾道。
  • 3日目:鷲羽山ハイランドで「世界一怖い」とも言われるスカイサイクルにチャレンジ。
  • 4日目:岡山まで輪行してさっと岡山駅周辺を見て東京に帰る

当時の私は「抜け漏れがない」良いプランだと思っていました。実際は

「全日程が好天である限り通用する」プランです。

これに関しては全く心配していませんでした。「ほぼ絶対レベルで私の天候運に揺るぎはない。この2024年の尾道旅行でも同じ、秋空が出迎えてくれる。これは事実である」というレベルで晴れ男ぶりを確信していました。

もっと言うと、「That's not a prediction, that's a SPOILER!!」の心境でした。

-2日目:大きく崩れたバイアス

9/22。高松の宿に向け別便で荷物を発送。これで輪行の準備をするだけであるというタイミングで天気予報を確認し、強烈な天気図を確認。

「秋雨前線の大停滞」

です。「これは何かのミスでは?」が最初の一声です。いくら2026年9月は雨が多かったとは言え、旅行中には逸れるはずだと

  • Yahoo! 天気予報
  • Appleの天気アプリ
  • 気象庁

などを確認しても「9/26~9/28は雨である」は回避不能。ピンポイントで晴れると言うこともまずないだろうということを天気図で確認。

思いっきり、秋雨前線が四国の南辺りに固定されています。「自分の運が、こんな時に、崩れる?」という、重力が逆さになったような常識が崩れました。

-2日目の決断:輪行を諦める

今回の最大のピボットです。全日程で雨。であれば、ブロンプトンは「自分の行動範囲を広げてくれる相棒」から「ほぼ全ての状況で余計な手間を増やす11キロの物体」に成り下がります。

デメリットを敢えて言いますが

  • 水濡れはもちろん、錆の心配。
  • それに伴う体の冷え。
  • 視界不良やスリップの心配。
  • 雨の中での輪行の難易度の高さ。

これらがのしかかります。そして、雨の時は使わない手も採れるとは最初に思っていましたが「その間、宿で留守番させるのか?」がつきまといます。であれば、

自転車は未練がましく諦め、雨で楽しめるプランにする

にしたほうが賢明です。本当に幸いなことに

  • 雨に煙る尾道は今回、初めて撮影することになる。良い機会だ
  • 高松駅至近の宿。その地の利を活かす。

と思い直して、大方の荷物をブロンプトンのロールバッグからキャリーケースへと詰め替えます。

「雨なら雨の楽しみがあるはず」というマインドセットがあったとは言え、これは正直耐えがたい決断。

また、2024年の旅行の通り、

「この子は晴天でこそ似合う」に思い直し、留守番させます。

しかし、この決断がなければ確実に、この旅は失敗でした。

そんなこんなで、次からはいよいよ実際の写真を伴いながらの旅行記となります。

ピボット旅行2026-02『動かなかった軸』

初めに

前回の記事で、「今回の旅行はピボットの連続だった」と書いてきましたしかし、最初から最後まで変わらなかったものがあります。

それは、瀬戸内海へ行くこと。特に、尾道に行くこと。

ここだけは、最後まで残りました。ですが、そのための手段は大きく変わりました。

最初に考えていたのは、サンライズ瀬戸です。東京から夜行列車に乗り、朝に四国へ入り、そこから自転車で瀬戸内を走る。

2024年でも実施したことです。ですが、この2024年の経験を思い返すと、どうしても引っかかるものがありました。

瀬戸内海方面の個室の夜行=サンライズというバイアス

サンライズは確かに便利です。東京から四国まで寝ている間に運んでくれます。

しかし、実際に乗ってみると、車内での身動きはそれほど自由ではありません。そして何より、前回は空調と乾燥の影響もあって喉を痛め、その後の旅行にまで響きました。

旅行のスタート地点に立つ前に、すでにコンディションを崩してしまうという本末転倒がありました。

そこで、最初の大きなピボットが発生しました。

「サンライズで行く」を捨てて、「船で行く」に変える。

ただし、ここでも目的は変わっていません。

瀬戸内海を拠点として、尾道に行きたい。そのために、移動手段を変えただけです。

そこで候補になったのが、オーシャン東九フェリーでした。これも「船旅がしたかったから」というほどロマンチックな選択ではありません。

むしろ、かなり現実的な消去法です。

  • 個室がある。(これは絶対の条件だったので、夜行バスという選択肢はそもそも外れます)
  • 東京から出る。
  • そして四国に着く。

この条件を並べていくと、かなり自然に候補が絞られていきました。何より、「移動で体力を削らずに、四国へ入る」という当初の目的を維持できます。

時間はもちろん、フェリーの方が遅くなります。

移動手段発車/出港到着所要時間
サンライズ瀬戸21:26(東京)翌07:27(高松)10時間01分
オーシャン東九フェリー19:00(有明)翌13:20(徳島)18時間20分

この差は8時間。ほぼ一日違いますが、フェリーは非常に魅力的なオプションでした。

サンライズ瀬戸の憂慮点

  • 昨今、大人気のサンライズ瀬戸。いくら宿を取ったところで一ヶ月前の10時打ち争奪戦には巻き込まれたくありません。
  • 食事や飲み物事情。寝台に特化しているため、車内販売や自販機がありません。
  • 空調。これは筆者の体調の問題です。2024年の時に喉を痛めたということで、ここは避けたい。

フェリーの憂慮点

  • 何せ初めて。勝手が分からない。再現性は不明。
  • 海の上で快適に眠ることはできるのか?
  • 空調がここでも再現したらどうしよう

とはいえ、以下の魅力がありました。

フェリーで良さそうだと思った点

  • 2人部屋/4人部屋でも1人で乗れる。
    • 温泉宿のようにお一人様お断りが無かった。
  • 横になるだけでも体力の回復は全然違う。
    • この8時間の差をむしろアドバンテージと考えました。
  • 食事販売がある。
    • 船内レストランの代わりに冷凍食品の自販機と業務用電子レンジという割り切ったオペレーションは大好きです。
  • 船内大浴場がある。
    • 最後の決め手になりました。シャワー兼転売とかいう人道に悖る行為が普通にあるのと比べ、フェリーはその性質上、「大量の熱湯が確実に発生する」乗り物です。それを船客に還元するというアイディア。そして、出港時や就寝前、そして朝にお風呂というのは心躍ります。
    • 更に、お風呂という強烈な湯気と湿気で喉を保護できるのもアドバンテージです。

こうして、サンライズからフェリーへと交通手段が変わりました。

宿(拠点)の問題

そして、交通手段は勘案できました。フェリーで四国へ入るなら、どこを拠点にするのか。

当初のイメージだけなら、尾道でもOK。むしろ、しまなみ海道を走るのであれば、尾道は非常に分かりやすい目的地です。ところが、帰りのことまで考え始めると、話が変わってきます。

フェリーは徳島から東京へ戻ります。だったら、行きだけを見て尾道を拠点にするより、四国側に拠点を置いたほうが全体として動きやすいと判断して、拠点として出てきたのが、高松でした。

高松なら、徳島へ戻るのも比較的動きやすいです。(というよりも瀬戸内海の玄関口です)。朝早く動けるなら、今治まで移動して、そこからしまなみ海道をアタックすることもできます。

つまり、 「しまなみへ行くための宿」ではなく、「瀬戸内のどこへでも振れるための拠点」

として高松に白羽の矢を立てました。

ここでも、旅行の軸そのものは変わっていません。変わったのは、軸を中心にした配置です。

そして、もう一つ。最初から三泊四日で行こうと決めていたわけでもありませんでした。当初は二泊三日でもいいのではないかと考えていました。

  • フェリーでの移動時間を考える。
  • しまなみへ行く可能性を考える。
  • (これはほぼ考慮していなかったのですが……)天候によって予定が変わる可能性を考える。
    • 自分の天候運には絶対の自信を持っていました。

何よりも2024年は、

  • 0日目:東京→高松
  • 1日目:高松→今治→自転車と高速線で尾道→宿泊
  • 2日目:尾道での自由行動
  • 3日目:尾道から東京に戻る

そう、お気づきの通り、「まるまる一日使える日が2日目しか存在しない」のです。ここで自転車で走った体力をリカバリーしつつ尾道で過ごすのはかなり無理があります。事実、2024年は旅の間喉の痛みに悩まされ、帰宅翌日に内科のお世話になったほどです。

そう考えて、予算増はやむなしとして三泊四日にしました。これも後から考えれば、今回の「ピボット旅行」を成立させるための重要な判断だったと思います。

そんな計画を母に告げたところ

「まず宿を取りなさい。移動は新幹線に変えられる。でも宿はそうはいかない」

その通りでした。交通機関や観光地のことばかり考えていると、どうしても「何をするか」から決めたくなります。しかし、旅行には寝る場所が必要です。

だったら、まず拠点を確保。そこから先を考えればいい。特に、先に言ったとおり高松は

  • 四国全県
  • 岡山
  • 小豆島

などの交通アクセスが極めて良好な都市です。なので勧められるまま高松の宿を取りました。

結果として、この「まず宿から」という判断が、今回の旅行の自由度をかなり高くしてくれましたし、この一言が今回の旅の成功の要素でした。

  • 宿が決まっている。
  • 荷物を置く場所がある。
  • 帰ってくる場所がある。

だったら、その日の天候や体力、気分に合わせて、行き先を変えられます。尾道も日帰りで帰ることができます。

予定を一つ捨てても、旅行そのものは壊れません。ここまで来て、今回の旅行の「軸」がようやく見えてきました。

  • 瀬戸内海を見る。
  • 尾道を歩く。
  • なんなら天候や気分、体力に合わせて他のオプションを自由に決められる。

変わったのは、旅行の方法でした。変わらなかったのは、旅行の目的でした。

今回の旅行で何度も予定を変えることになったのは、最初から何も考えていなかったからではありません。

高松という絶対的なハブがあったからこそ柔軟に旅程を変えられた(ピボットが成立した)

今回の「ピボット旅行」は、実際にはこの2026年6月下旬から始まっていたのです。

ピボット旅行2026年01-定義説明-

ピボット(pivot)という言葉があります。

もともとは「軸」「旋回軸」といった意味ですが、ビジネスやプロジェクトの文脈では、それまで進めていた方針を、状況に合わせて大きく転換することを指します。

当初の計画を全部捨てるわけではありません。「このままでは上手くいかない」と判断したところで、目的そのものや現在地を見直し、別の方向へ舵を切る。

今回、この言葉を妙に気に入ってしまいました。

なぜなら、今回の旅行そのものが、まさにピボットの連続だったからです。

さっくりとした旅行の概要

2026年9月24日から28日まで、高松を拠点とした瀬戸内旅行に行きました。 ……と書けば、いかにも予定通りの旅行だったように見えます。

実際には、予定通りとは決して行かない旅行でした。

  • 出発前から予定を変更
  • 移動中にも変更
  • 現地でも変更
  • 天候によって変更
  • 腹が減ったので変更
  • 目の前に面白そうなものがあったので変更

など、予定通りだったのは行きと帰りの予約していた交通機関、そして宿のみ。それでも旅行そのものは、最後までちゃんと成立しました。

むしろ振り返ってみると、予定を変更したからこそ、成立した旅行だったというのが一番近い表現かもしれません。

そこで、この旅行を私は「ピボット旅行」と呼ぶことにしました。

なぜ「ピボット」なのか

この言葉を使うきっかけになったのは、WWEの絶対的エースだったジョン・シナのラストイヤーでした。2025年から始まったジョン・シナの引退ロードは、最後の最後まで大きな物語を作りました。

その中でも象徴的だったのが、ヒールターンです。

長年WWEの顔として君臨してきたシナが、ついにヒールへ転じる。演出そのものは見事でした。ところが、実際にファンが示した反応は、作り手が想定していた以上に大きな失望と困惑だった。

そこで物語は、さらに軌道修正されました。ヒールターンそのものを無かったことにするのではない。そこで生まれた感情も、そこで起きた出来事も拾い上げた上で、最終的にはフェイスターンへ向かっていく。

つまり、

「予定していた筋書きを最後まで押し通す」のではなく、実際に起きたことを見て、そこから物語を組み直す。

これが今回、私が「ピボット」という言葉を使いたくなった理由です。そして、今回の旅行もまったく同じでした。

今回の「ピボット」ぶり

最初に立てた旅行計画があります。

そこには「こう移動する」「ここへ行く」「これを持っていく」という予定がありました。

しかし、現実には

  • 天候があります。
  • 時間があります。
  • 交通機関があります。
  • 現地に着いてから初めて分かることがあります。

そして何より、

そのときの自分が何をしたくなるかなんて、出発前には完全には分かりません。

だから、計画通りに進まなくなったところで、「予定が崩れた。どうしよう」ではなく、「では、ここから何に切り替えるか」 と考える。

今回の旅行では、それを何度も繰り返しました。そして面白いことに、そのたびに旅行が悪くなるわけではありませんでした。

むしろ、 「ああ、こっちへ行けばいいのか」 という具合に、次の道が見えてくる。

最終的には、出発前には想像していなかったものが大量に残りました。

  • 写真の撮り方
  • 食べ物への認識
  • 衝動買いした数々
  • 移動手段や町そのものの認識
  • 自分の旅行について

今回の記事では、最初から旅程を全部並べるつもりはありません。

「9月24日はこれをして、25日はこれをして……」という旅行記にすると、今回の旅での印象的な部分が見えなくなってしまうからです。

  • なぜその場で予定を変えたのか。
  • 何を見て、何を諦め、何を拾ったのか。
  • そのピボットによって、当初の予定にはなかった何が生まれたのか。

そこを中心に書いていきます。2026年9月24日から9月28日まで。高松を拠点に、瀬戸内を巡った5日間。

予定通りとは決して行かなかった旅行でした。だからこそ、今回は 「ピボット旅行」 として記録しておこうと思います。

夏休みの旅行:谷川岳、湯桧曽。

今年も遅くに行ってきました。

谷川岳。トップシーズンではないため、客も少なめ。

そして、今回初めての試みとして状況をプロンプトに起こし、画像として日記風に紹介。

大げさな表現ではありましたが、怖さ的にはこのぐらいの観光リフト。

いつもの温泉では

久しぶりの温泉宿ということで体を休めつつ

豪華な食事で感動。

今回、この、既存のプロンプトを元にGeminiに「こういうシーンでプロンプトを書いてくれ」と頼み「こういう部屋にいるからそれを元にプロンプトを起こして反映させてほしい」などの共同によりなんとかなりました。う

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