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ボードゲーム『旅のあと』感想。

チップドラフトとセットコレクションが程よくまとまり、プレイ中の会話も盛り上がる中量級の良作です。

【概要】

プレイヤーたちは旅行先(京都/シンガポール)から帰ってきたばかり。

「何をしたっけ」
「この観光名所はどこだったか」
「ホテルはここだったはず」

とおのおのの記憶が微妙に食い違っています。そこで、各人は断片的な記憶を頼りに旅の詳細を思い出そうとしています。

【ゲームシステム】

ぱっと見はタイル配置ですが、その実はチップドラフト。

各手番、規定の枚数のチップのかたまりを個人ボードに条件に従って配置。これを繰り返していき、タイルと同じ形にチップが並んだら得点が発生。

このとき、

  • 共通ボードにタイルが置かれていない場合:個人ボードと同じ箇所にタイルを配置。完成ボーナスと記憶ボーナスを入手
  • 共通ボードに先にタイルが置かれていて完全に一致:完成ボーナスと記憶ボーナスを入手
  • 共通ボードに先にタイルが置かれていて一部が一致:完成ボーナスと記憶ボーナスの一部を入手
  • 共通ボードに先にタイルが置かれていて一致せず:完成ボーナスのみ入手

となっているため

何も置かれていない場合は先行しての配置を目指し、置かれている場合はそれに合わせるという協力と競合が生まれます。

全てのチップが配布されたらゲーム終了。共通目標や個人目標に合わせて最終得点計算となります。

【このゲームの好きなところ】

○ドラフトがもたらすインタラクション

先にお伝えしたように、「チップを配置してからタイルの形が決まる」システム。
そこにランダムに加わる記憶のチップ(名所や公園などの色が書かれています)のドラフトが加わることで

「後一手で完成するけど上家に完成されそう」
「配置したいけどこの指示通りに置けるか?」

といった読み合いが生まれます。

○共通ボードかセットコレクションか

上述した共通ボードを目指す他の得点源として、レストランやショッピングエリアの大量配置ボーナスやゲーム開始時に配られる個人目標があります。
そのため、既にある共通ボードの得点を無視してでも完成を目指す余地は残されています。なので、ゲーム中は

「私の記憶が確かなら京都タワーはここにあった」
「そこにレストランなんてなかった。いいね?」

など、各人の“記憶の捏造”で盛り上がります。

○厚手でしっかりしたコンポーネント

『パッチワーク』と同じぐらいの箱の大きさでありながらぎっしりと詰まったコンポーネントはどれもしっかりとしていて、遊びごたえは充分。

各ランドマークを立てて配置できるスタンドなども心憎い演出です。

【このゲームの難点】

●実質的に4人専用ゲーム

3人では余剰のチップが生まれ、2人ルールは準備がちょっと大変です。個人ボードを東西南北に設置することからも、人数を選ばず遊べるというわけではありません。

●終盤の巻き返しが難しい

この手のゲームの常として、先行して走っている人を差しきるのは大変です。序盤のミスが終盤、致命的に響いてしまうのも難点です。
ライトに見えて一手が重いゲームと言えます。

【まとめ】

インスト合わせて1時間ほどで終わるゲームながらもインタラクションや合間の会話で盛り上がることができる良作。

個人的には、配置ゲームでありながらスペースが固定されているのでテーブルが広がらずに済むというのも好感です。

  • 4人揃っている
  • 変則的なタイル(?)配置を行いたい

という方に手に取っていただきたいゲームです。

ボードゲーム『メナラ』感想。

文句なしに映える盤面やわかりやすいルール、息詰まる緊張感が楽しめる協力型バランスゲームです。


後述する問題点からおいそれと遊べる作品ではないのですが、ここぞという状況下で盛り上がることができます。

【概要】

プレイヤーはマレーシアの秘境にある遺跡を復元しようと試みます。
しかし、復元のための指示を間違えたり柱を倒してしまうと「呪い」として復元の要求が高くなります。
果たして、プレイヤーは遺跡を崩壊させることなく復元することができるのでしょうか?

【ゲームシステム】

いわゆるバランスゲームです。

各プレイヤーは難易度の数だけ柱を渡されます。そして、手番ごとに復元指示のカードをめくっていき、それに従っていきます。
床板が柱で埋まったら直ちに床板を足していくことになり、階層が増えます。

もしこの時に

  • 従うことができない指示が出た
  • 柱を倒してしまった
  • この指示に従うことは難しいと判断した

場合、クリアへのハードルが一段高くなります。(クリア条件の階層が増えます)

  • 全ての床板/柱を置ききった
  • 全ての指示を実行した
  • 床板が崩落してしまった

がゲーム終了のトリガー。クリア条件を満たしていれば全員の勝利。そうでなければ全員が敗北します。

【やや残念だと思った点】

筆者にしては珍しく、マイナス点から書きます。

○ 外部要因で失敗する要素が大きい。

バランスゲームの宿命と言えます。物理的に(文字通り)積み上げるゲームのため、

  • 誰かがテーブルにぶつかった
  • ドアの開閉や人の出入りなどで振動が発生した
  • 袖やネックストラップ等が触れた

だけでゲームは終わります。その失敗要因をゲームに参加していない人/ものに求めるのは酷です。
(特に家に猫がいる場合は大惨事が発生します)

○ 他責思考の人と奉行問題

協力型ゲーム全般に言える問題点はここでも発生します。
「巻き戻し」が物理的に無理なゲームでは特に顕著です。

上記の明確な欠点がありますが、それらがクリアできれば他のゲームにない素晴らしい特徴があります。

【良かったと思った点】

○ とかく映える盤面

カラフルな柱と床板が幾層にも積み重なる盤面は「これぞアナログゲーム」と呼ぶにふさわしいものです。

○ 明快なルール

カードによっては「床板を柱ごと上位の層に持ち上げる」的なものがありますが、大概は柱を置くものばかり。
そして、床板の柱が埋まったら新たな床板を積み上げるというわかりやすいルールは言語依存に抵抗があるプレイヤーでも楽しめます。

○ 一目瞭然の達成感

(文字通り)目に見えて目標が達成できているか否かが分かります。物理的な障害を乗り越えて目的が達成できたときの喜びはひとしおです。
また、得意な人は高難易度の指示を担当して苦手な人には簡単な指示をやってもらうなどの「協力型ゲームのいい点」が発揮されるケースもあるでしょう。

○ 高いリプレイ性

ゲームの性質上、全く同じ盤面になることがありません。失敗した場合は難易度を下げて再チャレンジ(あるいはその逆)できますし、
「どうすれば良かったか」「次に失敗しないためには?」「記録、更新しよう」といった感想戦も盛り上がります。

【まとめ】

状況/場所/人を選ぶゲームであるものの、

  • 体を使うバランスゲーム
  • とても映える盤面
  • 協力ゲームならではの達成感

は他に得難い体験をもたらしてくれるでしょう。この手のアプリ化がまずできない(できたとしても難しい)ボードゲームは個人的に高評価。
クローズ会や自宅会で遊びたい一本です。

【備考】

本ゲームの勝利条件には抜け道があります。

「床板が崩落してしまった場合にゲームは直ちに終了。終了時に規定の階数に達していれば勝利」

というもの。すなわち、規定階数に達した箇所があったら「それ以外の床板をわざと崩落させて」クリアするプレイングもあり得ます。(冒頭の写真は“うっかり”手が滑って崩落させました)
こういう戦略を見越した上でのプレイもまた、本作の醍醐味でした。

同盟パズル。(アプリ版『ガイアプロジェクト』アンバス人チャレンジ)

久しぶりの『ガイアプロジェクト』の投稿。ダー・シュワームに次いで好きな種族であるアンバス人でのナイスプレイがありました。

まずは結果

184点。高得点ではありますけれど、この難易度なら200も時々あります。にもかかわらず、こうして投稿したのは理由があります。

同盟数

5同盟と惑星改造ボーナスによる追加の同盟タイル。ここまできれいに取れたのは久しぶりです。

しかも、最後の同盟は衛星を繋ぐのに必要なトークンがなくなったため

  1. 研究でQICを入手する
  2. フリーアクションで以下の資源変換を行う
    • QIC→鉱石
    • 鉱石→パワートークン
  3. 同盟接続

を行うことができました。

他にも…

  • 研究トラック「知識」を上げずに研究4ゴール
  • キッチリ取れたラウンドバスごとに同盟×3点の上級タイル
  • 最終ラウンドのブースター(鉱山×1点)

といった細かくもいいプレイを行うことができました。

  • 得られる鉱石が多め
  • 受けも攻めもやりやすく
  • 首府能力でゴリ押しもできる

好みの種族ですアンバス人。

ボードゲーム『タッジーマッジー』感想。

18枚のカード、2回のドラフトでひりつく勝負が楽しめる「花束」をモチーフにしたカードゲームです。

概要

プレイヤーはロンドンでお茶を楽しむ人たち。合間合間に花束を贈り、その(行間ならぬ)花間にメッセージを込めようとしています。限られた時間の中で、誰が一番メッセージをうまく伝えることができるでしょうか?

ゲームシステム

いわゆるドラフトとセットコレクション。流れは以下の通りです。

  1. 各プレイヤーには2枚のカード(花)が配られます。
  2. 1枚を表(花束)、もう1枚を裏(思い出)として隣接するプレイヤーに公開します。
  3. 隣のプレイヤーはそれらの中から向きを変えずに受け取ります。選ばれなかったカードは保持します。(裏のカードは受け取るまで見られません)
  4. これを2回繰り返し4枚の花からなるアレンジを作ります。このとき、「披露の準備」と書かれてればそれに従います。
  5. カード(花)に従った得点計算を行います。

これを3ラウンドに渡って繰り返し、一番高い得点を獲得したプレイヤーが勝利となります。

良かったと思った点

コンボの多彩さ

18枚のオールユニークなカードはいずれも組み合わせれば得点の相乗効果が見込まれます。運と戦略が合致して大量得点を出したときの喜びはかなり得がたいものがあります。

虚々実々のブラフ

上述したように「一枚は表/一枚は裏」で隣のプレイヤーに選択を任せるため、

「表に弱めのカードがあるけど裏はいいカードなのか?」
「相手、既にこちらが取ったカードとコンボするカード見せてるけど……」

と、裏をかいたりしてやられたりの駆け引きが最大の魅力です。

シンプルで美麗なイラストに込められたメッセージ

「カード」というより「タイル」と言った方がいい大きく厚いカード(日本版)に描かれた美麗なイラストは並べるだけで花束という形。
いずれもカード効果と合った花言葉が書かれているのもまた魅力の一つです。

やや残念だと思ったところ

経験者有利となるテキスト量

TCG慣れしていない人にはちょっと手間取るテキストがカード上にいくつかあります。(特に思い出と花束の位相を参照するカードなど)そして、そのテキスト慣れがそのままゲーム上の得点行動につながります。

  1. 最初に全てのカードを全プレイヤーに見せる
  2. インスト時に実際の流れを説明すると共に得点を披露する

の処理は必要です。

“徒花”マリーゴールドの使いどころ

これは一項目を使うべき問題。

このカードは披露の準備(得点計算の前)として他の花を捨て札にする強烈なデメリットがあります。
これによってコンボの邪魔となるカードを払うことができるのもまた事実ではありますが、引いた(引かれた)時に顔に出るほどです。

まとめ

最初に言ったように、たった18枚、2回のドラフト。4枚のカードで駆け引きやコンボを楽しめるのは、さすが『ウイングスパン』のデザイナーによる作品。
15分~30分と手短に終わるので言語依存に抵抗がないプレイヤーがいる中でのスターターやアイスブレイクにぴったりでした。

ボードゲーム『キャンバス』感想。

ようやく崩す機会がありました。話題になっていただけあって、

  • とにかく映える盤面
  • 比較的シンプルでわかりやすいルール
  • 高いリプレイ性
  • 楽しい感想戦

などが秀逸なゲームとなっていました。

概要

プレイヤーは芸術祭に参加する画家。コントラストや強調、余白などを意識しながら主催者の意向に沿うように定められた条件に沿った絵を出品していきます。

良かったと思った点

視覚に訴えるコンポーネント群

3枚のクリアなカードを背景のカードと組み合わせて一対の絵にするアイディアはとかく壮観。ゲームが進むごとに盤面が華やかになり、「絵を出品する」気分を高めてくれます。

インストしやすいルール

プレイヤーのアクションは2つのみ。

  1. カードを取る
  2. カード3枚を組み合わせてリボン(得点)を得る

右に行けば行くほど資源(パレット)を消費する制限がカードを取るアクションで発生するものの直感的で分かりやすいです。絵を組み合わせることによって発生する細かい得点計算も裏に書かれている親切設計なのもポイントです。

上記のリボン(得点_を成す条件も毎回のように組み合わせが変わりますし、一定数存在する特別ボーナス(銀リボン)もあるので「ああでもないこうでもない」とのジレンマに悩まされるでしょう。

今風の脱落しないゲーム進行

サドンデスもなければ失点要素もありません。また、各プレイヤーには「3枚の絵」が確実に残るので最後までゲームに参加できます。

やや残念だと思ったところ

ダウンタイムの長さ

「組み合わせによって効率的な得点を重ねられる」が弱みになる形。高得点を目指すプレイヤーがいると手番が遅くなりがちです。(特に条件が複雑な場合)

写真撮影の悪条件

これは「映え」のお話。

アクリル板+スリーブと光が乱反射する悪条件が揃います。進行中や感想戦で写真をアップしたい方がいる場合は、その旨を伝える方がベターです。

まとめ

  • インパクトも見栄えも十二分なコンポーネント
  • 分かりやすいルール
  • 程よく終わるプレイ時間

はライト層を引きつける要素に満ちあふれています。特に、「どのカードをどの順番で重ねていくか」はアナログゲームの強みと言えるでしょう。

個人的には壁掛け用の穴まで箱にあり、パッケージそのものが一枚の絵になるのが特にお気に入り。
(インテリアとして機能するためにずっと部屋に飾られて崩す機会が失われていたほどです)

そのため、飾りにすることなく普通に遊んでいきたいと思った一本でした。

ボードゲーム『ウイングスパン拡張 東洋の翼』感想。

鳥をテーマにしたエンジンビルド、『ウイングスパン』の単体でも遊べる拡張。遊べる人数を大幅に減らした分、よりインタラクションがあふれるゲーム性をもたらしてくれました。

対人戦並びに基本を追加しての群鳥モードはプレイしていないので、本作のつがいモード:対オートマ戦での感想になります。

概要

プレイヤー鳥類保護区の管理人となり

  • 餌を集める
  • 卵を産ませる
  • 鳥カードを引く
  • 鳥カードをプレイする

を4ラウンドに渡ってプレイしていき、鳥カード自体の力を借りながら得点を重ねていきます。

本作で追加された要素「つがいモード」

これは、ボード上にある鳥カードをプレイしたときに条件が合えば(草原に餌:穀類を必要とする等)追加ボード上につがいトークンを置くことができます。これによって

  • 場所によっては一時的なボーナスを得られる
  • 最終的に一番つながっているひとまとめごとに勝利点を得られる(例:4個のトークンが固まっていれば4得点を得られます)

良かったと思った点

先置きとエリアマジョリティによるインタラクション

  • 先置きされたら対戦相手は同じ場所に置けない
  • 最終得点でエリアボーナスが発生する

ことによって、ソロゲーム感が強い本シリーズにより一層の対人感が加わります。なので、強いカードをプレイして卵を産ませていけば勝てる的な常道に加えて「どの鳥をプレイすればここにトークンを置けるか?」が加わります。

また、ラウンドごとの目標もつがいトークンを参照するのでエリアマジョリティ捨てて目標達成を目指すか否かのジレンマも程よく発生。

そして、このトークンを置くことができるのはあくまでも鳥カードをプレイしたとき。なので、基本セットの定番だった卵プレイがかなり弱まっているという印章でした。

バランスが取れたカード群

「この鳥さえいれば餌/カードには困らない」的なものがかなり弱まっていました。そのため、ゲームのたびに新たなエンジンを考えていく必要があります。

より強力になったオートマ

オートマはラウンドごとの目標やエリアマジョリティを明確に狙うようになってきています(その強力さは基本セットにあったキューブによる得点調整を必要としないほど)。ゲーム終盤になれば卵プレイも重ねてくる凶悪さ。

元からオートマが持つ餌やカードドローなしにカードを手に入れるも相まって、一筋縄ではいかないプレイ体験を味わえました。

残念だと思った点

箱の小ささと付属品の少なさ

基本セットにもあったカードストレージやダイスタワーも存在しません。それなのに商品を手に取ったときに「鉄でも入ってる?」と錯覚したほどの密度でコンポーネントが詰まっています。故に、タイル抜きやスリーブ入れを行った後に箱に入れるのは容易ではありません。

(本作用にデザインされたオーガナイザーを用いても蓋が浮きました)

収納に関しては

  • プレイ感を無視して無理矢理詰める
  • 他の箱に詰め替える

などの工夫は必須です。

まとめ

「収納に難がある」以外は『ウイングスパン』伝統のゲーム性はそのままに

  • バランスの良い強さのカード
  • 一筋縄ではいかなくなったオートマ
  • 先取りマジョリティ

が非常に脳に効きます。1~2人で遊ぶ場合はこちらを標準にして欲しいほどの作品でした。

ボードゲーム『タイガー&ドラゴン』開封と整理。

『タイガー&ドラゴン』開封

再販されていたので購入しました。

ボードゲーム『タイガー&ドラゴン』。日本の伝統ゲーム『ごいた』をベースにしたこのゲーム。

  • コンポーネントの質感
  • ルール
  • レビュー

などを鑑みて今後の定番になりそうな気配を見せてくれました。なので、収納は一ひねり加えました。

ラミネート加工

得点シートがやや薄かったので、ラミネート加工を施します。

袋差し替え

そして、収納はこの袋に差し替え。加工して厚みがあるシートもまるごと入り、牌をまとめて入れられるという配慮からです。

収納完成

得点チップとスタプレマーカーは百均の別の袋にまとめることにより、全てのコンポーネントが中に入りました。

元の箱より若干大きくなったものの、携帯性や機能性は十分です。

ボードゲーム『ジャイプル』ソロバリアント

ゲームセットアップ図

2人用ボードゲーム『ジャイプル』に以下のソロバリアントがあったのでご紹介です。

対人戦よりも

  • 確率計算
  • リスク予知ならびにリスク判断
  • 慎重な手札管理

が求められるシビアでタイトなバリアントとなっています。

参考:
https://thesoloboardgamer.com/jaipur-solo-variant/

ソロ概要

このソロバリアントではボットとしのぎを削り合います。ボットは定められたアクションに従った行動を取ります。

ボットの特徴

以下が通常と異なります。

  • ボットは手札を持ちません。
  • ボットは商品カードを獲得/交換しません。(代わりに市場にあるカードを捨てます)
  • ボットは家畜(ラクダ)を獲得しますが交換を行いません。
  • ラウンドが終了して得点計算時、ボットは「あなた(プレイヤー)がこのラウンドで獲得しなかった全ての商品トークン」を受け取り、それらをボットの得点に加えます。

ソロバリアント時のセットアップ準備

  1. 山札から全ての商品カード(レッドダイヤ/金/銀/絹/スパイス/革)と家畜カードを各1枚抜き出して裏向きでシャッフルします。これがボットのアクションデッキとなります。
  2. それ以外は通常のゲームと同じです。商品トークンを降順に並び替え、ボーナストークンを3/4/5に分けてランダムに裏向きで並び替え、威信トークンとラクダトークンを脇に置きます。
  3. 山札からラクダカード3枚を抜き出して市場に並べ、再度山札をシャッフルします。
  4. プレイヤーは5枚カードを引きます。この時、手札にラクダがいたらそれらを家畜置き場に置きます。
  5. 山札の上からカード2枚を公開し、市場に加えます。
  6. アクションデッキは裏向きのまま、他のカードと混ざらないよう、適当な位置に置きます。
  7. 第1ラウンドはプレイヤーの先攻で始まります。
ボットのアクションデッキ。商品各1枚と家畜(ラクダ)で構成されています。

ゲーム進行

プレイヤーのアクション

通常のゲームと全く同じです。

  1. 商品カード1枚を市場から獲得する
  2. 市場にある全ての家畜を引き取る
  3. 手札/家畜2枚以上と市場のカードを交換する
  4. 手札の商品1種類を売却してそれに応じた商品トークンを獲得する

上記いずれかを行ったら必要に応じて市場のカードが5枚になるように補充しボットに手番を渡します。

※通常のゲームと同じく手札7枚制限を忘れないようにしてください。

ボットのアクション

ボットの基本動作

  • 適当な位置に置いたアクションデッキを上から1枚めくって公開します。この時に出てきた商品に応じたアクションを行います。
  • アクションを行ったら、(市場にカードを補充して)プレイヤーに手番が移ります。
  • これ以降、ボットに手番が渡った場合、同じようにデッキの一番上のカードを公開してアクションを行っていきます。

基本1:公開した商品カードと同じものが市場に存在しない場合

  • 公開した商品のトークン1枚をボットに渡します。(通常と同じように、ストックにある一番高い価値のトークンです)

基本2:公開した商品カードと同じものが市場に存在する場合

  • 公開した商品と一致した市場のカード全てを捨て札にします。
  • ※ボットがこのアクションを実行した場合、ボットは商品トークンを獲得しません※
  • 捨てたカードが3/4/5枚の場合、これに相当するボーナストークンを裏向きのままボットに渡します。(ラウンド終了まで伏せておきます)

基本3:公開したカードが家畜(ラクダ)だった場合

  • 市場に家畜がある:それら全ての家畜をボットの家畜置き場に置きます。(これらのカードはラウンド終了時のボーナスで参照します)
  • 市場に家畜がない:後述する「ボットの好み」に合わせ、市場に存在する一番高い価値の「商品カード」1枚を捨て札にします。

ボットの例外動作

基本動作に沿わない動きが時々出てくるので、それらを明確化します。

例外1:ボットのアクションデッキが無くなった

ボットの手番終了時にボットのアクションデッキが尽きた場合は順番を並び替えずに裏向きにして次のアクションデッキとします。

例)
ボットは

革 → レッドダイヤ → 家畜 → 銀 → スパイス → 絹 → 金

の順番でカードを公開しました。次以降のアクションも同じく「革」から始まって「金」で終わるよう、裏向きにしてアクションデッキを作ります。

例外2: 公開した商品カードと同じものが市場に存在せず、その商品トークンがない場合

この場合、後述する「ボットの好み」に合わせ、市場に存在する一番高い価値の商品カードを捨て札にします。

例)
ボットは市場にないレッドダイヤを公開したが、レッドダイヤのトークンは尽きた。
市場は 銀 / 革 / スパイス / スパイス / ラクダ が並んでいる。ボットの好みが一番高いのは銀なので、これを捨て札にした。

ボットの好み

カードを破棄する場合の優先順位は次の通りです。

↑優先順位が高い↑

  1. レッドダイヤ
  2. スパイス
  3. 家畜

↓優先順位が低い↓

ラウンド終了と得点計算

ラウンド終了判定

通常のゲームと同じです。各手番終了時、

  1. 商品トークン3種が尽きた
  2. 山札が尽きた

のどちらかでラウンドは終了し得点計算に入ります。

得点計算

  • 得点計算前、ボットは「プレイヤーが獲得しなかった全ての商品トークン(ボーナストークンを除く)」を受け取ります。
  • 家畜置き場にある家畜を参照し、ボットの方が家畜の数が多い場合、ボットはそのボーナスも受け取ります。
  1. ラウンド中にボットが獲得したトークン(ボーナストークン含む)
  2. プレイヤーが獲得しなかった全ての商品トークン

を公開し、その合計点がボットの点数です。

プレイヤーの得点は通常のゲームと同じです。合計値が高い方がラウンドの勝者となり、威信トークンを受け取ります。

次ラウンドの準備とゲーム終了判定

  • ラウンドの勝者が次ラウンドの後攻です。
  • 同じようにチップを市場に並び替え、市場や手札を用意します。
  • ボットのアクションデッキは内容はそのままに裏向きにシャッフルします。
  • ラウンドを続け、先に2つの威信トークンを得た方がゲームの勝者です。

ボードゲーム『ジャイプル』感想。

ボードゲームカフェの方にインストいただき、購入しました。
運/戦略/リスク判断がマッチし、テンポの良さも心地よい2人用ボードゲームです。

概要

プレイヤーはインドの商人。手札や品数の残りなど、限られた資源をうまくやりくりして対戦相手よりも多くのお金を稼いでいきます。

  • 衣服/スパイス/貴金属といった商品を仕入れ
  • 商品を有利な条件で売りさばく

ことで資金(ルピー)を稼いでいきます。商品チップが3種類尽きたか山札が尽きればラウンド終了のトリガー。ラウンドごとに得られた資金(ルピー)を計算し、2本先取したプレイヤーがマハラジャ専属商人としての栄光を得ます。

良かったと思った点

言語依存のないコンポーネント

商品/家畜が書かれたカードと数字が記載された商品やボーナスチップのみ。そのため、簡単な計算ができる年齢から楽しめます。

先行売却とまとめ売りのジレンマ

  • (銀を除き)先に売却を行った者は多くの資金を得られる
  • まとめて売却した者には追加のボーナス

の2つがうまくマッチしているため、「先に売却したいけど、もう1枚/2枚あれば」のチキンレースを味わえます。しかも、商品の数は限られている上にラウンド終了のトリガーにも直結。

この、GoとStayを常に秤にかけながらのやりとりがとても白熱です。

「家畜(ラクダ)」の存在

本作の最大のキーアイテムです。売却を行えば行うほど減る手札。これを補うのが市場にある家畜(ラクダ)カードを引き取るアクション。
これは擬似的な手札として機能し、持っていればいるほど有利な商品仕入れにつながります。

しかし、このアクションを採用することは「市場によりよい品物があふれる可能性」を対戦相手に与えます。これが先の「先行売却/まとめ売り」システムと合致しています。

この、「今見えている商品を仕入れる/交換する」か「この次に相手に有利な選択肢を与えてでも後の取引につなげるか」のインタラクションはこのゲームの醍醐味でした。

難点だと思ったところ

見落としやすいルールあり

  1. カードを交換する場合は2枚以上(1枚だけの交換は不可)
  2. 高価な商品(銀/金/レッドダイヤモンド)は手札に2枚以上ないと売却できない
  3. 売却できる製品は1種類のみ
  4. 売却する商品のカード枚数>トークン枚数の状態でもまとめ売りボーナスは得られる

など、売却時に関する細かいルールを見逃しやすいので、インストの際には注意が必要です。

ラウンドごとのセットアップ

  • システムの都合上、ラウンドごとに全ての商品トークンを昇順に並べる必要があります。これが不慣れな状態だと面倒です。
  • 山札も切り直す必要がありますが、このときにシャッフルが甘いと商品をまとめ引きする可能性が非常に高いです。

まとめ

  • ほどほどの時間で終わる中箱寄りの小箱
  • 駆け引きも楽しめ
  • 運と戦略とリスク判断の悩みどころ満載

これもまた「古典/名作と呼ばれるには理由がある」と納得した一本でした。

カードとチップのみのシンプルなコンポーネントも初心者に優しく、運の要素があるために経験者が絶対有利にならないのが個人的な評価点。

余談ではありますが、サードパーティー製の商品アップグレードトークンがあります。

大型ボードゲームが(下手すれば格調込みで)買える値段のためおいそれとオススメはできませんが、『宝石の煌めき』と同じような質感で対戦ができるために本作が気に入った方はこちらへの差し替えを提案したいです。

袋、差し替え。(ボードゲーム『宝石の煌めき:デュエル』アップグレード

ぬくみ温泉開拓記に引き続き、こちらもアップグレードです。

左の備え付けから、右の巾着袋へとアップグレード。

裏地もしっかりしているので手触り、視認性抜群。

元の箱にもキチッと収まって

更に彩りと華やかさを加えてくれました。

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