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ピボット旅行2026-27『il vento d’oro』

はじめに

このタイトルを聞いて、ピンとくる方は多いと思います。

アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』、そのイタリア語タイトルが『Vento Aureo』。そして『il vento d'oro』といえば、敵へのトドメで流れる、いわゆる「処刑用BGM」として知られるあの曲です。

MLBオールスターでも大谷翔平選手が入場曲としてリクエストしたことで話題になりました。そんな曲が、今回のエントリーの鍵となります。

……鍵というよりは、契機と呼んだ方が正確でしょうか。なにしろ、今回立ち向かう相手は敵スタンド使いではありません。自分自身が溜め込んだ、ある種の負債です。

記録負債という言葉

筆者には、日課と呼べるものがいくつかあります。

  • 毎日のWordPress公開
  • ほぼ日手帳への記録
  • ZENタイルの記録

こう並べると、いかにも毎日きっちりと記録をこなしているように見えるかもしれません。しかし、実態は少し違います。

大事なのは、必ずしもその日のうちに全部を終わらせることではありません。最終的に帳尻が合えばいい、というのが筆者のスタンスです。記録を溜めておいて、後からまとめて処理することもあります。

その結果として発生するのが、記録負債。記録するべき事柄がなくなるわけではありません。単に未来の自分へ仕事を先送りしているだけです。

そして、未来の自分は大抵、別のことをしています。こうして発生した負債を返済するため、筆者は定期的に時間を設けています。

お金の記録は、ライフログである

今回の返済対象は、旅行中のお金の記録です。宿に戻ったら、まずは大事な記帳作業が待っています。お金といっても、ここで記録するのは入出金です。

お金の動きは、単なる家計簿の数字ではなく、自分がどのように生活していたかを物語るライフログでもあります。

  • 臨時収入。めったにありません。
  • 衝動買い。こちらは、とてもよくあります。
  • 急遽、病院に行くことになった記録。

普段の生活で何にお金を使い、何が予定外に発生し、どこで判断を変えたのか。そうした出来事が、金額とともに残ります。下手に感情だけを記録するよりも、よほど生々しいものが見えてくることもあります。

筆者がこの記録に使っているのが、セルフホストしている家計管理アプリのFirefly IIIです。

比較的シンプルな操作で記帳でき、検索も速い。口座単位で管理できるため、現金で支払ったのか、カードを使ったのかといった違いも追跡できます。今回の旅行では、これが実に重要な意味を持ちます。

  • どこで、何に、いくら使ったのか。
  • それだけでなく、いつ使ったのか。

記録を積み上げていけば、旅行中のお金の動きを完全に物語る指標になります。 ……問題は、その物語に登場する数字を、自分自身で支払っていることです。

自分の血液が流出する瞬間

旅行中の出費を記録するということは、レシートや領収証を確認しながら、自分が使った金額を改めて直視するということです。言い換えなくても:お金という自分の血液が流出した事実を、わざわざ自分の手で再確認する作業でもあります。

精神にくる作業です。一泊や二泊程度の旅行であれば、帰宅してからまとめて記録しても何とかなります。しかし、三泊ともなると話が変わります。

レシートも領収証も増えます。記録する項目も増えます。何より、時間が経過するほど「これは何の支払いだったか」を思い出す負担が増していきます。

どこかで、途中で、やらなくてはいけません。しかし、やりたくない。

この二つは、何の矛盾もなく両立します。

そして、両方やらなくっちゃあいけないのが辛いところです。

覚悟はいいか? 俺はできてる

それならば、なぜ朝一番でやらなかったのでしょうか。

旅行記を書いているときには、筆者はしばしば「自動書記」とでも呼ぶべき状態に入ります。記憶が新鮮なうちに、思い出したことを勢いのまま文章へ変換していくのです。

ならば、朝のうちに記帳も済ませてしまえばよかった。ところが、お金の記録は勝手が違います。

旅行記ならば、多少の感情の揺れや記憶の細部が前後したところで、文章としての勢いを優先できます。金額はそうはいきません。

  • レシートに書かれた金額と入力した金額が一致するか。
  • 現金で払ったのか、カードで払ったのか。
  • 記録した取引に抜けがないか。

起き抜けの頭で、これらを正確に突き合わせるのは無理があります。自動書記の勢いだけでは乗り切れない。かといって、先延ばしにすれば負債が膨らんでいく。

そこで必要になるのが、作業を始めるためのスイッチです。

「覚悟はいいか? 俺はできてる」

ここで選ばれたのが、『il vento d'oro』でした。

ミュージックスタート。

トラベラーズノート、マスキングテープ、そしてFirefly III

曲を流しながら、レシートと領収証を一気にまとめていきます。

この作業で役に立ったのが、前回の記事でも登場したトラベラーズノートです。レシートを貼り付け、必要に応じて簡単なメモを残し、それを確認しながらFirefly IIIへ記帳していく。

単にレシートを保管するだけではありません。旅先での支出を振り返り、記録と記憶を結びつけるための作業台として機能してくれました。そして、ここでもう一つ、思わぬ援軍が登場します。

マスキングテープです。

今回、輪行を諦めたことで、当初の予定とは少し違う荷物を携行することになりました。その中に入っていたマスキングテープ群が、ここで役に立ったのです。

レシートを貼り付け、整理し、必要な情報を残す。旅先での記録という観点では、非常に相性のよい組み合わせでした。もっとも、これらを持ってこなかったとしても、筆者はおそらくロフトでほぼ日手帳と一緒に買っていたでしょう。

必要な道具がなければ、現地調達すればいい。旅先での買い物には、そういう側面もあります。

……そして、そうやって増えていく出費もまた、いずれFirefly IIIに記録されるわけです。

無駄無駄無駄ラッシュ、そして17時

『il vento d'oro』の勢いを借りて、次々とレシートを処理していきます。金額を確認し、支払い方法を確認し、取引を登録する。

無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ!

もちろん、ここで言う「無駄」は、記帳作業そのものを指しているわけではありません。あくまで、積み上がった消費金額に対する感想です。

曲の勢いに乗って、記録負債を一気に返済していきます。

そして、作業開始から約一時間。

ついに、旅行中の支出記録が完成しました。

これで、どこで、何に、いくら使ったのかを振り返るための記録が揃いました。レシートも整理され、Firefly IIIへの入力も完了。先送りにしていた仕事が、ようやく片付きました。

そして時計を見ると、17時。

「つけの…… 領収証だぜ」

と言いながらの次の出費へ向かうため、財布を持って宿を後にしました。

...To Be Continued

ピボット旅行2026-断章『自分へのマウント』

はじめに

この旅行の0日目、つまりフェリーに乗った日に、トラベラーズノートを購入しました。

そして、「あるのがいけない!」でお茶を買っても、高松商店街の探索は続きます。

ルピシアからそう遠くないところにロフトがある。せっかくだから行ってみよう。そうして立ち寄った店内で、筆者はほぼ日手帳を見つけました。翌年分のアベック版です。

そこで、ふと思ったわけです。

「これ、旅先で買うの?」

いや、旅先だから買うのです。トラベラーズノートに続いて、ほぼ日手帳まで旅先で購入する。今回は、そんなお話です。

未来の自分にマウントを取る

筆者は2021年1月から、ほぼ日手帳の全日付を埋め続けています。

毎日欠かさず書いているわけではありません。ある程度たまったところでまとめて消化する、いわば積み残しの一括処理方式です。それでも、日付に空白を残さず続けていることには変わりありません。

そんな性分ですから、毎年の手帳購入は、いつしか楽しみではなくなっていました。

翌年版の発売に合わせて購入する。毎年決まった時期に発生する、避けては通れない定例作業です。たとえるなら、サブスクリプションの更新でしょうか。必要なのはわかっている。やらなければ困る。しかし、いざその時期が来ると、なんとなく面倒くさい。

筆者にとって、ほぼ日手帳の購入はそんな作業の筆頭になっていました。しかし、高松のロフトで商品を眺めているうちに、考えが変わりました。

これ、未来の自分にどや顔を決められるのでは?毎年、翌年のほぼ日手帳が発売されるたびに、筆者はこう考えることができます。

  • 「2026年の俺は、旅先で新しいものを買ったぞ?」
  • 「お前はどうなんだ?」
  • 「その時の自分に負けていいのか?」

……これは強い。毎年の手帳購入という、どうしても発生するイベント。そのたびに、過去の自分から挑戦状を突きつけられるわけです。

しかも、相手は自分自身。勝ち負けを決める審判も自分自身です。いくらでも言い訳はできますが、いくらでも言い返されます。

これほど面倒で、これほど長続きしそうな仕掛けもありません。

ほぼ日以外の選択肢

とはいえ、今回の買い物は、ほぼ日手帳から別の手帳へ乗り換えようという話ではありません。

筆者が当初考えていたのは、ほぼ日以外にも、ある程度規格化されていて、商品としての姿が明確で、さらに自分好みにカスタマイズできる手帳を持つことでした。

もうひとつ、忘れてはいけない条件があります。母が作ってくれた、特製の手帳ポーチです。これがある以上、手帳だけを別のものに替えれば済むというわけにはいきません。今さら、このポーチを使わない選択肢は端っからありません。

今回は、翌年分のほぼ日手帳アベック版を購入しました。ついでに、カスタマイズ用のパーツも。

いつもの手帳を、いつもとは違う場所で買う。

たったそれだけのことですが、筆者にとっては毎年の定例作業に、新しい意味を与える買い物になりました。

記憶にフックを仕込む

ここで重要なのは、単に翌年分の手帳を早めに手に入れたことではありません。

その手帳を、どこで、どんな経緯で買ったのか。

この記憶こそが、今回の買い物の本体です。心理学には、エピソード記憶という概念があります。自分が経験した出来事を、そのときの状況や場所、感情などと結びつけて覚える記憶です。

今回の手帳には、高松の商店街を歩き、ルピシアの近くにあるロフトへ立ち寄り、そこで「旅先だから買う」という結論に至った一連の出来事が付随しています。

毎年、決まった時期に購入する手帳とは違います。

2026年の手帳には、2026年の旅先で買ったという固有のエピソードがあるのです。そして、この記憶は、手帳を使い続ける限り、何度も思い出す機会があります。

  • 翌年分の手帳を購入するとき。
  • 分冊になっているアベック版を切り替える、半年ごとのタイミング。
  • 何より、文章を書いていて筆が止まってしまったとき。

今回の買い物は、そんな場面で記憶を呼び起こすフックになるはずです。

手帳を開けば、高松で買ったことを思い出す。高松で買ったことを思い出せば、あのときの自分が、未来の自分に向けて仕掛けを施したことも思い出す。そして、あの言葉が蘇ります。

「2026年の俺は、旅先で新しいものを買ったぞ?」

毎年の手帳購入を、単なる義務的な更新作業で終わらせない。過去の自分が、未来の自分を動かすための仕組みを作っておく。手帳という、日常的に使う道具だからこそ、この仕掛けには意味があります。

おわりに

筆者は今回、翌年分のほぼ日手帳を買いました。ただ、それだけではありません。

未来の自分に向けて、挑戦状を残しました。来年、手帳を更新するとき。半年後、新しい冊子を開くとき。あるいは、何も書けずに机の前で固まっているとき。

そこには、高松で手帳を買った自分がいます。

「2026年の俺は、旅先で新しいものを買ったぞ?」

さて、未来の筆者は、この問いにどう答えるのでしょうか。

ピボット旅行2026-21『自動書記の利用』

はじめに

2026年9月27日。

ようやく、ピボット旅行の3日目が始まりました。この日の天気も雨。尾道に行くというメインイベントは終わりました。では、この日をいかに充実させて過ごすか?

その前に、必須ルーチンが待っていました。

日記です。

ただし、単に日記を書くだけではありません。今回の旅行で筆者が利用したのは、脳内のゴリラルームが持つ、ある種の「自動書記」状態でした。

脳内の自動書記とは

まず、自動書記とは何か。ここで言う自動書記は、何か神秘的な力に導かれて文字を書くという話ではありません。

起き抜けのルーチン。顔を洗い、歯を磨き、ベッド周りを整える。いちいち「さて、次は歯を磨こう」と考えなくても、身体が勝手に動く、あの状態です。

筆者は、これを日記を書くところまで拡張しています。

頭が完全に覚醒する前に、いつもの手順の延長として筆記を始める。そうすると、書くか書かないかを判断する前に、既に手が動いているわけです。

何しろ、人間というものは、やる理由を見つけるのは大変ですが、やらない理由を見つけるのは非常に簡単です。ならば、そもそも「今日は書こうか、どうしようか」という判断を挟まなければいい。

これが、今回利用した自動書記の正体です。

なぜ日記を書くのか

これはもう、筆者の意地みたいなものです。かれこれ、ほぼ日手帳は2020年から再開し(再開、と言うのがポイントです)、2021年1月からは、全ての日付のページを埋めています。

「朝起きて着替えることを習慣とは言わない」

というレベルでやっています。

なぜ日記を書くのか? 生存報告みたいなものです。そのとき何を感じたか、どこへ動いたか、何が起きたか。そのまま記録する。

その時点での自分が何を考え、どう動いたのか。それを残しておけば、後からいくらでも振り返ることができます。そして、一度記録してしまえば、後はどうとでもなる。

旅行記を書くにしても、ブログの記事にするにしても、まずは材料があることが重要です。記憶だけを頼りにして、数日後に「あれ、あのとき何を考えていたんだっけ」となるのは避けたいところ。

だからこそ、「とにかく書いた」という事実が重要なのです。

サボるときはサボるが、書くときは書く

ところが、筆者の日記の書き方は、少々特殊です。

「4日~5日ほどすっ飛ばす」ときがあります。

理由は簡単。

「筆が乗らないから」。

ええ、言い訳としては百点満点ですね。しかし、筆者は「今日は一行書いたから日記にはしよう」とはなりません。なぜなら、「このページは書いていない」という事実を知っている人が確実にいるからです。

ほかならない、筆者自身です。

書いていないものを、書いたことにはできない。そのため、「4日ほどサボったら、5日分書き上げる」ということを半ば習慣にしています。

サボること自体は否定しません。筆が進まないときは進まないのですから、そこは仕方がない。ただし、サボった分は後で回収する。

このあたり、妙に律儀なのか、それとも単に面倒な性格なのか。おそらく両方でしょう。

そこで役立つ自動書記状態

さて、そんな筆者にとって、数日分の日記をまとめて書く作業は、なかなかの難敵です。人間、「やる理由」を見つけるのは大変ですが、「やらない理由」を見つけるのは非常に簡単です。

そして、筆者のサボり癖は、筆者自身が一番よく理解しています。

筆が進まないときは、書く必要がないように思えてしまう。明日でいい、後でいい、今は別のことをしよう。

そうしているうちに、未記入のページが増えていく。しかし、ここまで続けてきた記録の連続(ストリーク)を無駄にするのは、何かに負けるような気がして嫌すぎる。

そこで利用するのが、起き抜けの時間帯です。

頭が完全に覚醒する前なら、余計な判断を挟まずに作業へ入れます。「今日は日記を書くべきか」という議論を脳内で始める前に、既に筆記を始めてしまう。

意志の力で自分を奮い立たせるのではなく、意志の力を使わなくても作業が始まる状態に持ち込むわけです。

脳内のゴリラルームによる、なかなか合理的な時間管理と言えるでしょう。

筆記器具を持ち込んだ理由

もちろん、ただ起き抜けに手帳を開けば、すらすら書けるというものでもありません。

今回の旅行では、筆者が愛用している万年筆を、別便を利用したこともあって一切合切持ち込んでいました。

これにも理由があります。気分によって使いたい色が違う。それに伴って、筆記時の滑り心地も違う。

筆者の脳が「これならすらすら書けるな」と判断する組み合わせがあるのです。

日記を書くという作業そのものを習慣化していても、実際に手を動かすまでの抵抗がゼロになるわけではありません。

だからこそ、道具の力も借りる。

書き始めるまでの障壁を下げ、書き始めた後は勢いに任せる。自動書記状態を利用するのであれば、筆記環境も整えておくに越したことはありません。

こういうところだけは、妙に抜かりがないのです。

動き始めた筆

そして、実際にどうなったのか。9月27日の朝、日記は9月25日で止まっていました。つまり、旅行中の記録が2日目の途中までしか埋まっていなかったわけです。

そこで、脳が完全に動き出す前に書き始める状態へ持ち込みました。結果、1ページあたり約6分のペースで、9月30日分まで書き上げました。

繰り返しますが、これを成し遂げたのは9月27日です。まだ9月27日の朝だというのに、9月30日分まで書いている。

日記の日付を、現実の時間より先回りしてしまったのです。もちろん、未来に起きることを予言して書いたわけではありません。

書いたのは、今回のピボット旅行についてです。何を思ったか。何が起きたか。そこに至るまで、どのような意思決定をしたか。

今回の旅行は、当初の計画からさまざまなピボットを重ねています。そうした判断の経緯まで記録していくと、1日1ページでは到底収まりません。

そこで、ほぼ日手帳の日付の下のスペースに「9/25」などと実際の日付を書き込み、記録を続けていました。

手帳に印刷された日付と、記録している出来事の日付が一致しなくても構わない。

重要なのは、出来事を忘れないうちに記録しておくことです。後でブログにまとめる際にも、このときの記録があれば、旅行中の判断を含めて再構成できます。

何より、数日分をまとめて書くという作業を、旅行中に片付けられたのです。

時間経過

起きたのは、4時50分ごろ。

そこから歯を磨いたり、顔を洗ったり。着替える前に日記を書き終え、着替えや、この時点での荷物チェックまで済ませたのが6時50分でした。

約2時間で、身支度の一部と日記の追いつき、さらに荷物の確認まで完了。我ながら、脳内のゴリラルームのタイムコントロールはいい仕事をしています。

……というよりも、今回は「この時間帯でなければ朝ご飯に間に合わない」という事情がありました。

せっかく高松まで来たのです。うどんの都の名物を、朝からいただきたい。

しかも、目指すのは朝早くから営業しているうどん店です。のんびりと寝坊している余裕はありません。

日記を書くべきか、書かざるべきか。そんな脳内会議を開いている時間もありません。

だからこそ、起き抜けの自動書記を利用し、必要な作業を先に片付けた。

こうして、午前6時50分。筆者は手帳を閉じ、朝の高松へ出発する準備を整えたのでした。

ピボット旅行2026-05『そうだリフィル、買おう。(My “Favourite” Things)』

「お土産」は旅の途中や最後に買うというのが通例ではありますが、私の場合は「0日目」に始まっていました。

はじめに

道具論のお話ではあるのですが、これもまた旅行記なのでそのカテゴリーに入れます。

拙稿にあるように

筆者はアナログの筆記具「も」信頼しています。

なぜなら、

  • iPhone
  • iPad mini
  • Thinkpad

といったデジタル筆記具と

  • ほぼ日手帳
  • トラベラーズノート

を併用。というのも、『MASTERキートン』に曰く

「やめておけ」
「…………」
「拳銃の方が、ナイフよりも速いと思っているんだろう。
 だが、拳銃はデリケートな道具だ。
 弾が出ないかもしれないし、
思い通り的に当たるとは限らん。
おまけに拳銃は、
抜き、構え、引き金を引くまでに三動作(スリーアクション)……
 その点ナイフは、一動作(ワンアクション)で終わる。
この距離なら、絶対に俺が勝つ!!
どうする? それでもやってみるかね?」

の通り、それぞれ「記録する手段」は同じなのですが「得意とする射程距離」と「初速」が違うため、どうしても併用する。

(↑建前↑)
(↓本音↓)
「カッコいいから」

です。

また、昨年の谷川岳・湯檜曽温泉にて筆者は「トラベラーズノート」という極めてシンプルな作りなのにカスタマイズ性と利便性を兼ね備えた手帳を手に入れています。

このトラベラーズノートを使って分かったこと

シンプルなのに強い

これが一番の印象です。最初は縦長すぎないかと思ったあの独特のサイズ感。『ほぼ日手帳』になれている筆者としては、公式リフィルの厚い紙は慣れるのかどうかと不安だったのにスラスラ書けます。特に万年筆のインクの吸い付きが再考です。

割と雑に使える

旅に携行するだけあって

  • 重い荷物の隙間
  • 少々の水分

は耐えられます。使えば使うほど味が出てくる革の風合いも、その割と雑に使っていいんだという安心感をもたらしてくれます。

豊富なカスタマイズ

手帳本体が止め紐をつけた革。なのに、

  • 追加のリフィル
    • 無地
    • 罫線
    • スタンプ
    • スケジュール……
  • クリアファイル
  • リフィル自体を増やすアタッチメントバンド

等、用途に合わせて成長します。

ここまで旅行記に書く理由

「この旅行記群を書くにあたって活躍したから」に他なりません。「トラベラーズ」の名は伊達では無いです。

  • 旅先のメモ帳
  • ちょっとした気づき
  • 使ったお金

何よりも「レシートの台紙」として。

旅行0日目での「そうだリフィル、買おう。」

今回は東京からのスタートが19時と、サンライズ瀬戸よりも2時間ほど早い出立となります。なので、自宅からの出発も早く済みます。

最初の予定では

  1. 夢の島熱帯植物館で時間を潰す
  2. 閉館と出航の間をコメダで時間つぶし
  3. 同時に早めの夕食
  4. 船内の朝食をそこで包んでもらい
  5. フェリーターミナルに着く

予定でしたが「時は9/24」が立ちはだかります。今年の大連休がある意味災いし、「夢の島熱帯植物館、休館日」と、いきなり0日目の時間を潰すプランが無くなりました。

そうなると、「出航までどこで時間を潰すか?」の問いが生まれたときの結論が「そうだリフィル、買おう。」という、脳内に『My "Favourite" Things(英国英語で)』のあの歌い出しが聞こえてきた次第です。

この時いる場所は新木場駅。東京駅まで10数分です。そこで、こういう回答がありました。

以前購入しているこの、トラベラーズファクトリー、東京駅。ここなら夕飯・翌朝の朝食を買うことも可能です。オマケに、このタイミングで気づいた点として、「買ったばかりのノートに備え付けのスタンプを押してもらえる」おあつらえ向きのカスタマイズです。

そうして出航

乗船手続き前、その戦利品がこちら。この、表紙に押印された

  • 香川
  • 広島
  • 岡山

が旅で出回ったところ、という辺りが「ええぃ、ままよ!」のアドリブで行動しつつ「天候という変数」のピボットが成立できたわけで。

携行文具一式(2026年7月版)

若干のアップデートがありました。

「とりあえず、これとスマートフォンがあれば大概の場所でも作業ができる」厳選道具群です。

下段左から

ほぼ日手帳

こちらは日記帳。2021年の1月に途切れましたが、そこからは日々欠かさず、全ての日付で書いています。

カバーは『SPY×FAMILY』コラボ。

ThinkPad

出先での母艦です。一時期、やたらと画面がオフになり、どうすんだこれ状態に陥りかけましたが、のぞき見防止フィルターが触れた面でそうなっているだけと判明。その位置を調整して事なきを得ています。

iPad mini

混雑した電車の中で用いるメインウエポン。様々なタブレットを触った中で

  • iPhoneとの連携
  • Apple pencilによる最高の入力体験
  • 大容量

と、忙しいときでもブログが書け、電子書籍リーダーとしても八面六臂の活躍。少しバッテリーが怪しいので次世代をどうするかが懸案中です。

PC周辺機器ポーチ

スリザリン×アフターヌーンティーコラボ。

  • ACアダプター
  • マウス
  • 充電ケーブル
  • PC用イヤホン
  • メモリカードリーダー
  • USBメモリ

などのジャストサイズ。

ペンケース

母手製の大容量ペンケース。LAMYぎっしり。課題は万年筆がおざなりなってしまうこと。メンテンアンス頻度を上げていく工夫が求められます。

トラベラーズノート

こちらは利用頻度が上がってきました。メモ帳だけでなく、L判縦の写真がそのまま貼り付けられるサイズ感も気に入っています。

と、それなりに量はありますが、これがないと私の一日は始まらないレベルの必須品です。

「あなたにとっての“ナイフ”」とは?-1- (『MASTERキートン』“プロフェッサー”に学ぶ道具のセレクト)

「信頼の置ける道具、持っていますか?」という問いかけと私の回答というお話。

はじめに

漫画『MASTERキートン』に以下のやりとりがあります。

「やめておけ」
「…………」
「拳銃の方が、ナイフよりも速いと思っているんだろう。
 だが、拳銃はデリケートな道具だ。
 弾が出ないかもしれないし、
思い通り的に当たるとは限らん。
おまけに拳銃は、
抜き、構え、引き金を引くまでに三動作(スリーアクション)……
 その点ナイフは、一動作(ワンアクション)で終わる。
この距離なら、絶対に俺が勝つ!!
どうする? それでもやってみるかね?」

これは「至近距離でのナイフの有用性」を示したものであり、実際にその通りだという説得力があるものです。

では、この言説は本当なのか? ということで、AIによる試算を行います。

ナイフ vs. 拳銃:速さの決定的な差

この原則は、「21フィート・ルール(タフ・テスト)」と呼ばれる、銃器を携行する際の安全距離を示す経験則で裏付けられます。

拳銃の「三動作」にかかる時間

拳銃で有効な射撃を行うには、

  1. 抜き(ドロー)
  2. 構え
  3. 引き金を引く

最低限の三動作が必要です。

動作所要時間(訓練された者)
ドローから有効射撃まで約 1.5 秒 ~ 2.0 秒

ナイフ攻撃の「一動作」にかかる時間

ナイフを持った人間が相手に致命的な一撃を加える動作は一動作で完了し、さらに相手に向かって距離を詰める速度が加わります。

動作所要時間(突進・刺突)
約 6.4メートル(21フィート)を詰める約 1.5秒

速さの結論(21フィート・ルール)

ナイフを持った人間は、約 6.4メートル(21フィート)の距離から突進してくる場合、銃を抜いて発砲するまでの時間とほぼ同等で相手に到達できます。

  • 漫画のシーンのように、21フィートよりも遥かに近い距離(数フィート)の場合、拳銃の三動作が完了する前に、ナイフの一動作による攻撃は確実に相手に到達し、致命傷を与えることが可能です。
  • プロフェッサーの「この距離なら、絶対に俺が勝つ!!」という言葉は、この時間と距離の絶対的な差に基づいた、極めて正確な戦術的宣言なのです。
  • (もちろん、拳銃に慣れていない/ナイフの熟達、生死のやりとりの覚悟ができていない/できているの差は一番大きいでしょう)

拳銃の「デリケートさ」がもたらすリスク

プロフェッサーが指摘する「拳銃はデリケートな道具だ」という点も、至近距離戦においてナイフの優位性を裏付けます。

  • 機能不全のリスク:
    • 弾が出ないかもしれない(ジャミング、装填不良)。機械的な構造を持つ拳銃は、至近距離でのもみ合いや、些細な不具合で機能不全を起こすリスクがゼロではありません。
  • 命中精度の問題:
    • 思い通り的に当たるとは限らん(照準の困難)。突発的な近接戦闘では、冷静に狙いを定める余裕がなく、また物理的な妨害により、有効な射撃が困難になります。

この「デリケートさ」と「動作の多さ」は、そのまま私の道具を選ぶポイントにも表れています。

「デジタル器具の逆説」

私は当ブログにおいて

  • Redmine
  • Growi
  • Nextcloud
  • BookStack
  • (Firefly等も)

といった、様々なOSSのWeb記録ツール、そしてそれらを扱うPCやスマートデバイスなどを紹介してきましたが、そもそもの問題として私は「デジタルな道具を完全に信じていません」。その証拠にこちらの道具群をご覧ください。

道具群

  • ペンケース
    • ほとんどがLAMY Safari万年筆
  • 手帳類
    • ほぼ日手帳
    • ジブン手帳
    • トラベラーズノート
    • 情報カード
      等。これらは全て普段から持ち歩いているものです。(当然、鞄はギッシリです)ですが、それなりに理由があります。

「アイディアの揮発性」

閃いたアイディア、特に「100文字程度の短いひらめき」は、掴まえようとしなければ水蒸気のようにたちまち消えてしまいます。この一瞬の勝負において、私はデジタルツールを信用していません。

プロフェッサーの言葉を借りるならば、アイディアを捕捉するこの至近距離の戦闘では、デジタルツール(拳銃)の「三動作」は、紙とペン(ナイフ)の「一動作」に敗北します。

アイデア記録における「動作」と「時間」の比較

以下は、100文字程度のアイディアを記録し終えるまでにかかる動作と時間の比較です。

道具道具の比喩記録までの動作所要時間(目安)思考の中断リスク
紙とペンナイフ1 動作約 20 秒極小
デジタルツール拳銃3 動作約 38 秒以上高

紙とペン(ナイフ):確実な「一動作」

紙とペンは、「書く」という一動作で記録が完了します。この約 20 秒間、思考の流れを一切止めることなく、揮発性の高いアイディアを紙の上に瞬時に定着させることが可能です。これは、プロフェッサーが示した最短距離、最小動作で確実に仕留めるという原則そのものです。

デジタルツール(拳銃):遅延を生む「三動作」

スマートフォンやPCのアプリで記録する場合、必ず以下の「三動作」が介入します。

  1. 起動(抜き):スリープ解除、パスコード解除、アプリ起動。
  2. 新規作成(構え):新規メモ画面への遷移、ツール内のファイル選択。
  3. 入力(発射):タイピング。

この「抜き、構え」のプロセスで生じる約 20 秒弱のタイムラグこそが、拳銃がデリケートな道具である最大の理由です。アイディアは、ツールを起動し構えている間に、すでに空中に消え去っている可能性があるのです。

 → このアイディアの揮発性というのは非常に致命的なものであるというのは皆様も経験があると思います。

それ以上に大切な「デジタルメモのデリケートさ」

スマートデバイスの動作不良の確率は、メモやペンよりも高いことに異論は無いと思います。

それ以上に

  • NW不調によりログイン不可(Webサービスを用いている場合)
  • 同期の不安定
  • 何よりもサービス終了の恐怖

はつきまといます。

反面、紙とペンなら

  • ほぼ確実に書くことができます。
  • 忘れたとしても(都会であればなおさら)すぐに手に入ります。
  • 「自分さえ分かれば」どんな言語、記号、絵だろうと分かるという自由度があります。
  • 何よりも「ペンと紙が生産終了になる」というケースはかなりの世紀末の状況になると思われます。

まとめ

「ちょっとしたアイディアのメモ」という

  • 即時性
  • 確実性
  • 安定性

が求められる状況下においては、紙と筆記具がこそが、思考を守る最も信頼できる道具です。

なぜなら、思考の戦いにおいては以下のブチャラティの言葉に集約されます。

“ぶっ殺してやる”ってセリフは終わってから言うもんだぜ
俺たちギャングの世界ではな
――『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 偉大なる死(ザ・グレイトフル・デッド)』

「思いついたときには書き終えている」。この「一動作(ワンアクション)の速さ」こそが、紙とペンの持つ最大の魅力であり、
アイディアを確実に仕留める「ナイフ」なのです。

  • それぞれの道具を選ぶ理由
  • もちろん、デジタルが優れている場面

等はまた後の話に(気が向いたときに)記します。

トラベラーズノートのカスタマイズ。

旅行で購入したトラベラーズノート。

こちらの専門店を東京駅で発見したので購入。

購入したのはこちらのクリアファイルと連結バンド。

更に追加のリフィルとしおりなど。

クリアファイルはそのまま外にかけることで防護カバーとしても機能。

リフィルの追加は、中央のページ同士を連結させるという、かなりダイナミックで合理的なやり方。

そうして、スタンプノートが追加されたことで、

出先での「ログ」が更に満足いく物になりました。

手帳との出会い。「トラベラーズノート」購入。

谷川岳に訪れたとき。

コインロッカーの小銭がなかったのでお札を崩そうと言う形でお土産物屋に訪れたときに、それを見つけました。

トラベラーズノート、星野リゾートコラボ。このトラベラーズノート自身は知ってはいたものの、手に取ることがなかった製品、しかし、サンプルを手に取って、まさにこんな形で

「これだ!」という顔になりました。

しかも、1万円で支払えばコインロッカーの料金まで支払えます。

そうして、宿で開封と相成りました。

内容物はシンプル。

  • 革の本体(ゴムストラップの留め具)
  • ノート、無地
  • 呼びのバンド
  • 収納袋

ぐらいです。ですが、そのシンプルな味わいが逆にいい味を出しています。

宿でも記念撮影をしたほど。

また、リフィルの書き心地も上々なので、これを元に何を記録していくかがワクワクでした。

手帳の彩り。(百均グッズによるシール整理)

百均で売られているこの手のシール。もう少し使いやすくしようと思います。

商品を手に持ったとき、「これはL判ジャストサイズ」という直感があったので、これらのシールとともにフォトアルバムも購入。

もくろみ通り、しっかりとアルバム内に収まりました。

視認性も高いため、このまま使っても大丈夫です。

そして、一ひねりです。ほぼ日手帳別売品、カバーにそのままつけられるフォトアルバムを利用しましたら、まさにジャストサイズ。

こうして、手帳の彩りを豊かにするシール群が見た目も収納性も確保した上で持ち歩けるようになりました。

2025年、手帳の引き継ぎ。

話が少しずれますが、2025年1月1日――

手帳の入れ替えを行いました。

2024年

Back to the Futureコラボのほぼ日手帳。

  • ノーマル版は日記。
  • ウィークリーで「使ったお金の記録を付ける」

がうまくいったため、2025年もこの体制を継続です。

2025年

昨年にも購入報告をしていたSPY×FAMILYコラボのほぼ日手帳。

ウィークリーはわかりやすい意匠、オリジナルの方はイーデン校の工匠や裏地に工夫が施されています。

この、包むタイプの手帳は前のサファリタイプでも使っていたので、元に戻ってきたという感じです。

なんだかんだで日記を付ける習慣が4年連続で継続しているため、これも途切れさせないようにしたいところ。

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