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ボードゲーム『Dr.ラッキーの島』感想。

ボドゲーマに寄稿した内容を加筆修正したものです。

概要

著名な冒険家、ラッキー博士はプレイヤーキャラクター達を博士が所有する南の島に招くことになりました。

プレイヤーキャラクター達にとって、これはまたとないチャンスです。何らかの理由で“善良なる”ラッキー博士に強い殺意を持っているキャラクター達は、絶海の孤島で彼を亡き者にすることができるのですから。

その一方、プレイヤーキャラクター達にとって、これは恐ろしいピンチでもあります。自然災害、謎の巨大生物、危険な罠があちこちに張り巡らされているのですから。

そして、忘れてはならないのが“ラッキー”博士の恐るべき強運。どんなに綿密な計画を立てて危害を加えようとしても「そんな物はなかった」とどこ吹く風で回避してしまうのです。

このゲームは、災難や博士の強運、他プレイヤーの妨害などを「それを上回る執念で」ねじ伏せ、誰よりも早くラッキー博士を秘密裏に殺害するのが目的です。

ゲームの流れ

ゲームの流れは手番ごとに

  • フェイズ1:自身や猫を移動させるかカードを使って災難を起こす
  • フェイズ2:条件を満たせばカードを引くかラッキー博士の殺害を試みる
  • 決められたルートに沿って博士を移動させる。

を実行していきます。災難や殺害が成功すれば晴れて勝者となりますが、そのたびに他プレイヤーは食い止めることができます。

災難カード

災難カードはそのエリアに書かれている地形に、対象が一人しかいない時に利用可能です。博士はもちろん、他のプレイヤーを対象として災難を起こし、妨害することもできます。(上記の例ですと、《大猿》は対象が森アイコンが書かれているエリアでのみ利用できます)たとえ災難が失敗しても移動力が増加し、博士に一瞬で肉迫することができます。

武器カード

武器カードは自身の殺傷力にプラスされます。特定の地名で用いれば殺傷力はさらに増え、他プレイヤーの妨害が困難な物になります。(たとえば、《とんでもないエンピツ》は追加殺傷力が+1ですが、「天文台」だと+5となります)

武器を用いた殺害が失敗すると、執念からかプレイヤー自身の殺傷力が増加します。ゲーム終盤になると、武器すら用いずに博士に重い一撃を加えることができるでしょう。

妨害チェック

行動を起こすたび、他プレイヤーによる妨害チェックが入ります。災害の度合いや殺傷力以上の幸運(クローバーマークの数)が出れば、作戦は失敗。上記は失敗の一部ですが、「朝食を食べ忘れた」「サンバのリズムが突如聞こえた」などのとんでもない理由で計画がおじゃんとなってしまいます。

目線と猫

また、博士(黒ルーク)の強運と同様に厄介なのが他プレイヤーの視線。境界が隣り合う地形ではそもそも、殺害を試みることができません。(当然ながら、博士を殺害するには博士と同じエリアに二人っきりでいる必要があります)

そんなときに助けとなるのが黒猫ラグー。このエリアにラグーがいると、プレイヤーは隣のエリアを見ることができません。また、島を知り尽くしている猫は一瞬でどんなエリアにも出没します。

上記、災難や武器、猫をうまく用いて一番最初に博士の殺害が成功したプレイヤーが勝者となります!


感想

博士は手番ごとに決まったルートをたどるため、進路は読みやすいのですが、それは他のプレイヤーにとっても同じなので意図はあっさりと見透かされ、博士の殺害は邪魔されます。

また、大概の作戦は無効化される関係上、手札を補充するためにいったん、他プレイヤーの視線から逃れる必要があります。

その辺りの駆け引きがシビアで中盤以降はとてもスリリングな展開になりました。

ゲームの進行はテンポも良く、終局があっさりと終わるのも特徴的です。何せ、手持ちのカードは減る一方で行動を起こせば起こすほど移動力と殺傷力が増えるのですし。

視線や手番の変更など、インストに少し時間がかかるものの最大8人まで遊べますし、ミステリーやサスペンスの犯人の気分を体験できるので「ノリが許容できる人たち」には楽しめる作品となっていました。

2021年11月追加感想

「ボードゲーム初心者にテイストを知ってもらう」作品だと改めて思いました。

  • 博士のルートは固定されているのでスターティングプレイヤーの駆け引きが熱い。
  • 世界観が単純なために没入感がある。
  • 人数が多いほど妨害が多いために盛り上がる。
  • カード・アドバンテージを得るための方法が限られているジレンマ。
  • 終盤ほどステップが速く、一撃が重いためにテンポもアップする。

それでいてセットアップが楽。もっと評価されていいゲームだと思います。

2021/11/03 ボードゲーム会で遊んだもの。

2021年11月3日――

状況が落ち着いてきたということでボードゲーム会を開催。対人、対面ならではの楽しみを味わいました。

この日遊んだ主なゲームを紹介です。

『恋文』(Love Letter 和ver)

10分程度で終わるカードゲームの傑作。基本は15枚しかカードを使わないのに、読み合い、心理戦がシリアスでした。

Dr.ラッキーの島

「島内を探索するDr.ラッキーを殺害する」不穏なゲーム。ライブラリーアウトしてからは白熱でした。

京都ダンガン

京都の碁盤の目をそのまま道路に見立て、道を繋げて観光地を巡っていく、このシーズンならではのゲーム。

自分は送り火を巡っていく羽目になったので一歩遅れたのが残念です。

『現場は安全って言ったじゃないですか!』

あの現場猫のゲーム。『ヨシ!』を集めていくだけなのに、ときおり紛れる「どうして」に泣かされました。

スライムレース

ドラゴンクエストの『スライムレース』をボードゲーム化。

全員が大穴をベットする中で一人が大逃げを敢行。前代未聞の「2位と35スラ身差」というある意味で荒れたレースになりました。

カルカソンヌ

実は対人で回したのは2年ぶりかっていぐらいです。

5人戦のために地形がなかなか完成しない中、早々と修道院2つを完成させて圧倒的勝利でした。

宝石がいっぱい!

今回のゲーム会で一番面白かったです。

「カードをめくって、出てきたものを得られる」

神経衰弱方式でありながら、

  • 外れがある
  • 当たっても外れてもカードはそのまま
  • ハズレの場合、裏表カードが同じ

ことから、「あれ? 今さっきめくったやつ」となること多数。人間の記憶の不確かさを思い知らされるゲームでした。

これに関しては別途、改めて記事を設けます。

ボードゲーム『Dr.ラッキーの島』ルール確認。

本記事はボドゲーマに寄稿したものを一部修正しました。

プレイする機会があったので、改めてメモです。

インストやゲーム進行中に参照できるチートシートという形にしています。

【初期手札】

プレイ人数によって、ライブラリーから以下の枚数を受け取ります。

  • 2~3人:手札は7枚です。
  • 4~6人:手札は6枚です。
  • 7~8人:手札は5枚です。

【初期位置】

各プレイヤーは「[1]喜びの城」が初期位置です。博士は「[15]サンセットビーチ」から、猫は「[8]天文台」からそれぞれスタートします。

【視線】

プレイヤーと博士は境界線に隣接しているエリアを互いに見ることができます。他プレイヤーの視線が通っている場合、博士の殺害を実行することができません。また、博士を含めた他プレイヤーの視線が通っている場合、カードを引くこともできません。

【妨害チェック】

災難や殺害を実行したプレイヤーに対し、他のプレイヤーはその妨害を阻止することができます。

・対象が博士の場合
 左隣のプレイヤーから順番に幸運(クローバーマークを持つカード)を捨てることで、その阻止ができます。災難の度合い、殺傷力以上の幸運が捨てられれば、それは阻止されます。
 もし、誰も阻止することをせず(あるいは出来なかった)実行したプレイヤーまで回った場合、直ちにゲームは終了し、災難を起こした(殺害を試みた)プレイヤーがゲームの勝者になります。

  • 例1:
    プレイヤーAは「サンセットビーチ」にいる博士に対し、《ヒアリ》を起こしました。災難の度合いは1なので、プレイヤーBは幸運1を持つ武器《六角ボルト》を捨てて阻止しました。
  • 例2:
    プレイヤーCは殺傷力2ある状態で殺傷力1の《煙草》と共に攻撃しました。プレイヤーDは幸運2のカードしか持っていません。まずはそれを捨て、隣のプレイヤーに阻止を任せました。プレイヤーEは《失敗(ミスした)》を捨てます。Dと併せてクローバーマークの合計が4ですので、攻撃は阻止されます。
  • 例3:
    例2と同じく、プレイヤーCは殺傷力2ある状態で《煙草》と共に攻撃しました。《煙草》の素の殺傷力は1ですが、博士とCは「やけっぱち絶壁」にいます。そのため、全体の殺傷力が6となりますため、捨てなければならないクローバーマークの数は6となってしまいます。

・対象が他のプレイヤーの場合

 上記と同様、クローバーマークの数を捨てることで阻止ができます。それができない場合、手札1枚を災難を起こしたプレイヤーにカードを渡します。

【猫】

プレイヤーを移動させる代わりに黒い円盤で表される猫を好きなエリアに移動させることができます。猫がいるエリアは、他のプレイヤーは隣のエリアを見ることができません。そのため、博士の殺害やカードを引くことができるようになります。(もちろん、他の隣接するエリアに別のプレイヤーがいる場合はその限りではありません)

【ターンの進行】

フェイズごとの表にまとめました。

フェイズ1:次のいずれかを最大1つ実行します。

アクション制限備考
自身の移動・初期値は1。つまり、隣り合うエリアに移動できます。
・災難をプレイすることで移動力が加算されます。(1+左に置かれた移動力カードの分だけ移動可能となります)
島の数カ所には飛行機が止められています。プレイヤーはその飛行機で、別の飛行機が書かれたエリアに一瞬で移動できます。
猫の移動・猫はどんな場所でも一瞬で移動できます。前述したようにエリア内の視線を封じることができます。
災難カードを1枚だけプレイ以下の条件を満たしたときに災難をプレイできます。
・そのエリアに相当する地形が書かれている。
・そのエリアにいるのが一人だけ。(猫は含めません
・博士を対象として成功すれば勝ちとなりゲームは終了します。
・他プレイヤーに阻止され失敗した場合は、そのカードを裏返してプレイヤーカードの「移動力」の左横に置きます。
後述する殺害と異なり、視線が通っていても一人きりであればプレイできます。

フェイズ2:条件を満たすときに限り、次のいずれかを最大1つ実行します。

アクション制限備考
カードを1枚引く・視線が通っていない(隣接するエリアに誰もいない)場合にのみ実行できます。猫は視線に入りませんが、博士は隣のエリアを見ています。
山札がつきた場合、カードを引くことはできません。(このゲームは山札の再構築がありません
武器カードを最大1枚用いて殺害を試みる同じエリアに博士と二人っきりで、隣接するエリアから他プレイヤーの視線が通っていない場合に実行できます。
・初期値は1ですが、武器を用いることで殺傷力が加算されます。(1+右に置かれた殺傷力カード+武器の殺傷力)を判定します。
・殺害に成功した瞬間、そのプレイヤーがゲームの勝者となりゲームは終了します。
・阻止された場合、武器カードを用いていれば、それを裏返してプレイヤーカードの殺傷力の右隣に置きます。
・視線がとにかく重要なので、うまく博士の進路を先回りしたり、猫を用いてやりすごしましょう。
・すべての武器カードは特定の地名で使えば効果は絶大です。ラッキー博士と同じぐらいの幸運に感謝しましょう。

【博士の移動】

プレイヤーのターンが終了したら、博士は次の番号のエリアに移動します。「[24]ローンホース牧場」に到達したら、「[1]喜びの城」に戻り、2→3へと続きます。通常は時計回り(左隣のプレイヤー)にターンが移りますが、次の例外があります。

  • 例外1:移動先にプレイヤーがいる
    そのプレイヤーにターンが移ります。(ターンプレイヤー含む)
    例:博士は「[14]カエル池」にいます。プレイヤーCは「[15]サンセットビーチ」で行動を終えました。博士の移動先にプレイヤーCがいるため、プレイヤーBはターンを飛ばされ、プレイヤーCからターンがスタートします。
  • 例外2:移動先に複数のプレイヤーがいる
    ターンプレイヤーから一番左に近いプレイヤーにターンが移ります。
    例:プレイヤーBがターンを終え、博士の移動先にAとEがいます。Bにとって一番左に近いのがEのため、Eがターンを開始します。

※上記の例外は各プレイヤーが最低1手番を終えた後から実行されます。

島の屋内エリア([1]喜びの城など)に博士が移動するとき、以下の条件を満たしたときに各プレイヤーはカードを1枚引けます。

  • その移動先に誰もいない。(猫は除く)
  • 各プレイヤーの手札が3枚未満

つまり、誰かにカードを引かれたくない場合は積極的にそこに移動しましょう。(次のターンにはあなたが動けるというオマケ付きです!)

【勝者と敗者】

勝者は余りにも単純です。あらゆる妨害や悪運をはねのけ、ラッキー博士を殺したプレイヤーです。

(以下、マニュアル抜粋)

「敗者」とは、幸運をプレイできたはずなのに、しなかったプレイヤーです! すべてのゲームに敗者がいるわけではありません。敗者にはならないようにしましょう。

辛勝と快勝。(続・『ブルゴーニュの城』と『大鎌戦役』

行き帰りのゲーム、ここ1〜2週間はこの2つが多くなりました。

ブルゴーニュの城

ダイスやタイルに恵まれなかった一戦。

ですが、知識タイル

  • 交易で銀貨2枚
  • 船を配置した際に得られる商品が2箇所
  • 出荷した商品ごとに1勝利点

のコンボが決まり、エリアマジョリティで負けてもギリギリで勝利できました。早いうちに動物を配置していたのも逆転に貢献。

大鎌戦役 - ポラニア共和国 -

ポラニア共和国は遭遇イベントを2つ解決する能力の他、

  • 湖へ進入し、別の湖へ移動できる「潜水」
  • 敵勢力のワーカーがいるエリアで戦闘に勝っても支持(民心)が減らない「友愛」

という2つのトリッキーなメック能力を持っています。

それを利用して、展開が遅い「革新」マットを使うザクセン帝国に一方的に勝負を仕掛けました。

支持が減らないことをいいことにザクセンが生産した資源を次々と我が物にしていきます。

目的「市場独占(8個以上の資源トークンを得る)」の星章も獲得し、最後はメック4体展開による星章で

勝利。

他の勢力よりも圧倒的な速度で星章を獲得し、支持(民心)も最高レベル。

エリアマジョリティではなく

  • 支持(民心)の素点
  • 資源

で稼ぎました。

勝利への道筋

先の2つのボードゲーム、以下の共通点があります。

  • 勝ちパターンを状況によって変える必要がある
  • 盤面で負けていても得点で勝てるようにする

この、最終的に勝利するための準備を整えたり勝ち手段を作っていく過程は楽しいものです。

不思議の「勝ち」。(『大鎌戦役』戸川幕府)

勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし

松浦静山『常静子剣談』

を地で行く対戦が、『大鎌戦役』の対CPU戦で発生しました。

Case 1

このゲーム、勢力とマットの相性が明確に存在します。その中でも相性が悪い組み合わせが

「戸川幕府 with 機械」

です。

  • 初期戦力0
  • ワーカーを多く必要とする
  • 勢力の足が遅い
  • 進軍と生産拠点確率がままならない
  • 改善で資金を得られない

は割と致命的。対戦相手の勢力も

  • アルビオン
  • クリミア
  • ノルディック

と、展開力や継続戦闘に長けています。

そこで、自分が取った戦略は「生産でも戦力が減らない最低限のワーカー(3)」で生産拠点を変えながら進軍していく

リスクの大きなものでした。

ワーカーが少なく改善もしていないので資源は敵勢力から奪い取る形。

28Rの長期戦、ゲーム終了のトリガーをアルビオン氏族に引かれて勝負あったか

思ってた矢先にタイブレークで勝利でした。

  • 罠トークンや建築物によるマジョリティ
  • 施設ボーナスフル活用
  • 資源横取りと相性のいい目的

全てが抜けていたら負けていました。

Case 2

今度の組み合わせは「民兵(戦闘主義)」となかなか相性がいい組み合わせ。とはいえ、

  • ロスヴィエト連邦
  • ノルディック王国
  • ザクセン帝国

の機動力に優れた兵揃い。

  • 徴兵で星章を稼ぐ
  • 真っ先にファクトリーを目指しつつメック展開

の2つを目指し、進軍していきましたが、やはり強国ロスヴィエトに先手を取られます。

取られましたが、資金を稼いでいたおかげで勝利。

まとめ

「不思議の勝ちなし」と言ったものの、最初から明白に

  • ワーカー以外のマジョリティを目指す
  • 支持(民心)不足の素点をどう補うか

が勝ちにつながったのかなと推測。

先の『ガイアプロジェクト』にしても、こちらの『大鎌戦役』にしても、勝因を分析し、次に繋げていきたいと思いました。

知識と力。そして同盟。(『ガイアプロジェクト』ネヴラ&ダー・シュワーム)

「思考の組み立て」「戦略の展開」「拡大再生産のタイミング」がとても楽しいガイアプロジェクト。

ここ1週間、合間を見つけてのナイスプレイが2つほどありました。

ネヴラ人

  • エリア3にあるトークンをガイアエリアに送ることで知識を得られる
  • 首府を建てるとエリア3にあるトークンが2つ分になる

知識と力を併せ持つ種族。このときは第1Rで経済が4まで上げて序盤の展開不足を補い、徐々にリカバリーしていきました。

4同盟も視えたかというところで経済ゴールを取られたことが災いして点数は143止まり。

ただ、研究3ゴール。ゴールに入れなかったところも高水準と、満足行く内容でした。

ダー・シュワーム

マジョリティがガイアと建物数な状況で敢えてダー・シュワームをセレクト。

  • ゼノの展開しないところに伸ばし
  • フィラクの受動パワーを貰える位置に展開
  • 科学を伸ばしていったこと

が幸いし、第5Rでガイア計画を一気に4まで進め、次元横断星を3つ先取りしました。

これが如実にマジョリティの差となって現れ、早々と取得していた「ガイア3点の技術タイル」と噛み合います。

そのおかげで163点。ラウンドブースターの点数も上乗せされたのが大きかったです。

今後の展望

今はまだ「好きな種族の伸ばし方」で遊んでいるので、

  • マジョリティ
  • 他の種族との兼ね合い
  • ラウンドごとの最適構造

をもっと詰めていきたいなと。いや、研究すればするほどやりたくなる実に素晴らしいゲームです。

テーブルトップ版『ブルゴーニュの城(10周年記念版)』ソロ感想。

悩ましい難易度ではありますが、「やりようによっては」クリアできるゲームです。

複数人との違い

以下のルールがあります。

ルール1

  • 2人用のセットアップで実施する。
  • 専用の個人ボードを用いる。
  • 離れたエリアにタイルを配置する場合は船で繋いだ場合のみ。
  • 得点ではなく、5ラウンド終了時までにすべてのタイルを埋めるのが目的。
  • 船で保管できる品物の種類に制限がない。
  • エリア完成時の得点はラウンドのもののみ。(10→8→6→… のボーナス)
  • 色完成時のタイルは用いない。
  • 修道院(知識)タイルの得点はゲーム終了ではなく即時に(そしてその段階のみ)獲得。
  • 品物用の白いダイスを振った時、その出目のタイルが排除される。

特に、「タイルが排除される」のは思いの外厳しく、すべてを埋めていきたいのに瞬く間にタイルが取られていきます。

いくら建物コンボで連鎖反応が起きるとはいえ、これはかなり厳しいルール。それを緩和するために以下が設けられています。

ルール2

  • 船を配置して品物を獲得した場合、手持ちの品物5つを排除することで、黒タイルを裏返してワイルドカードとして利用できる。
    • この時、ゲームボードにある他のすべての商品が除外される。
  • 色を全て完成した場合、中央市場からタイルを取り、出目を無視して配置可能。(通常のダイスアクションには含めない)

これに加え、難易度調整のルールが有りました。

ルール3

  1. 得点ボードの「50」のところにマーカーを置いておく。
  2. 得点を獲得し、マーカーを通過したら「城」配置と同じように追加のアクションを行える。
  3. そして、マーカーを5減らし、自分の得点を0にする。

このマーカー、50で厳しいと思ったら45、40、35と減らすことが可能です。(その逆も可能)

ゲーム感想

段々と減っていくタイルや手番(さらにダイスの出目)に怯えながら、

どうにかこうにか並べていくことができました。

  • 全てのタイルをまんべんなく獲得するシビアさ。
  • タイルが取られてしまう緊張感。
  • 中盤以降、色が完成してアクションが連鎖していく爽快感

はさすが古典の傑作と言われるだけはあります。

もう一つ思ったのは、各ランドの処理の煩雑さ。

ラウンド終了時

  1. 共通ボードから品物以外のタイルをすべて取り除く。
  2. 銀鉱に応じた銀貨を得る。

次ラウンド開始時

  1. 中央市場に裏が黒のタイルを表にして置く。
  2. 各市場にその色に沿ったタイルを表にして置く。

は、下手をしたら軽いゲームが終わってしまいます。

そのため、これらオーガナイザーでソートしていくことがとても重要でした。

この煩雑さがなくなればもっとローテーションできるのになと思った次第です。

寝る前の思考整理。(ソリティア専用ボードゲーム)

ソリティア可能なボードゲーム/専用のボードゲーム

1年半以上も前に言及したとおり、

ソロ可能なボードゲームは大箱のほうにもありますが、中には「専用」ボードゲームもあります。

昨年末に見つけた『コーヒーロースター』もその例に漏れません。

急に寒くなったここ最近は、眠る前にソロ「専用」のボードゲームを実施しています。

明日、旅に出ます

この、一風変わったソロ専用ゲームは

  • 四次元的思考
  • 数学的思考
  • 確率計算

が求められます。アイテムによって難易度(ひいてはプレイ時間)をある程度調節できるので、ちょっとした空き時間にできるのもポイント。

シェフィ

こちらはデジタル版。

  1. カードをプレイする
  2. その効果を発動する
  3. 新たなカードを引く
  4. 引けなくなったらシャッフルしてもう一ラウンド。
  5. 3ラウンド終了までに「羊を1000匹まで到達」

と、先の『明日、旅に出ます』よりは単純なものの、ディスアドバンテージをもたらすカードが大量に入っているのがポイント。(中には使った瞬間ゲームオーバーになるものまで!)

そのため、

  • 被害をいかに最小限に減らすか
  • リスクのあるカードをどう取り除くか
  • 終了までに目的をどうやって果たしていくか

が問われます。プレイ時間は短めなのに、シビアさは相当のものです。

寝る前の効果

で、こういったソロ用ゲームを進めることで

「ゲームの達成感」>「仕事の悩み」

という不等式が生まれ、深い眠りに入れるようになったのが利点です。

これはいい習慣になりそうなので、もう少し続けてフィードバックしていこうかなと。

ボードゲームの勝利条件、得点行動。

はじめに

ボードゲームは勝利条件を明確に定めているところがほとんどで、盤面で勝っていても負けたということが少なくありません。

そんな当たり前のことを痛切に感じた日です。

ケース1:大鎌戦役

去年、一番やりこんだ『大鎌戦役』。ある種のセクションを一定以上に達することで星章を獲得。

この星章が6つになった瞬間、ゲーム終了のトリガーが引かれて得点計算に移りますが、

勝利するプレイヤーは「最も多くのコインを稼いだプレイヤー」であり、「多くの星章を獲得したプレイヤーではない」ことがポイント。

先に挙げた例ですと、戸川幕府が星章を6つ獲得しましたが、最終的に勝利したのは自分が使うアルビオン氏族でした。

その理由は

  • 基礎点の基準となる民心(支持)を上げていた。
  • エリアマジョリティを獲得するため、メックやワーカーを分散させていた。
  • 相手のエリアマジョリティを封じるため、積極的に戦闘。

の3つです。

ケース2:ブルゴーニュの城

最近、研究を進めているのが『ブルゴーニュの城』。

  • エンジンビルド
  • 建物コンボ
  • リソース管理

を軸にしたダイスマネジメント。AIが得点行動をある程度意識しているため、初級AIでも手を抜けません。

本ゲームで厄介なのは、すべてのタイルが公開情報であるのに、ダイスという不確実性なものがキーになること。

そのため、双方にとって狙いが丸わかりなのにダイスに裏切られてかすめ取られてしまい、エリア完成ボーナスが阻まれることがしばしばあります。

そして、黄色のタイル「知識(修道院)」がゲーム終盤の最終得点に直結するのも悩ましいところです。

先の例では

  • エリア完成ボーナスを阻まれていながらもリソース差でタイブレークを制した
  • 得点行動は完全に負けていながら、知識タイルでひっくり返した

もの。

まとめ

「これは勝っただろう」と盤面では思っていても、最終的な結果は違うというのは多々あります。

だからこそ、本来の目的を失わない/状況を見定める

のは必要だともいました。

水平の思考と、垂直の背景。

はじめに

「この道具はここに転用できる」「この考え方はこっちにも使える」水平思考が大好きです。

土曜日に入手してその美しさに見惚れた『ブルゴーニュの城』専用オーガナイザー、新たな使い道が待っていました。

オーガナイザーの利点

このオーガナイザー、収納性はもちろんですが、各セクションにアクリル板の板がついています。

視認性に加えて縦積みができる配慮でしょうけれど、ここで閃きがありました。

「立てて使える」

背景

これがわかれば後は検証です。

目論見通り。背が高くいフィギュアに合わせて使えます。

しかも、各セクションが同じ大きさのモジュール式なので

フィギュアの高さに合わせて「映える背景」を並び替えることもできます。

壁紙も完成。

まとめにかえて

「ボードゲームのコンポーネントを見やすくスッキリと収納し、スペースを節約する」ということで導入したボードゲームオーガナイザー。

  • セットアップが楽になる
  • 片付けも楽

なだけではなく、「箱庭撮影の背景にも使える」のは自分にとっての閃きでした。

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