背後に麻雀が透けていながらも、ゲーム性は異なり、更に麻雀の純粋な楽しさである「面子を揃える」に特化させた、言葉通りの意味で「華がある」ボードゲームでした。

ルール概要

牌を合わせていく麻雀系ゲーム。通常の麻雀と異なり、上下異なる/同じドミノ牌を自摸っていき、捨てるときは表にする。

大きく違うのは「表にした捨て牌」を利用できるという点です。

役もたった三種類。

  • 一色(1点): 手牌6枚の下の数をすべて同じ数字に揃える。
  • 三連(3点): 「上の数が連番・下の数が1種類」の3枚セットを2組揃える。
  • 六華(実質7点の6点): 下の数を1種類に揃え、上の数を1〜6の完全連番で揃える(最高役・一発逆転)。
  • (※★マーク付き牌による「輝きボーナス(追加点)」あり)

このゲームの好きなところ

「揃える楽しさ」に特化したルール。

麻雀がある程度分かるプレイヤーであれば、サマリーカードを見せて「捨て牌でも自摸れる」点と「ついでに完成(聴牌+捨て牌で完成)ルール」を教えるだけ。

ボドゲ初心者や子供でも分単位で理解できます。

麻雀の楽しさ(自摸とツモ上がりの快感)だけを純度高く抽出したルールと言えます。

とても質が良いコンポーネント

上下で数字・スートが分かれた「ドミノ牌(リッカ牌)」は適度な重さと質感があり、洗牌しやすいです。同作者の金字塔的作品『タイガー&ドラゴン』の裏表の区別がつきにくい欠点が著しく改善されています。

牌スタンドも同梱されているため、振動で牌を取りこぼすと言うこともありません。

上下異なる牌による劇的な手牌の変化。

本作最大のギミックです。牌の上下をひっくり返すことで、上の数字・下のスートの組み合わせが変化するため、

「ん? この一枚を逆にしただけで手役が完成する!」となるのはちょっとしたアハ体験です。

誰かが和了った後に「あー、こっち残してれば!」のたらればも頻発。

これにより、たった42枚の牌でも毎回異なるゲーム体験が可能。「1000回遊べる」という看板は伊達ではないと思いました。

ダウンタイムがほぼない

手配が5枚、6枚で完成。裏目を引いても「取り返せる」し、10点先取はかなり早く決着がつきます。更に高得点の『六華』にこだわらずとも逆転可能なのでサクサク進みます。

フリテン・流局がない世界

本作の更なる特徴として「捨てた牌を自摸れる」点にあります。これによって「手配が変化した結果、切った牌を利用したくなった」が可能な点にあります。

そのため、フリテンが存在せず、どんな状況でも(それこそ全ての牌が表になっても)役の完成を狙うことができます。

やや評価が分かれると思ったところ

運要素の強さ

6枚という短さゆえに配牌や引きの偏りが大きく、ガチガチの読み合いを求めたい場合は「引き運ゲー」と感じられるそうな点です。

人数によるプレイ感の違い

2人だとあっさり終わりやすく、一方的な展開になりがちでした。読み合いや捨て牌のジレンマが本格化するのは3〜4人程度という形。

追加ルールが麻雀に寄りすぎる。

上述した流局・フリテンなしはひりつく勝負が至高という方には向きません。

リーチ、ロン、無双などの追加ルールを全部盛りにすると「それなら麻雀でよくないか?」というのは冷静に思いました。

個人的に思ったこと

麻雀未経験者への導入としての優秀さ

これに尽きます。極端な話、下の数字だけを一致させれば完成するので、ほとんどの年齢層をカバーします。

また、これで牌に慣れればその派生形のゲームにもつなげやすいというのもポイントです。(なお、それ系で筆者が好きなのは『ひらがじゃん』と『すずめ雀』です)

アイスブレイクや人数時間調整にぴったり

インスト、セットアップ、ゲームが手短。そのため、重いゲームの息抜きだったりボドゲ会の人数が揃うまでの時間あわせにも都合が良いゲーム。ずっしりとした牌でありながら、割とコンパクトなパッケージも好感が持てます。

まとめ

  • 単純で覚えやすいルール
  • それでいて奥深いルール展開
  • 小気味の良いコンポーネント

などが揃った傑作。長らく入手困難だったことも、ファンが多いことも納得。麻雀系ゲームが好きな方もあまり興味がない方も楽しめる傑作でした。