AIを日常的に使っていると、ふとこんなことに気付きます。
- 「この依頼は意外と利用量が増えないな」
- 「逆に、この程度の文章なのに思った以上に消費する」
私自身、普段はGeminiを使って画像生成プロンプトの修正や競馬予想の分析、ブログの推敲、物語の執筆など、さまざまな用途でAIを利用しています。
その中で感じたのは、「依頼する内容によって利用量の増え方がかなり違う」ということでした。
もちろん、AI各社は利用量の計算方法を公開しているわけではありません。表示される消費量が単純なトークン数なのか、推論時間なのか、それらを組み合わせた独自の指標なのかは分かりません。
この記事は、あくまで私が日常的に使う中で見えてきた経験則です。
「文字数」よりも「何をさせるか」の方が重要だった
最初に不思議だと思ったのが、画像生成プロンプトです。5000文字を超える長いプロンプトを修正しても、トークンの利用量は数%程度で済むことがあります。一方で、「1000文字くらいの短い物語を書いてください」と依頼すると、それだけで10%近く増えることもありました。
文字数だけを見れば、前者の方が圧倒的に長いはずです。ところが、AIにとって重要なのは文字数ではなく、「どんな仕事を頼まれているか」なのではないか、と感じるようになりました。
ゼロから創る仕事は、とにかく重そうだ
物語を書く仕事は、AIにとってかなり負荷が高いように見えます。
- 登場人物を考え、
- 会話を自然につなぎ、
- 伏線を張り、
- 最後まで一貫性を維持する。
しかも文章は一気に完成するわけではありません。
AIは「次に来る最も自然な単語は何か」を少しずつ判断しながら、文章を積み重ねていきます。つまり、1000文字の小説を書くということは、「1000文字分の判断」を積み重ねる作業でもあります。
もちろん内部では人間のように「悩んでいる」わけではありませんが、利用量という観点では、このような創作タスクほど大きく増える傾向を私は何度も経験しました。(少なくともGeminiで可視化されている利用量を見る限り、その傾向ははっきり現れています。)
分析や編集は「答えを探す仕事」
逆に、競馬予想の分析やブログの校正、画像生成プロンプトの修正などは、それほど利用量が増えないことが多くあります。もちろん分析にも推論は必要です。
競馬であれば過去データや馬場状態、展開などを整理して結論を導かなければなりません。しかし、これは「何もないところから世界を創る」仕事ではありません。
与えられた情報を整理し、関連性を見つけ、答えを導く仕事です。画像生成プロンプトの修正も同様です。
- 「かわいい雰囲気を少し減らして」
- 「夕暮れを夜景に変更して」
- 「背景をモンサンミッシェルからセントマイケルズマウントに変更して」
といった依頼では、新しい世界を創造しているのではなく、既にある設計図を編集しています。人間に例えるなら、小説を書くよりも、設計図を赤ペンで修正する仕事に近い印象があります。
文体変換は「下絵が完成している」
個人的に最も面白かったのが、文体変換です。
例えば、私がよくやっているのが
- 「歴史的事実をニンジャスレイヤー風に書く」
- 「ハリー・ポッターを池波正太郎風に書く」
といった依頼です。
これも一見すると創作のようですが、実際の利用量はゼロから物語を書く場合よりかなり少なく感じられました。
この理由を考えてみると、文体変換では「何が起こるか」は既に決まっています。
AIが考える必要があるのは、「どう表現するか」だけです。
これは白紙のキャンバスに絵を描く作業ではなく、完成した下絵に画風を合わせて色を塗るようなものです。物語の骨格が既に存在するため、ゼロから組み立てるよりも効率よく処理できるのではないか、と感じています。
AIにも「得意な仕事」と「重い仕事」がある
今回の観察から、私の中ではAIへの依頼は次のようなイメージになりました。
- データ整理・分析(かなり軽い)
- 与えられた情報を整理する仕事
- 編集・文体変換 (軽い)
- 内容はそのままに表現を整える仕事
- ゼロからの創作(重い)
- 内容そのものを組み立てる仕事
もちろん境界は曖昧ですし、実際の内部処理がこの通りだと断言することはできません。(AIの仕様そのものがブラックボックスであることは、皆様もご存じでしょう)それでも、利用量の増え方を見ていると、この順番で負荷が高くなっているように見えます。
AIを使い分けるヒント
この経験則を踏まえると、AIを効率よく使う方法も見えてきます。
- 「物語のプロットだけは自分で考え、AIには文章を書き直してもらう」
- 「まず箇条書きで構成を作り、そのあと文体だけ整えてもらう」
という使い方です。ゼロから創作を任せるよりも、利用量を抑えながら質の高いアウトプットを得られる場面が少なくありません。
なので「揮発性のアイデアは人間が捕まえ、形にするのはAIに任せる」やり方は相当効率的です。
おわりに
この記事は、AIの内部仕様を解説したものではありません。(そもそも筆者はAIを使うことはあっても作る技術はありません)
あくまで、一人のヘビーユーザーとして毎日のようにAIを使い続ける中で見えてきた経験則です。それでも、「文字数」ではなく「AIにどんな仕事を頼むか」で利用量が変わるように見えるという発見は、とても興味深いものでした。
AIは万能な魔法ではなく、それぞれの仕事に向き・不向きがあります。
人間が「何を考え」、AIに「何を考えてもらうか」を意識するだけでも、同じAIでも驚くほど付き合い方は変わってきます。AIの「脳の使い方」を少し意識するだけで、その能力をより引き出せるのではないでしょうか。