登山列車、ゴンドラ、ロープウェイ、ケーブルカー、バスと様々な移動手段を用いて到着した氷河の終端。そこでの移動手段は人力によるものでした。
木漏れ日が差す林道を抜け、オーバラー・グリンデルワルト氷河へ歩いて行きます。その林道を抜けて、目を疑いました。
岸壁……いや、断崖絶壁の階段です。なんと890段! 東京タワーの大展望台までの高さを階段で上るわけです。
それも、鉄骨なんていう無粋なものではありません。木製です。段差も均一ではないあたりが恐怖を倍増させています。「諦める」って考えはその時ありませんでした。心を無にして一段一段を踏みしめていきます。
ですが、途中の光景は嫌でも見えてきます。「ぞっとしない、ゾッとする風景」という奴です。
どこまで上れば、その先にたどり着けるのか…… 精神力の戦いです。
高度は更に増していきます。グリンデルワルドの山小屋が建ち並んでいるのがハッキリと見えます。
ようやく、階段を登り切りました。こんな所にも山小屋があるのは「流石」と言うべきでしょうか。(物資の運搬は人力ではなく、ワイヤーを用いた物だそうです)
890段を登ったものの、氷河の終端を拝むにはこの岩山を歩く必要があるようで……。
(続きます)