※本記事はボドゲーマに寄稿したものです。

【概要】

プレイヤーはスコットランドの氏族のリーダーとして

  • 労働者の配置
  • 牧場や加工所の配置
  • 輸出契約の請負/履行
  • 品物の売買
  • 各種改良(商人の雇用や航行能力追加等)

を行っていきます。ラウンド終了時に収穫/得点計算があり、5ラウンド終了時に最終得点を計算していきます。

【ソロプレイの独自ルール】

  • 2人用のマップに準じます。つまり、霧がかかっている周囲のマスは利用不可となります。
  • 配置コスト£1の地形が別のユニットで塞がれます。ただでさえ辛い資金繰りが更に厳しいものになります。
  • 隣接ボーナスの交易が使えません。
  • ラウンドごとにダイスを振り、その出目に応じて品物の相場が決まります。(このとき、補充される契約タイルがランダムに取り除かれます)

【良かったと思った点】

[イメージしやすい資源や契約]

羊からは羊毛が、牛からは牛乳が収穫でき、牛乳→チーズ/麦→パンorウィスキーに加工するプロセスがとてもイメージしやすく、没入感を高めてくれます。

また、肉を必要とする契約に関しては「それを個人ボードに戻す(屠殺する)」イメージもしやすくなっています。

『テラミスティカ』を参考にしているだけあり、個人ボードで見えているところが収入となるのも分かりやすいです。

[契約履行によるボーナス]

タイルに書かれている品物を個人ストックから支払うことで得られる契約は

  • 後の勝利点になる輸入品
  • 資金
  • 配置コストの踏み倒し
  • 各種改良

と多岐にわたっており、「どの契約を選ぶか」は本ゲームの醍醐味です。

[ボットに邪魔されない勢力拡大]

ブロックされている箇所は多いものの、それ以外増えることはありません。最初から最後まで自分の戦略にひた走ることができます。

[ソロプレイ時の達成敗北条件がない]

単純なスコアアタックのため、ボットに勝つことや「○ターンまでにこれを達成しなくてはならない」条件が一切ないのも好感が持てます

【やや難点だと思ったところ】 

[資金繰りの厳しさ]

これに尽きます。配置にも、交易品調達にも多額の資金を必要とします。そのため、ゲーム開始時にもらえる£55はあっという間に尽きてしまいます。

上述した契約を請け負うための資金もラウンドが進むごとに£5ずつ増額。

「買うほど購入価格が上がり、売るほど売却価格が下がる」ルールも相まって、慣れていても手詰まりになります。

[物品調達のしづらさ]

隣接ボーナスの交易が使えないので、「あと少しで契約が達成できるのに」と涙をのむパターンが多々ありました。

【まとめ】

徹頭徹尾「資金/資源のやりくり」に悩まされ、最初は思うような得点が伸びませんが、コツを把握して高得点が取れたときの喜びは相当なもの。

可変式マップや非対称のキャラクターを用いることで何度でも遊べますから「次こそはもっといい手を取る」という気概も生まれます。

個人的に、この手の重ゲーにしては比較的コンパクトに収まるのもお気に入りです。