デジタルデータの保管庫として、自室で稼働し続けてきたNAS。気づけば導入から10年という月日が流れていました。
なぜ今、リプレースが必要だったのか。そして数ある選択肢からなぜ冒頭の機種を選んだのか。その経緯のメモです。
限界を超えたHDD。

きっかけは、現在のNAS(ASUSTOR AS-202T)のディスクチェックを確認したことでした。そこに並んでいた数値は、まさに「驚愕」の一言です。
- 稼働時間:
- 約45,000時間(設計寿命の目安30,000時間を大幅超過)
- ヘッド退避回数:
- 約340万回(公称耐用回数60万回の5倍以上)
NAS本体は2015年の導入。2021年にディスクの状況が怪しくなって2TB→4TBに交換。
そこから大きなトラブルもなく動いてくれたのは奇跡に近いと言えるでしょう。そして、筆者が利用していただけというのも相まって、奇跡的に長持ちをしました。
決断の理由
実は2022年頃から「そろそろ機器も限界だろう」とは感じていました。しかし、日々の忙しさやコスト(何より2022年はコロナに罹患、そこからVPSの運用やらクラウドストレージの失敗と出費)を前に、騙し騙し運用を続けてきたのが本音です。
今回、重い腰を上げた決定的な要因は「ストレージ市場の激変」です。2025ね12月よりSSDの価格暴騰が続き、その波がHDDに波及するのも時間の問題という状況。
「今この瞬間が、最も安く、安全に逃げ切れる最後のチャンスだ」という直感が、4年越しの迷いを断ち切らせました。
そして注文して届いたのがこちらです。

なぜ「QNAP TS-216G」を選んだのか
選定にあたっては、同一メーカーであるASUSTORは候補に挙がっていましたが、エントリーモデルは市場で手に入れづらく、ミドルモデルは逆に高い。そこで、選択肢として上がったのが
- QNAP
- UGREEN
の2択。特に、圧倒的なスペックの新興勢力であるUGREENなども検討対象に挙がりました。しかし、最終的に老舗のQNAPを選んだ理由は、単なるスペック比較では測れない「データの重み」にありました。
- ソフトウェアの信頼性:
- 単なるファイル置き場ではなく、PCまるごとのバックアップや復旧(ベアメタル復旧)まで備えた信頼性の高く守備の広いソフトウェア群
- 静音・排熱設計:
- ホームNASにも一日の長があるメーカーです。リビングに置くことを前提とした、10年先を見据えたハードウェアの造り込み。
- アップデートの継続性:
- 長期間、最新のセキュリティパッチを供給し続けるエンタープライズ向けメーカーという信頼。
- セキュリティと地政学的リスク:
- これが一番の問題かもしれません。「かの国の法律は仕込もうと思えばバックドアを仕掛けられる」という懸念がありました。
特に、「自分だけの記録」という、失えば二度と手に入らない単一障害点を守るため、新興勢力への不安を捨て、実績あるQNAPを選びました。
HDDとしてこれを選んだ理由
NASの筐体が決まったら、次に決めるべきは最も重要な心臓部、HDDの選定です。今回、私は迷わずWestern Digitalの「WD Red Plus (8TB)」を2台選択しました。
これまで使用していたWD Blueも、10年・45,000時間という驚異的な耐久性を見せてくれましたが、「NAS専用品」を載せるべき明確な根拠がありました。
24時間365日の「常時稼働」を前提とした設計
現行のWD Blueが「PCを使っている間だけ動く」ことを想定しているのに対し、WD Red Plusは「1年365日、1秒も休まず動き続ける」ことを前提に設計されています。
今後、PCパーツの値上がりが予想されているので、逆にケチらない方が安上がりという判断。
「CMR方式」へのこだわり
近年のHDDには、安価ですが書き込み速度にムラが出やすい「SMR方式」が増えています。しかし、NASのRAID構成において書き込み遅延は致命的なエラーに繋がりかねません。
WD Red Plusは、安定した記録が可能な「CMR(従来型磁気記録)方式」を堅持しています。データの整合性を最優先するNASにおいて、この信頼性は譲れない一線でした。
NAS特有の「振動」への対策
2台、3台とドライブを並べて動かすNASでは、お互いの回転振動がエラーの原因になります。WD Red Plusには、この振動を検知し補正する仕様。
静音性に優れたQNAPの筐体と、振動に強いWD Redを選んだわけです。
今後の流れ
- セットアップ
- 基礎設計
- 運用方針決め
- データ移行の計画
- 移行と同時に実運用
先は長いのですが、HDDの寿命待ったなし。そこはFestina Lenteの精神で行きます。





















