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ボードゲーム『真打』ルールのメモ。

落語を舞台にしたドラマを見たため、久しぶりに引っ張り出しました。

このボードゲーム『真打』を買ったとき、「トリックテイキング」という言葉すら知らない状態だったので改めて整理します。

  1. スート無し
  2. ビッド無し
  3. 切り札なし(単純な数字の大きさ)でトリックを競う
  4. 同じ題目のカードは 「フォローできない」ルールあり
  5. トリックの勝者が落語会カードを獲得し、次のリードを行う
  6. トリックの敗者順に公開された3枚/または非公開の1枚を選ぶことができる
  7. トリック獲得の勝利点/特殊な勝利点/セットコレクションにより勝敗決定

が大まかなルールです。

流れ

  • トリックの勝敗にかかわらず、自分がプレイしたカードを左から並べていきます。(後のセットコレクションで使うため)
  • トリックの勝者が、演目のカード上にトリック(落語名)のカードを置きます。
  • 同一プレイヤーが同一演目のカードを「3回」出したら、「十八番」のカードを3枚目の上に置きます。

得点(名声点)の計算

  1. トリックの勝者が獲得する落語会カードの合計
  2. 獲得した「十八番カード」の枚数
  3. カードごとの特殊ルール
  4. セットコレクション(マイナスあり)

特殊ルール

季節の演目
『牡丹灯籠』を納涼落語会、
『芝浜』を年末落語会で「トリック(落語会) の勝者となったら」3名声点獲得。

そのため、これらのトリック(落語会)では、上記のネタに特に注意。

余談ですが、これら大ネタは本番に備え、別の季節に高座にかけることがあるそうです(俗に『噺家の時知らず』) 

『紺屋高尾』
2枚出すことができたら3名声点獲得。トリック(落語会) の勝者である必要は無い)

『死神』
出したプレイヤーは次の処理を行う。
1. 任意の相手から無作為に1枚を選んで自分の手札に加える。
2. 自分の手札から「選んで」その相手にカードを渡す。

『時蕎麦』
十八番になった(3枚目をプレイした)瞬間 から、数が「14」として扱われます。つまり、『芝浜』に勝つことができます。

称号カード(セットコレクション)

  • 称号の対象者が複数の場合は、その全員が同じ点数を得ます
  • 特定の演目を演じた場合に取得できる称号があります。
  • マイナスの称号があります。「マイナス5点」は相当大きな失点なので気をつけましょう。

ボードゲーム『真打 Pocket』感想。

小箱ボードゲームの中でも好きな部類に入る作品『真打』がリファインされたという印象です。

外観と内容

カードのみの潔いコンポーネントは変わらず。

落語の内容をそのままズバリと表したデザインはそのままでした。(オリジナル版では4だった『死神』が13と忌み数にグレードアップされているのも高ポイントです。

ノーマル版との比較

なんといってもカードがサイズアップしたこと。市販のスリーブに入れて保存できるのは思いのほか大きかったです。

そして、各カードが1枚ずつになっているのも特徴的でした。

ソロルール

今回、これを購入した最大の理由は「ソロ専用ルール」が備わっていること。

  • 18枚のユニークな演目カードをルールに従って振り分けていくフェイズ
  • これを元にネタを高座にかけ、トリの座を争うフェイズ

に分かれています。振り分けられた演目はカウントできるものの、ランダム勝浦向きに配置されるため「どのネタで勝負するか」は「前の落語会でトリを逃さないと」できません。

そのため、確率やカウンティング、そしてあらかじめ定められたセットコレクションを定めながらネタを選んでいきます。

こちらが全8回の落語会の結果。うまく大ネタをかけていき、トリを5回もつとめたにも関わらず、点数評価は「前座級」。

最初の振り分けの時点でセットコレクションを意識する必要がありました。

まとめ

  • 落語という好きなテーマ
  • 覚えやすいルール
  • いかに勝つか負けるかの線引きの悩ましさ

が楽しかったオリジナルがリファインされたのは素晴らしかったです。何よりも一人でプレイできるのが最高でした。

2020年私的ボードゲームまとめ。

1年の総決算期。今年買ったボードゲームで良かった作品をノミネートしていきます。

1.エバーデール(ワーカープレースメント/セットコレクション)
とにかく中央に置かれるボードが派手派手。全体的なラウンドは4なのに、次々にコンボが連鎖して場が整っていく様は小気味が良かったです。

2.真打(セットコレクション/ドラフト)
「落語」のイメージを全面に出し、システムもルールも実によく寝られていました。これをプレイしたあとに実際に寄席に訪れたほどです。

3.大鎌戦役(アクションセレクト/エンジンビルド)
様々な意味で重いゲーム。if世界の東欧を舞台に「メック」と呼ばれる機会が闊歩するテイストはもちろん、生産拠点の確立やエリアマジョリティの展開など、どれもが「これぞ」というのにふさわしいものでした。

4.アンダーウォーターシティーズ(ワーカープレースメント/セットコレクション)
海中都市の構築ゲーム。箱庭も、カードのコンボも、拡大再生産とモデルとなったシステムが透けて見えながらもオリジナリティあふれるゲームは得難い感覚です。

5.コールドウォーター・クラウン(ワーカープレースメント/セットコレクション)
この手のゲームにしてはライトに、そして運が絶妙に絡む釣りゲーム。折しも自宅待機の時期でしたから、このゲームでアウトドア気分を味わえたのは行幸でした。

6.ガイアプロジェクト(アクションセレクト/エンジンビルド)
ゲームの重さという点では先の『大鎌戦役』に勝るとも劣りません。運の要素がまったくなく、完全に実力が問われる戦略ゲーム。「どうすれば得点を稼げるか」で一日中遊んでいられました。ソロプレイのシステムも素晴らしかったです。

7.フレッシュウォーター・フライ(ダイスドラフト/セットコレクション)
『コールドウォーター・クラウン』と同じデザイナーの渓流釣りに特化した釣りゲーム。運が絡むのは同じですが、ハッチに合わせて毛鉤を変えたり上流から流して本命を釣り上げようとしたり。

8.ユーコン・エアウェイズ(ダイスドラフト/ピック&デリバリー)
カナダのユーコン準州を舞台に水上機をあちこち飛ばしていきます。飛行機のコクピットを模した個人ボードは各種機能をアンロックしたり得られるボーナスを増加させるメカニズム。作者の実体験をもとにしただけあり、とても良く寝られたゲームでした。

9.ぬくみ温泉繁盛記(ワーカープレースメント/タイルプレースメント)
超王道のワーカープレースメント。飯の支払いがとてもゆるいためとっつきやすく、ダイス運が絡むので経験者絶対有利が程よく緩和されています。施設タイルによる拡大再生産もあり、八面六臂に活躍する「助っ人」に助けられたりと楽しさ満点です。

10.ハーベイシャス(セットコレクション/チキンレース)
ひたすらに簡単なルールに比してジレンマに満ち溢れ、熾烈な読み合いが激しいプランター栽培ゲーム。「得点の機会」と「ゲームが終わるタイミング」の2点のバランスがとても悩ましいものでした。

以上10作品。個人的な大賞その他は大晦日あたりに。

ホードゲーム『真打』感想。

元々好きな落語をテーマにしたボードゲームがあると知り、早速入手して遊んでみました。

まず目につくのは抽象的ながらも演目のイメージに沿ったカード。このカードを場に出すことでゲームは進行していきます。

  1. 親から順番に演目のカードを出す。
  2. 一番演目の高い人がそのラウンド(落語会)のトリを務め、次の親となる。
  3. トリは演目の上に落語会カードを置いて得点の目印とする。
  4. 一番低い人から場にある演目のカードを選ぶ。
  5. 演目カードを並べ、次のラウンドに進む。

と、各ラウンドごとにやることも単純。

数字の高い大ネタを出せばトリの可能性は高くなります。しかしながら大ネタを出した人ほど次に仕入れるカードの選択肢が狭まります。

また、『寿限無』『初天神』などの前座噺をかけないとマイナスになる条件カードや同じ噺を3回高座にかけると『十八番』として最終得点が追加されたり、噺を特定の時期にかけると加点されるシステムが実に“らしく“グッときます。

そして、9ラウンドを終えて最も多くの点数を稼いだ人の勝利。

  • 落語というなじみやすいテーマ
  • 実際の演目や演芸場のある地名
  • 短期(各ラウンド)、中期(次に仕入れるネタの選択)、長期(称号や十八番を見据えた動き)の目標がハッキリしている
  • 勝負のしどころを見極め、ここ一番で大ネタを仕掛けられたときの爽快感

など、テーマも戦略性も素晴らしい小箱ボードゲームでした。

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