土曜日は羽田を発ち、広島は宮島に訪れました。何はなくとも「厳島神社」があまりにも有名。その神社の象徴である「大鳥居」に様々な側面がありました。
まずは地上からの風景。写真にもあるように手漕ぎ船で鳥居をくぐれるというので乗船。
船頭さんいわく、厳島神社は海上に建てられているために「正式な参道は海上」だそうで。
有栖川宮親王による神社の名前は「海側」と「神社側」で名前が違うというのも驚き。こちらは海上からの文字。「厳嶋神社」と書かれています。
その反対側に書かれているのは「伊都岐島(いつきしま)神社」。元々の神社名である万葉仮名によるもの。つまり、それだけ歴史がある証左です。
また、鳥居の両端は「太陽」と「月」が模られています。それぞれ「東」と「西」を司っているとか。
鳥居の柱はよく見ると直線ではなく少し歪んでいます。これは自然木を利用したため。高さ16mで円周10mの大木なので、そのまま使ったそうです。ただし、中はくり抜かれていて人間の頭ほどの大きさの石が重しとして詰められています。しかも、その石一つ一つに般若心経が書かれているのです。古くから「神仏混淆」の神社であり、明治の廃仏毀釈運動においても厳島神社の「特異性」を廃することはできなかったとか。
厳島神社の特異性はまだまだあります。実はこの神殿は 「北向きの神社」。 古くから厳島は島全体が御神体として崇拝されており、そこに社を建てることなどできないと海上に神殿を建立した歴史があります。そのために北向き(正確には北西)となっているとか。
今まで「鳥居で有名な界面の神社」としか見ていませんでしたが、数々のバックグラウンドがその特異性を作っているのですね。鳥居一つで大きな勉強になりました。