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ボードゲーム『祝宴の夜に』感想。

ソロプレイでの感想です。Saashi & Saashi作品らしさに満ちた良質なコンポーネントと分かりやすいルールが同居する期待以上の作品でした。

概要

本作の舞台は20世紀初頭の迎賓館。プレイヤーは外交官となり、祝宴に招かれたゲストたちが満足するように席へと案内していきます。

ゲストそれぞれの好みや、他のゲストとの相性、さらにはプレスによる記念撮影のことまで考慮しながらゲストを配置し、外交官としての名声を高めていくことが目的です。

ゲームのルール

いわゆる「チップドラフト」と「セットコレクション」が中心です。各ラウンドで、場に公開された貴賓トークンが乗っている馬車タイルから一つを選び、自分のテーブルボード上の空いている席に配置していきます。

どのゲストをどの席に配置するかは基本的に自由ですが、各テーブルには着席ルールが設けられており、これを守れない場合はペナルティが発生します。

9ラウンドが完了し、すべての席がゲストで埋まるとゲームは終了。最後に「記念撮影ボーナス」として、各縦列・横列に設定された条件を満たしているかを確認し、ボーナス点を加算します。最終的に最も多くの名声(得点)を獲得したプレイヤーが勝利します。

このゲームの素晴らしい点

雰囲気を盛り上げる上質なコンポーネント

作者が過去にリリースした『コーヒーロースター』や『カム・セイル・アウェイ!』で培われたコンポーネントの素晴らしさは変わらず。

箱の大半を占めるのは分厚いタイルやトークン類で、その手触りや見た目も非常に上質です。特に、貴賓トークンを引くための布袋の質感は素晴らしく、「祝宴」という華やかなテーマへの没入感を高めてくれます。

直感的で分かりやすいルール

ゲームの基本的な流れは「場にある貴賓トークンを選び、テーブルに配置する」という非常にシンプルなものです。得点計算も分かりやすくサマリー通り。

例外的な処理も「名声トラックで10点に達した際に貴賓室の処理を行う」という点だけなので、ルールをすぐに理解することができます。

準備も簡単で快適なプレイ感

ルールが分かりやすいため、セットアップインストが非常に簡単に行えます。また、トークンの配置は各プレイヤーが同時に行うため、ダウンタイムが発生しにくいのも快適です。

常に悩ましい、パズル的な面白さ

本作の面白さの核は、配置条件による「ままならなさ」にあります。

  • 「このテーブルには紳士と婦人が1人ずついなければならない」
  • 「緑のゲストをこのテーブルに座らせてはならない」

といった様々な条件があるため、「このゲストは欲しいけれど、そのためには他のゲストをどこに座らせれば…」という悩ましいジレンマを常に楽しむことができます。

さらに、ゲーム終了時の縦列・横列のボーナス条件も常に意識する必要があるため、場にある貴賓トークンをうまく捌きながら最終的な配置の形を想像して組み立てていく、落ち物パズルのような思考が求められます。

単純なドラフトでありながら、『カスカディア』のような二層ドラフトにも通じる奥深いジレンマを味わうことができました。

プレイ感が変わらない秀逸なソロプレイ

ソロプレイのルールは、使用できる馬車タイルや最終ラウンドの処理が少し変わる程度で、多人数プレイとほとんど変わらない感覚で遊べます。

勝敗ではなく自分のスコアに挑戦するスコアアタック形式なので、途中でゲームオーバーになる心配もありません。

少しだけ気になった点

ラウンドカードのスリーブ問題

ゲームで使用するラウンドカードが、一般的なカードサイズではない特殊な大きさです。

そのため、カードを保護するためのスリーブを探すのが難しく、ぴったりのカードケースを見つけるのも一苦労かもしれません(筆者もまだ見つけられていません)。

思った以上に厳しいペナルティ

ルールを守れなかった際のペナルティは「獲得した点数の半分を失う」という、かなり厳しいものになっています。これにより、ゲーム終盤の多人数プレイでは、相手に不要なタイルを押し付けあうような直接的な攻撃が発生するケースも想定されます。

好みが分かれると思ったところ

逆転要素がほぼ無い堅実なプレイ感

配置ゲームの常です。ゲームの開始から終了まで着実な戦略が求められるため、先行している人を差しきるのが難しくなっています。

ダウンタイムが少ないとはいえ、序盤の失着が最後まで響く一手が重いゲームとなっています。

まとめ

『祝宴の夜に』は、以下の魅力的な点を備えた名作です。

  • 上質なコンポーネントが華やかなテーマを演出する
  • 分かりやすいルールの中に、毎ラウンドの悩ましいジレンマが詰まっている

もともとこのデザイナーのファンでしたが、今回もその期待を裏切らない面白さでした。

箱のサイズは比較的コンパクトで、ルール説明を含めても45分程度で終わるため、「これぞ中量級ゲーム」といった満足感を得られる一作です。

ボードゲーム『祝宴の夜に』開封。

7月のボドゲ会の時に買っていながら未開封状態だったボードゲームをこの機会に開封します。

ボードゲーム『祝宴の夜に』

  • コーヒーロースター
  • カム・セイル・アウェイ!
  • 旅のあと

などの作者によるもの。ある種のパッケージ買いです。

開封

タイル群

中を開けて、パッケージのずっしりとくる重さに納得。圧倒的なタイルの量です。

ここまでの多さはちょっとした重量級レベル。

また、この作者らしい「日英に対応した説明書」も好感が持てます。

タイル抜き

  • ゲーム中に使うチップ
  • 個人用タイル
  • 共通のタイル

と、タイルそのものの種類は多くない代わりに量がすさまじかったです。

収納

収納に関しては付属のジップバッグでどうにかすることにします。カードは適合するスリーブがなかったのでこれも袋入れ。

箱にもそのまますんなり入りました。

ボードゲーム『リビングフォレスト・デュエル』感想。  

『リビングフォレスト』は未経験で『リビングフォレスト・デュエル』を遊んだので感想を記します。ルールの理解には少々時間がかかったものの、一度把握してしまえば、短いプレイ時間の中で多彩なアクションと戦略が楽しめる、やりこみがいのある2人用ボードゲームでした。

概要

プレイヤーは森の精霊となり、森を守り育てるため、以下に示す4つの勝利条件のうち、いずれか1つを達成することを目指します。

  1. 3×3になるよう樹木を植林する
  2. 鬼火の火を食い止める(8個の火トークンを集める)
  3. 守護獣ラインを自分の守護獣カードだけにする
  4. 相手に鬼火を送り込む

これらの勝利条件を達成するため、プレイヤーは手番ごとに1つを選んで実行していきます。

このゲームで良かったところ

シンプルなアクションと悩ましい選択

このゲームの基本アクションは、驚くほどシンプル。以下の2つだけです。

  1. 共有デッキからカードを1枚公開する
  2. 公開されているカードのアクションを実行する

各プレイヤーはアクショントークンを2つ持っており、これを消費すると、このラウンドでは行動終了になります。このシンプルなルールが、ゲームにテンポの良さと奥深さをもたらしています。

GoかStayかのディシジョンメイキング

1つめの気に入った点です。カードをめくるアクションをした場合、相手によりよい選択肢を与えることになります。ですが、カードをこれ以上めくらずにアクションを実行すると、弱い行動しか取れないこともあります。

しかも、基本的に2人が同じカードを参照するため、相手の動きを読みつつ、こちらが有利な状況を作るために「先に動くか」「まだ待つか」の選択に常時迫られます。

「バースト」がもたらすチキンレースの興奮

上述の点に「バースト」システムがスリリングな要素を加速させています。公開したカードに描かれている「孤立アイコン」が3つ溜まってしまうと「バースト」となり、ペナルティとしてアクショントークンが1つ消費されます。さらに4つ溜まると、トークンを2つとも消費され、そのラウンドでは何もできなくなってしまいます。

共有デッキの内容を推測しながら、「もう1枚めくるか、ここでアクションを実行するか」という判断を迫られるチキンレースの緊張感が、このゲームの大きな魅力の一つです。

刻一刻と変わる戦況と最適解の探求

これが2つめに気に入ったところです。バーストのリスクだけでなく、相手の状況にも常に気を配る必要があります。

  • バーストを防ぐには?
  • 相手はどの勝利条件に近づいているか?
  • それを阻止するためには、今どの行動を取るべきか?
  • 一つの勝利条件を目指していると見せかけて、別の勝ち筋を狙うことはできないか?
  • 一石二鳥のアクションは?

等、考えるべきことは多岐にわたり、終始頭をフル回転。

さらに、植林による永続的な効果や、守護獣がもたらすラウンド中の一時的な強化、特定条件下での連続行動やバースト阻止といった特殊効果が、戦略にさらなる深みを与えています。これらの要素が複雑に絡み合い、短めのゲームらしからぬ濃密さが楽しめました。

このゲームの注意点

初見では理解が難しいルール

本作の最大のハードルは、ルールの難解さです。ルールブックを読んでも、「このカードはいつ使うのだろう?」「このアイコンは何を意味するのか?」といった疑問が次々と浮かぶと思います。

筆者自身も、実際にプレイしている動画を見て、ようやく全体の流れや細かい処理を把握することができました。そのため、ボードゲーム初心者や未経験者同士でいきなりプレイするのはまず推奨しません。

経験者に教えてもらうか、ある程度ボードゲームに慣れた方が事前にプレイ動画で予習することをおすすめします。

例外処理の多さ

特に難解なのが、ラウンド終了時の処理です。消火できたかどうかの判定、それによる「炎まといカード」の処理やリシャッフルの条件等、ルールブックを見ても脳内に「?」が飛び交っていました。(これもプレイ動画で把握できた次第です)

他に植林や鬼火の移動によって発生するボーナスの処理など、覚えるべき例外処理が多く存在します。

カードにテキストが書かれていない言語依存の少ないデザインは、普段は好ましいと感じることが多いのですが、このゲームに関しては、その言語依存のなさが仇となりアイコンが示す処理の複雑さを増している要因となっています。

まとめ

『リビングフォレスト・デュエル』は、ルールの難しさという点から、誰もが気軽に楽しめる名作、と手放しで賞賛できるタイプのゲームとは言い難いです。

しかし、そのハードルを乗り越えることができれば、

  • 相手の行動を待つ時間が少ない、テンポの良いターン進行
  • シンプルなアクションから生まれる多彩なゲーム展開
  • カードをめくる際の、のるかそるかのスリル
  • 相手の狙いとこちらの狙い、深い読み合いの楽しさ
  • 終着点が都度変わるリプレイ性の高さ

などの数多くの魅力を比較的短時間で味わうことができます。人を選ぶかもしれませんが、戦略的な駆け引きが好きな方には刺さる良作です。

すっきりと整理されたコンポーネントや、ゲームのテーマによく合った美しいアートワークも個人的には非常に好印象でした。

ボードゲーム『アイドルアライブ』2025年8月によるアップデート。

こちらでも言及した

  • 最速
  • 最強
  • 再現度も高い

「かのんワンショット」による一強の見直しのみならず、他のカードもかなりの刷新がありました。

https://note.com/susabi/n/n233be326d70e?sub_rt=share_pb

上記のアップデートカードを見る限りですと

さっくりまとめると

  • 極めて強力だった天羽かのんがナーフされ、別方向での戦略が必要になった。
  • 同様にセンター能力が強かった四宮樹理のアドバンテージが(ほぼ)1:1交換になった
  • 瑛里のようなスナイプ戦略の泣き所、会場トラブルが撃ちにくくなった
  • 涼子は長期戦向け。更に音羽と組んでのコントロール色が強くなった。

以下、変更点を見ていきます。

変更されたアイドルカード

『柊涼子』(基本セット)

変更後:
アレンジメント
あなたのメインフェーズ開始時、あなたのメモリーが10枚以上あるなら、観客席からカードを1枚選んで獲得してもよい。

※ 初期Vol/初期手札は変わらず。

妨害要素をぐっと減らした代わりに、長期戦であれば無条件で観客席からカードを1枚選んで獲得する形に。

『四宮 樹理』(ステラビーツ)

変更後:
初期Vol:40

あなたのメインフェーズ中に1回使える。手札を1枚選んで捨て札に置く。そうしたなら、捨て札のカードを1枚選び、そのコストを支払って使用してもよい。使用したカードはメモリーに置かず、楽曲デッキの一番下に置く。

メインフェーズの捨て札回収 → 手札を捨て札に置いた後に正規利用。そうしたカードは楽曲デッキと、

  • 回収のコストに手札
  • そしてライブラリーボトム送り

の2つの調整が加わっています。

変更されたイベントカード

会場トラブル(基本セット)

変更後

コスト:どれでも4枚

追加コストとして手札を1枚選んで捨て札にする。
あなたの獲得済みファンカード2枚と相手の獲得済みファンカード3枚をそれぞれランダムに選ぶ。これにより合計5枚のカードが選ばれた場合にかぎり、それらを観客デッキに加えてシャッフルする。

対象5枚を必ず取らないといけなくなったこと、更に、コストが「どれでも3枚」→「どれでも4枚」と上方修正されたことで、コストの支払いが厳しめになってきています。

ココロ高鳴るステージ(ステラビーツ)

これに関しては、完全なる別カードと言っていいでしょう。

 変更後:
橙2枚+どれでも3枚

バックステージにいるあなたのアイドルを好きな人数だけ歌唱エリアに移動させる。これにより移動させたアイドル1人につき2つの声援チップを得る。

コストは橙3枚→橙2枚へと軽量化。ですが、カード効果は

  • 変更前
    • ターン終了時まで、あなたの楽曲カードのファン獲得枚数を+1する。
  • 変更後
    • このターン、声援チップを最大6枚得る

という、今までの強すぎた戦略を一から見直す必要があるものへと変わっていきました。

変更された楽曲カード

『かのん☆しょーたいむ!』

変更後:

【FAN効果】観客席のカードを最大1枚まで選ぶ。そのカードは、ターン終了時まで効果を失う。

最大3枚から最大1枚へと、大幅なパワーダウン。

まとめ

バランス調整について言及されたとおり、環境一強を丸めると共に別の戦略を強くすることで、更にバランスを良くしようとしていく方向性が窺えました。

この差し替え後のテキストを元に、今後、どのような戦略が有効かを見ていきます。

2025年8月の統率者&ボドゲ会メモ。

三連休の最終日、統率者&ボドゲ会を行いました。

統率者

エスパーのゾンビデッキ

残念ながら敗北はしましたが、

  • 動きがつかめた
  • アドバンテージやマナ加速は十分

などの感触が分かったので、次につなげられます。

タルキール氏族対決

タルキール:龍嵐録の構築済みをそのまま使い、「強い部族を決めよう」という企画。

自分はジェスカイを担当。序盤、かなりの劣勢を強いられ、また、リセットをしても《生ける屍》による大量リアニメイトにより苦しい状況が続きました。

しかし、《ジェスカイの意志》を引いたことで場は激変。瞬間的なマナ加速やフラッシュバックを利用し、

  • 再びのリセット
  • 相手のトークンの大量コピー

等を行い場を一気に捲りました。しかし、中盤のダメージが災いし、トークン生成手段を持つマルドゥ氏族に敗北。

スゥルタイに一矢を報いることができたのはよかったし、統率者デッキでありながら残りのライブラリーが一桁でゲームが終わるというすさまじさがありました。

ボードゲーム

ファイブ・シーズンズ・ダイス

ケルト・ダイスのリメイク版。ダイスとセットコレクションのままならなさがいい感じに作用する良作でした。

カム・セイルズ・アウェイ!

なんとしても回したかった作品。不満客を2人に抑えたものの、一意に僅か4点差。

他にも収穫があったいい一日でした。

『アグリコラ』ソロプレイ記録。(職業によるアクション効率化)

はじめに

筆者はある種の験担ぎに『アグリコラ』ソロプレイ(ヒトリコラ)を行っています。その盤面や最終得点により

  • 思考や行動に異常はないか?
  • 運気は巡っているか?

などを占っています。そんな「占い」で吉と出た日の記録を残しておきます。

『アグリコラ』ソロプレイの厳しさ

拙稿でも書いたとおり

  • ワーカー1人につき3食料と引き上げられ
  • 蓄積スペースの木材が3→2に引き下げられ
  • 初期食料が0
  • 木材(ゲーム終了までに28)やレンガ(同左、14)と言った資源は明確に固定化

なのに50点がゲームクリアの基準。

いわば「ワーカーは扶養する 得点行動は最大化させる」の“両方”をこなす

辛さがあります。そんな厳しさの中でアドバンテージを与えてくれるのが職業の存在。今回は、そんな職業に助けられ、ゲーム終了時に61点を取得しました。(詳細は後述)

初期手札に配られた職業からの戦略の組み立て

  • 手番の圧縮に貢献する「季節労働者」
  • 資源の自動取得と変換を行う「夢遊病者」と「小作人」

が手札にあったため、この3種類の職業は手番を消費してでも獲得する必要があると判断しました。

第1ステージ(ラウンド1〜4)

食料0で獲得できる最初の職業は「小作人」です。そして、日雇い労働による食料確保を中心に、職業カードの展開を進め、2R目に「季節労働者」を配備。食料獲得と後の食料の基板を作りました。

第1ステージ終了時点の資源状況:

  • 食料:1(支出後)
  • 麦:3
  • 木材:3
  • 葦:4

第2ステージ(ラウンド5〜7)

ここからは、農場を大きく拡張していくと同時に「繋ぎの食料」を用意する一番厳しいステージです。

ラウンド5では、木材14本と葦4を支払い、部屋2つと厩2つを建築。ラウンド6では、家族を増やすためのアクションを実行し、レンガ6を獲得。
ラウンド7は量で食料7つを獲得。その後4人目のワーカーと同時に小進歩「小川」を出せました。

最後に日雇い労働で野菜を獲得。食料の供給と大きな手番圧縮を行いました。

第2ステージ終了時点の資源状況:

  • 食料:0(支出後)
  • 麦:3
  • 野菜:1
  • レンガ:6

第3ステージ(ラウンド8~9)

ラウンド8で2スペース分の木材6本を獲得して厩つきのスペースに囲みます。そして満を持して「夢遊病者」を配置。(これを獲得するための食料は「小川」が満たしてくれました)

ラウンド9で羊を獲得し、牧場に投入。

ここから資源計算がガバガバになっていきます。

  • 畑の耕作
  • 麦や野菜の種まき
  • 夢遊病者で2食料が3食料(羊→猪に変換)になり石材獲得

など、『やりたい放題』になっているからです。

第4ステージ以降(ラウンド10~14)

4人のワーカーと圧倒的な資源管理を軸に以下を行いました。

  • 改築と同時にパン焼き窯を手に入れて得点行動と食料獲得を一気に圧縮。
  • レンガ1のためにワーカーを配置し石焼き窯で更に食料生産を容易に
    • (敢えて日雇い労働と麦の種を獲得する等の行動もありました)
  • ラウンド12では最終アクションの粒度を高める部屋不要のワーカー増員も加わって、最終ラウンドは盤石のものになります。

最終結果詳細

  • 畑5枚:4点
  • 柵3:3点
  • 柵囲いの厩3:3点
  • 羊8頭:4点
  • 猪7頭:4点
  • 牛6頭:4点
  • 麦9:4点
  • 野菜5:4点
  • 石の部屋4:8点
  • 家族5人:15点
  • 得点カード:
    • 石窯:3点
    • レンガ窯:2点
    • 調理場:1点
    • カゴ製作所:2点(ボーナスなし)

合計得点は61点。
これは、クリア基準の50点を大きく超える、実に満足のいく“占い”となりました。

余談

ある人に曰く

「ファウストは、メフィストフェレスに心を売って明日を得た。
 マクベスは、3人の魔女の予言に乗って、地獄に落ちた」

今回、アグリコラのソロプレイ(ヒトリコラ)で筆者が占ったのは「職業による手番効率化」です。

この効率化が獲得できれば、職業3つのプレイという重い選択も、確実な資源の増加という確かな見返りにつながったのです。

ボードゲーム『アルルの丘』(拡張込み)ソロプレイ時の、1~2R目の効率的ルート例。

拡張『紅茶と交易』の『アルルの丘』の序盤のコツです。先述いただいた方の手順を参考に、筆者の好みに沿った動きに仕上げました。(※性質上、Big Boxでも同じ動きが可能です)

はじめに

本作のソロプレイはワーカープレースメントの名を借りた

  • 資源管理
  • 建物コンボ

です。なぜなら、全てのアクションスペースが自由に決められる上に(他のワーカーなどで)ブロックされることが無いからです。

そのため、再現度を突き詰められる手順が存在します。

以下に示すのは、

  • セットアップ時の建物に左右されず
  • 2ラウンド目終了までに
  • 漁船/交易船/荷馬車が揃い
  • 余裕を持った東フリジアの開拓ができる

オススメの1~2ラウンドまでの動きです。

ゲーム開始時の資源

○ トークン・駒

  • 丸太:3個
  • 粘土:3個
  • 紅茶:3個
  • 泥炭(切り出し済み):3個
  • 馬:1頭
  • 泥炭(切り出し前):4個

○ 資源トラック

  • 食料:5(5に1、0に1)
  • 毛糸:1
  • 獣皮:2
  • 麻:3
  • 麦:4

ラウンド行動

1ラウンド目(夏~秋)

これらの順番は任意の順番で行って構いません。

  1. 「入植者」アクションを使います。裏返すのは右側の湿地タイルです。→ 切り出し前の4個の泥炭追加、馬1頭追加。
  2. 「食料雑貨商」アクションを使います。選ぶ資源は馬1頭。→ 馬1頭、革タイル1枚追加、資源トラックの麦を1つ上げます。
  3. 「製帆人」アクションを使い、資源を得ると同時に漁船を作ります。 → 亜麻布1枚追加、泥炭1個追加。→ 木材1と麻を1つ消費して1個の資源スペースがある漁船タイルを1つ置きます。
  4. 「漁師」アクションを使います。 → 道具トラック(やな)を1つ右に上げ、資源トラックの食料を3つ上げます。羊1頭を追加。

棚卸しの前にフリーアクションを行います。漁船の空きスペースに紅茶を1つ配置し、東フリジア茶に変えます。

1ラウンド目の棚卸し

  1. 漁船の空きスペースに置いていた東フリジア茶が手元に戻ります。
  2. 麦畑と麻畑が1つずつあるので、資源トラックでそれぞれを1つずつ上げます。
  3. 食料3つを支払います。
  4. 泥炭2個を支払います。

資源は以下の通りに変化します。

○ トークン・駒

  • 丸太:2個
  • 粘土:3個
  • 紅茶:2個
  • 東フリジア茶:1個
  • 泥炭(切り出し済み):2個
  • 馬:3頭(小屋に配置)
  • 羊:1頭
  • 泥炭(切り出し前):8個
  • 革:1枚
  • 亜麻布:1枚

○ 資源トラック

  • 食料:2(2に1、0に1)
  • 毛糸:1
  • 獣皮:2
  • 麻:3
  • 麦:6

○ 納屋・港

  • 漁船(スペース1個):1

画像では紅茶を1つ東フリジア茶に変換する処理が抜けています。

この後、ラウンドマーカーを「2」に移動させ、ワーカーを冬の箇所に置きます。

2ラウンド目(冬~春)

以下の行動は、1と2の順番が決まっています。

  1. 「祖母」アクションを使います。→東フリジア茶を1個、食料トラックを4上げます。
  2. 東フリジア茶を2個消費して「丸太商人」アクションを2回使います。 → 資源トラックの麦を2個下げ、丸太を8個手に入れます。
  3. 「荷車製造人」アクションを使います。 → 丸太7個と馬1頭を支払い、スペースが4ある荷馬車を倉庫に置きます。
  4. 「船大工」アクションを使います。 → 亜麻布1枚と丸太2個を支払い、交易船スペースに2個のスペースがある交易船を置きます。

棚卸しの前にフリーアクションを行います。

  • 荷馬車に丸太1個、粘土1個&泥炭1個、【Hage】【Bee-Moor】の旅の目的地タイルの計4枚を置きます。 → 食料トラック3上昇、泥炭1個と麻畑1つを消費し、丸太を木材&粘土をレンガに変えます。
  • 《交易→インド》食料トラックを3下げて、交易船スペースに2つの紅茶を置きます。
  • 漁船の空きスペースに紅茶を置き、東フリジア茶に変えます。

2ラウンド目の棚卸し

  1. 漁船の空きスペースに置いていた東フリジア茶が手元に戻ります。
  2. インドからの交易品、紅茶2個を入手します。
  3. 荷馬車に置いていた木材とレンガが手元に戻ります。
  4. 【Hage】【Bee-Moor】の旅の目的地タイルをホームボードの旅の経験トラックに置きます。
  5. 馬1頭が産まれるため、小屋に置きます。
  6. 羊1頭がいるため、資源トラックの毛糸を1上げます。
  7. 食料3つを支払います。

資源は以下の通りに変化します。(1ラウンド目からの持ち越しも含みます)

○ トークン・駒

  • 丸太:0個
  • 木材:1個
  • 粘土:2個
  • レンガ:1個
  • 紅茶:3個
  • 東フリジア茶:1個
  • 泥炭(切り出し済み):1個
  • 馬:3頭(小屋に配置)
  • 羊:1頭
  • 泥炭(切り出し前):8個
  • 革:1枚

○ 資源トラック

  • 食料:6(6に1、0に1)
  • 毛糸:2
  • 獣皮:2
  • 麻:3
  • 麦:4

○ 納屋・港

  • 漁船(空きスペース1):1隻
  • 交易船(空きスペース2):1隻
  • 荷車(空きスペース4):1両

これ以降の動きやコツ

自由です。

ここまで来れば旅による食糧確保も、資源の改良(丸太→木材)もかなり余裕を持って動けることになります。

資源確保(特に粘土/レンガ)さえ気をつければ、15点の建物(アルル教会など)を3つ建てることも不可能ではありません。

特にソロプレイは他の人やボットに邪魔されることなくストイックに村の開拓に寄与できるため、序盤の内に

  • 運搬
  • 交易
  • 加工

システムを確立させ、効率的に資源を管理していきましょう。

ボードゲーム『アイドルアライブ』「かのんワンショット」デッキ解説&対戦レポート

はじめに

ボードゲーム『アイドルアライブ』の第一弾拡張『Stellar Beats』環境において、最速・最強との呼び声が高い「かのんワンショット」デッキを試す機会がありましたので、ご紹介します。

今回は、オンラインで見かけたデッキレシピを元に構築しました。(というよりも完コピです)

デッキ構成

アイドル

  • センター: 天羽 かのん (橙)
    • 初期Vol: 20%
    • 初期手札: 4枚
    • スキル: あなたのメインフェーズ開始時、あなたは声援チップを1つ得る。
  • 小鳥遊 司 (ライム)
  • 愛澤 日和 (赤)

楽曲デッキ

■1人曲

  • 3『\カワイイ💗/の対価を要求しますっ!』 (かのん)
  • 3『Magic Time!』 (日和)
  • 3『僕は僕を誤解している』 (司)

■2人曲

  • 1『Travel Music ..zzZ』 (かのん)
  • 2『Goストレート!!』 (日和)
  • 3『Break Your Wolrd』 (司)

■3人曲

  • 3『QUEST DIVER』 (司)

■イベント

  • 『機転』(ノーコスト)
  • 『ココロ高鳴るステージ』(3かのん: 3任意)
  • 『テッペン目指して』(2司: 3任意)

デッキのコンセプトと強み

このデッキは、イベントカード 『ココロ高鳴るステージ』 と声援チップ6枚消費の 「アンコール」 を組み合わせることで、1ターンに20点以上のファンを一気に獲得し勝利することを目指す、いわゆる「ワンショットキル」デッキです。

最大の特徴は 「コンボ完成の速さと再現性の高さ」 で、理想的な状況では5ターン目にも決着がついてしまいます。

コンボの核となるのが、司の楽曲で得られるサポートカード 『エナドリ』 です。

『エナドリ』の効果:
次にあなたが使用するイベントカードのメモリー使用枚数は“あなたが選んだ任意の種類のメモリー”1枚分だけ少なくなる。

この「“あなたが選んだ任意の種類のメモリー”1枚分だけ少なくなる」というテキストがコンボの肝です。これは、コストとして指定されている 特定の色(今回の場合は橙)のメモリーを対象に選んで軽減できる ことを意味します。

『ココロ高鳴るステージ』の本来のコストは「 橙のメモリー3枚 」と「 任意のメモリー3枚 」の合計6枚です。しかし、『エナドリ』を3枚使い、軽減対象として3回とも「橙」を指定することで、 「橙のメモリー3枚」のコスト支払いが免除 されます。

結果として、コンボの要求値が劇的に下がっています。

基本的なデッキの動かし方

序盤〜中盤

コンボ始動に向けて、以下の準備を進めます。

  • 司の楽曲をプレイ : ボルテージを上げつつ、コンボのキーパーツである『エナドリ』を3枚集めます。
  • 声援チップ獲得を優先 : かのんのセンタースキルとファンサで声援チップを6枚(アンコール用)集めることを目標にします。
  • 観客の獲得 : 観客デッキの前列に『応援隊長』が見えたら優先的に獲得しましょう。
  • 手札の管理 : 声援チップの上限が近づいてきたら、効果でカードを引き、手札を充実させます。

コンボ始動

以下の条件が整ったら、コンボをスタートします。

  • ボルテージ: 80%~90%程度
  • リソース: 声援チップ6~7枚、『エナドリ』3枚以上
  • 手札: 1人曲が各色1枚以上(2色が2枚あると理想的)を含む、5~6枚程度の楽曲カード

【コンボ手順】

  1. 『エナドリ』を3枚消費。コスト軽減の対象をすべて「橙」に指定します。
  2. 好きな色のメモリー3枚を支払い、イベント 『ココロ高鳴るステージ』 を発動。
  3. 効果に従い、各アイドルの楽曲を合計3回プレイし、観客を6枚獲得します。
  4. 声援チップを6枚支払い 「アンコール」 を宣言。アイドル全員がバックステージに戻り、再度楽曲カードが使用可能になります。
  5. ここで獲得したファンを配置しつつ、日和の「FAN効果」(ボルテージ10%消費で獲得数+1)などを使い、点数を伸ばします。かのんのFAN効果は、やっかいなファンを同時に獲得した場合のデメリットを打ち消すために有効です。
  6. コアファンが十分に獲得できていれば、この時点で20点に到達します。もし届かなくても、司のイベント 『テッペン目指して』 でさらにファンチップ(勝利点)を増やして20点を目指せます。

対戦レポートと考察

対戦の様子

対戦相手は、四宮樹理をセンターに据えたビートダウン系のコントロールデッキ。イベントで捨て札の楽曲を再利用しつつ、『メタルファン』による妨害でこちらのペースを乱す戦略でした。

こちらは理想的な動きとはいきませんでしたが、6ターン目にコンボを始動。相手の『メタルファン』による妨害を受けながらも、1ターンで合計18点のファンを獲得しました。

相手もコアファンのまとめ取りや『ライブビューイング』による継続得点などで猛追し、最終得点は18点。しかし、こちらの点数には一歩及ばず、次のターンで残りの点数を獲得し、勝利を収めました。

このデッキの強みと弱点

実際に使用して感じたのは、以下の点です。

  • ■ 強み1:コンボに必要なボルテージの低さ
    • 3人曲はボルテージ上昇と『エナドリ』獲得を兼ねる3枚のみ。そのため、コンボ始動時の要求ボルテージが80%~90%程度で済み、準備期間が非常に短いのが強力です。
  • ■ 強み2:妨害をものともしない一撃の重さ
    • 瑛里のスナイプや涼子のファン送り、イベント『会場トラブル』といった一般的な妨害をある程度無視できます。一撃で勝負を決めるため、相手にターンを渡したとしても、逆転が非常に難しい状況を作り出せます。(ただし、ミラーマッチは別です)
  • ■ 見える弱点
    • もちろん、これだけ強力なデッキにも弱点はあります。再現性が高いとはいえ、手札事故などで必要なカードが揃わない「下振れ」は起こり得ます。今回の対戦でも、理想ムーブではなかったために相手に猛追される展開となりました。

まとめ

「かのんワンショット」は、

  • 「速さ」
  • 「妨害耐性」
  • 「再現性」

を兼ね備え、文字通り「無から20点を生み出す」ような、圧倒的な爆発力を持つコンボデッキでした。

その強さから、今後は何らかのルール調整が入る可能性も否定できません。(例えば、『エナドリ』の効果が「イベント1枚につき1回まで」と裁定されるだけでも、大きく環境は変わるでしょう)

現状の『Stellar Beats』環境を定義する、非常に強力なデッキタイプであることは間違いないでしょう。

ボードゲーム『アイドルアライブ』独立拡張『Vsinger』感想。

2025年上半期で遊んだボードゲームでも特に面白かった『アイドルアライブ』が、中国ボーカロイドVsingerとコラボレーション。

基本的なルールやゲームの流れはそのままに、単体でも本家との対決でも楽しめる作品として登場しました。

本レビューは、独立拡張のため、基本セットをある程度知っている方向けの記事になること、最初にお詫び申し上げます。

ゲームの概要

基本セット『アイドルアライブ』が持つ

  • プレイヤーはプロデューサーとなり
  • 3人組のアイドルユニットを編成し
  • 楽曲で場のボルテージを高め
  • ファンを獲得し
  • イベントなどを活用してライブを成功に導く

特徴はそのまま、「独立拡張」としてリリースされました。

後述する“ある一点”を除いては、入門者にも経験者にも楽しめる作品となっています。

基本セットとの共通点

以下の特徴はそのままです。(詳しくは拙稿をご確認ください)

  • TCGに慣れていない人でも直感的に理解しやすい楽曲カードの視認性
  • アイドル達による多様な戦略
  • 分かりやすい位相管理とターン進行
  • ファンを中心としたインタラクション(とデメリット持ちファンを巡る駆け引き)

これらの基本セットのルールや楽しさはそのままとなっています。

本作ならではの素晴らしい点

男性歌手によるキャラクターの幅の広さ

これが大きな特徴と言えるでしょう。戦略面のみならず、世界観の広がりという大きな魅力を与えてくれました。

「女性アイドル達のステージ」という基本セットのイメージに対し、『アイドルアライブ Vsinger』は「男女混合ユニットも可能な、より多様なパフォーマンス」を描いています。

女性アイドルも、より大人びたキャラクターという明確な差別化がある印象です。

各種カードの調整による収束性の向上

  • センタースキルによる妨害要素
  • 取り回しやすく、得点効率も高めやすいイベント

の2つが特に印象的であり、複数取るとデメリットとなってしまう「やっかいなファン」のやっかいさを抑えることと、終盤の緊張感に貢献しています。

カジュアル構築でも楽しめるカード群

基本セットのカジュアル構築(1つのセットを2人でシェア)で時折見られた、特定の組み合わせによる一方的なゲーム展開が起こりにくく、どのアイドルを選んでも接戦を楽しめるようになっている点も好感が持てます。

これもまた、本作のとっかかりを楽しみたい初心者向けの内容として機能していました。

拡張でありがら基本セットと混ぜられない制約

公式で

『アイドルアライブ』と混ぜてデッキを構築することは非推奨です。『アイドルアライブVsinger』の収録カードのみでデッキを構築してください。

と言われる理由が、本作を開封して納得。

「同一効果を持つカード」が非常に多いのです。(MtGプレイヤー向けの説明をすると《ラノワールのエルフ》と《エルフの神秘家》のような関係です)

そのため、混ぜてデッキを構築すると

  • カードドローに長けたデッキ
  • 妨害一筋のデッキ

を特化させてしまう事態が発生。とはいえ、基本セットとVsingerの対戦は、「特徴が似通っていながら軸をずらす」という対戦を楽しむことできます。

本作の問題点

アイドルたちの後ろ姿

個人的に残念と思う点がこちらです。「アイドル駒の後ろ姿が描かれていない」です。

プレイヤーはプロデューサーとして、ゲーム中、常にアイドルの「背中」を見つめながら采配を振るうことになります。その肝心の背中がただのイメージカラーのシルエットのみとなっています。

これは没入感という点で致命的といってよく、基本セット並びに拡張『Stellar Beats』で積み上げてきたゲーム体験の全てが「九仞の功を一簣に虧く」かのごとく、この一点によって色あせて感じられてしまいます

ライブの臨場感・ゲームの没入感という確かな手応えが、この、「アイドル達の背中を見つめる」ことだという点だと気づかされた皮肉な状況です。

まとめ

『アイドルアライブ Vsinger』は、基本セットを下敷きにした分かりやすいルールとファンを軸にしたインタラクションを基礎に置きながらも

  • Vsingerの特徴に合わせたスキルやイベント
  • カジュアルでもエキスパートでも楽しめる

作品です。それだけに、「ただ空白を見るかのごとし後ろ姿」が気になる作品でした。

これを気にしないという方は

  • コラボ先に興味がある
  • 基本セットとは違ったゲーム体験をしたい
  • 1セットでも本シリーズを楽しみたい
  • 2~30分で楽しめ、感想戦も盛り上がる2人用のボードゲーム

という点でオススメできる作品です。

ボードゲーム『だるまあつめ』感想。

以前、ボドゲ会で遊んだのをボドゲカフェで見つけてプレイ。シンプルなルールながらも短い時間で盛り上がることができる楽しい小箱ゲームでした。

【概要】

『だるまあつめ』は、プレイヤーはだるまのコレクターとなり、たくさんのだるまを集めることを目指します。

カードを引くのを「止めるか」「続けるか」という単純なルールながら、ハラハラドキドキの展開が楽しめるゲームです。

【ゲームのルール】

自分の手番が来たら、山札からカードを1枚ずつ引いていきます。カードには1から10までの数字が書かれただるまが描かれています。

引いたカードの数字が、その手番中にまだ引いていない数字であれば、そのカードを自分の前に「予約」として表向きに置いておきます。

例えば、「1」「3」「5」と引いた場合は、全て異なる数字なのでセーフ。どんどん予約を増やしていけます。

しかし、その手番中にすでに予約されている数字と同じ数字のカードを引いてしまったら「バースト(没収)」発生。

手番は強制的に終了し、引いたカードも全て没収され、捨て札となります。

無事にバーストせずに手番を終えることができれば、次の自分の手番開始時に、手元に予約されただるまカードを全て裏向きにして自分の得点として「利確」できます。

山札のカードが全てなくなったらゲーム終了です。各プレイヤーは「利確」して裏向きにしているカードに書かれた数字を計算、その合計点が最も高いプレイヤーが勝者となります。

特記事項:他のプレイヤーからの予約を奪える(そして奪われる)

自分がカードを引いた際、もしその数字のカードを他のプレイヤーが「予約」していた場合、そのプレイヤーが予約している同じ数字のカードを全て奪うことができます。

例えば、相手が「8」のカードを予約している状態で、自分が「8」を引いたら、予約されている8をそっくり奪って自分の予約に加えることができます。もちろん、この状況は相手にも発生。せっかく予約した点数の高いだるまを全て奪われる状況が発生します。

ただし、注意が必要です。奪ったカードも自分の予約の一部となるため、もしその後に同じ数字(この例だと「8」)を引いてしまうと、自分が元々引いていたカードだけでなく、奪ってきたカードも含めて全てバースト(没収)となってしまいます!

【このゲームのいいところ】

インストしやすく覚えやすいシンプルなルール:

色とりどりのだるまと数字が書かれているだけ。言語依存が全くないので、すぐにルールを理解して楽しめます。

絶妙なチキンレース:

  • 「もう1枚引けるか?」
  • 「いや、ここで止めておくべきか?」

という判断が常に求められます。バースト承知で相手の高得点を奪っていくか、堅実に利確するかの駆け引きがたまりません。まさに運と度胸を秤にかけたチキンレースです。

奪う/奪われるのインタラクション:

相手の予約カードを奪えた時の快感、逆に奪われた時の悔しさは、

「引くな!」とか「引け(バーストしろ)!」と念を送る(あるいは直接的に声を出す)形で現れます。

他プレイヤーの手番中の方が逆に盛り上がるという珍しい状況が多々発生します。

カウンティングの難しさ

バーストしたカードや利確したカードは全て裏向きで処理されるため、どの数字がどれくらい残っているか正確に把握するのが難しくなっています。

これら裏向きのカードはゲーム中に確認できないため、最後の最後まで勝敗が読めないドキドキ感につながっています。(とはいえ、どのカードがどのぐらい入っているかは事前に説明するべきでしょう)

【このゲームの少し気になるところ】

シャッフル:

ゲーム終了時、どうしてもカードの偏りが生じやすいです。続けてプレイする場合は、入念なシャッフルが必要になります。

スリーブ:

カードが正方形という少し特殊な形状のため、対応するスリーブが限られます。また、スリーブに入れると元々ピッタリサイズの箱に収納できなくなります。

【まとめ】

『だるまあつめ』は、ルールが簡単でワイワイ盛り上がれる良作です。子供から大人まで、ボードゲーム初心者の方がいる場でも気兼ねなく遊べるのがポイント。

運の要素は強いですが、どこまでリスクを取るかという判断力と、「もう一枚いけるはず!」という度胸が試される熱いチキンレースが楽しめます。

2人プレイでも十分楽しめますし、4人以上になると「自分の予約カードが全部奪われた!」なんてドラマも度々発生。

プレイ時間も15~20分程度と短いので、ゲーム会の最初に場を温めるスターターや、ちょっとした空き時間のアイスブレイクにも最適でした。

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