カテゴリー: ロンドン

カムデン・タウンの水辺。(2009年12月10日)

昨日に引き続き、「英国に滞在時に得た写真」を断片的に紹介していきます。

ロンドン中心街からほど近いカムデン・タウン。様々なマーケットが立ち並ぶ若者向けの街。そこには運河が張り巡らせており、サイクリングに最適。

そうやって冬のロンドンを走っていると…

image

運河の堰が開いていきます。何だろうと思って見ていると、

image

屈強な軍人が堰を操作しています。そうして、堰が開いてき…… 現れたのは…

image

紛うことなきスワンボート。なぜ? 軍人とスワンボート? と疑問に思う暇もなく

image

そこに乗り込んでいく軍人さんたち。あまりの出来事にしばし呆然としていると、運河沿いの道から別の軍人が笑いながらやって来ました。曰く

 「もうすぐクリスマスなので、傷痍軍人や退役軍人のためにこうやって人の注目を集め、寄付を募っているんだ」

納得です。このインパクトなら嫌でも目を引きますし、ある種の訓練になります。もちろん、その笑顔の背後に隠された「何かしら寄付しろよ?」という眼力にやられ、1ポンドほど寄付。

世の中、面白いことが一杯あるなぁ、と改めて思いました。

ロンドンのクリスマス。(2009年12月15日)

今日は歯医者の治療で麻酔が効きすぎ、ボーッとしていたので特にやる事もなく。写真を眺めていたら3年前の今日の日付「クリスマスの光景を写真に収めよう」ってんでロンドンを走り回ったときの写真を見つけました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

このツリーは大英博物館で撮影したもの。この中もクリスマス一色という辺り、流石は欧州です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

こちらはトラファルガー広場。ツリーはこの時期に誂えたもの。奥にはネルソン提督とビッグベンがそびえています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

世界的に有名な百貨店、ハロッズ。ここは毎年テーマを決めており、このときは「オズの魔法使いのエメラルドの都」がモチーフでした。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ここはロンドンでも最大の公園、ハイド・パーク。何と、クリスマス限定の遊園地を公園内に作っているのです。他にもジェットコースターや観覧車など、よくぞここまでといった感じです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ぐるっと回ってたどり着いたのはピカデリーサーカス。エロス像がまるで「Snow Dome」のように覆われていたのが印象的でした。

さてはて、今年のクリスマスも10日を切りましたねぇ。

冬が近づくキュー・ガーデンズ(2009年11月13日)

ロンドン郊外に「キュー・ガーデンズ」という大庭園があります。各国から持ち寄った植物の種を育て、「どの植民地で育てれば効率的か」なんていう実験を行った場所でもあります。

イギリスで遊学をしているとき、そこに訪れる機会がありました。

折しも季節は冬が近づく11月半ば。空はとても陰鬱です。

雨や霜の影響で、「瑞々しい枯葉」という面白いものが撮影できました。

しかし、温室の内部は常春。骨身にしみる寒さを一事忘れることができました。

池には睡蓮のような花が咲いています。この日は平日ということもあって、あまり観光客がおらず、ゆっくりと見物することができたわけで。

白黒(ラフモノクロームのフィルター)で撮影した大温室内部。光と影だけでも絵になります。

面白かったのが、売店で売られているハエトリソウの注意書き。

「あなたが蝿でないなら、(ハエトリソウ)のトラップを誘発させないでください。自己消化をしてしまいます。もし、あなたが蝿ならこのメッセージは無視して下さい。…ただし、通過するときは気をつけて」

イギリス的なヒューモアってものに満ち溢れていました。

 

大雪に覆われたロンドンの風景(2010年1月13日)

昨日に引き続き、大雪のロンドンでの風景です。

僕は2009年末~201年のお正月を日本で過ごし、1月の8日辺りに英国に戻りました。成田から飛行機で14時間あまり、いよいよヒースロー空港に着陸すると言うとき「あれ? いつも見慣れた煉瓦色の屋根じゃなくて真っ白だ!」と驚いていた事を記憶しています。僕が日本で過ごしていたときも雪は続いていたのですね。

そこで、ロンドン北部にあるHampstead Heathまで雪景色を眺めに行きました。実はロンドン北部は小高い丘になっており、そこには超高級住宅が建ち並ぶ田園調布みたいな街並みもあります。それこそ、本物の執事やメイドがいるようなお屋敷があるような住宅街です。

件のHampstead Heathは日比谷公園の何倍もあろうかという緑地。公園やら森林やらが広がり、そこを「ロンドン」と呼ぶ事すらはばかられる様な自然あふれる場所。ここなら、中心街とは異なった趣の風景が楽しめるでしょう。

ちなみに、この日のカメラはCanonのIXI Digital 510ISを利用しました。

[撮影場所:Hampstead Heath 露出時間:1/160秒 F値:2.8 絞り:2.97 ISO感度:80]

まるで映画のワンシーンの様な光景がそこにはありました。足跡がほとんどない並木。モノトーンで構成されているみたいです。

[撮影場所:Hampstead Heath 露出時間:1/200秒 F値:5 絞り:4.66 ISO感度:80]

雪の白さに溶け込んでいるかの様なお屋敷。かつての貴族の荘園館であり、現在は建物全体が博物館として保存されています。建物の窓から見るロンドンの風景はまた格別でした。

[撮影場所:Hampstead Heath 露出時間:1/250秒 F値:2.8 絞り:2.97 ISO感度:80]

湖のような池。水面が凍った後にも雪が降り積もっているため、一種独特の灰色の世界。完全に雪で覆われたら、誤って進入し氷を突き破ってしまうかもしれませんね。

[撮影場所:Hampstead Heath 露出時間:1/100秒 F値:4 絞り:4 ISO感度:80]

まさか、イギリスで水墨画的な風景が拝めるとは思ってもみませんでした。ほぼ白黒の濃淡で厳とした寒さが際立っています。それから30分ぐらい歩き――というか彷徨い、どうにかバス停のある街道まで出ようというその時にちょっとしたものが目にとまりました。

[撮影場所:Hampstead Heath 露出時間:1/125秒 F値:2.8 絞り:2.97 ISO感度:80]

それは花のつぼみ。雪を布団にして冬の寒さを堪え忍んでいるよう。春の訪れを待っているのは、なにも人間だけじゃなかったということですね。

大雪に覆われたロンドンの風景(2009年12月21日)

「ヨーロッパを大寒波が襲っている」というニュースを耳にし、僕がロンドンで過ごしていた頃(2009年~2010年)の出来事を思い出しました。ロンドンが大雪で覆われた日――2009年12月21日のことを。

[撮影場所:London, Manor House 露出時間:1/15秒 F値:3.5 レンズ焦点距離:18mm ISO感度:800]

日本への一時帰国を間近に控えたこの日、15:00頃から雪が降り始めました。英国は偏西風と北大西洋海流の影響を受け、滅多なことでは降らないとされているのですが、一向にやむ気配がありません。となると「こんな機会はそうそうあるものではない」と厚着をしてカメラを抱えて中心街に繰り出しました。なお、この時に使っていたカメラはOLYMPUSのE-620。18mm-180mmの汎用ズームレンズ一本です。

[撮影場所:London, Trafalgar Square 露出時間:1/10秒 F値:3.5 レンズ焦点距離:18mm ISO感度:800]

地下鉄を利用して訪れたところはロンドンのど真ん中であるトラファルガー広場。トラファルガーの海戦勝利を記念して作られた広場はピカデリー・サーカスにほど近く、ナショナル・ギャラリーが隣接しているということもあり、国内外の人々で大いに賑わいます。ましてや、写真が示すとおりクリスマス用のデコレーションがあるとあっては、寒さなどお構いなしに「レアな風景を見たい」と考える僕のような人たちがたくさんいるわけでして。

[撮影場所:London, Trafalgar Square 露出時間:1/3秒 F値:4.8 レンズ焦点距離:41mm ISO感度:800]

トラファルガーの海戦を指揮していたネルソン提督の銅像を護衛するかのように鎮座しているライオン像。背後のぼんやり光っている円はビッグベンの時計です。日中はこのライオン像にまたがって記念撮影している観光客がとても多いのですが、流石に雪で滑る中、上ろうと考える人はいなかったようです。

そして、また地下鉄を利用してTower Bridge駅に降りて散策すること30分。

[撮影場所:London, Tower Bridge 露出時間:1/10秒 F値:3.5 レンズ焦点距離:18mm ISO感度:800]

「我が意を得たり」という感じのベストショットに巡り会えました。更なるベストショットを求め、テムズ川流域を更に歩いて行きます。

[撮影場所:London, Thames Riverside 露出時間:1/8秒 F値:3.5 レンズ焦点距離:18mm ISO感度:800]

地元の人が雪だるまを作っていました。早速、作った人に「“彼”の写真を撮っていい?」と訊いて快諾され、先のTower Bridgeを背景に記念写真。

と、とてもとても幻想的な風景に巡り会えたことを感謝したのですが…… 何をトチ狂ったのか「乗り換えるのが嫌だからバスを使おう」と考えてしまいます。案の定、市内は大渋滞。1時間で20mも進めばいい方というほどの混雑です。「何十年に一度」という大雪の上、イギリスの車の70%以上がスノータイヤを所有していないのですから、あちこちでスリップが発生。それが更に渋滞に拍車をかけています。

結局、途中でバスを降りて30分かけて僕の住むアパートまでたどり着きました。この日は体の芯から冷えたのは言うまでもありません。

Page 2 of 2

Powered by WordPress & Theme by Anders Norén