筆者のvpsに訪れる攻撃者。基本や最新のトレンドまで多くのパターンがあります。
そんな中、1分の間に大量の情報略取を試みる攻撃者のログがありました。
これらを紹介します。
ログ抜粋
例によって、テロリストに名前を与えないという哲学の元、アクセス者のグローバルIPは晒しません。
[Tue Apr 14 --:--:-- 2026] [security2:error] [client 192.0.2.10] ModSecurity: Access denied with code 404 (phase 1). [msg "[CUSTOM RULE] Host header is a numeric IP address. Blocked immediately."] [hostname "vps.example.jp"] [uri "/"]
[Tue Apr 14 --:--:-- 2026] [security2:error] [client 192.0.2.20] ModSecurity: Access denied with code 404 (phase 1). [hostname "vps.example.jp"] [uri "/.env"]
[Tue Apr 14 --:--:-- 2026] [security2:error] [client 192.0.2.20] ModSecurity: Access denied with code 404 (phase 1). [hostname "vps.example.jp"] [uri "/sendgrid.env"]
[Tue Apr 14 --:--:-- 2026] [security2:error] [client 192.0.2.20] ModSecurity: Access denied with code 404 (phase 1). [hostname "vps.example.jp"] [uri "/web/.env"]
[Tue Apr 14 --:--:-- 2026] [security2:error] [client 192.0.2.20] ModSecurity: Access denied with code 404 (phase 1). [hostname "vps.example.jp"] [uri "/static//etc/passwd"]
[Tue Apr 14 --:--:-- 2026] [security2:error] [client 192.0.2.20] ModSecurity: Access denied with code 404 (phase 1). [hostname "vps.example.jp"] [uri "/static//home/user/.aws/credentials"]
主な略取対象
どのようなファイルを見ようとしているのか?
言語・フレームワークの特定(Configuration Exploration)
- 対象:
/settings.py(Django),/config.js(Node.js),
- 攻撃者の意図:
- サーバの下調べです。フレームワークを特定することでどの脆弱性があるかを調べようとしています。
秘匿情報の取得(Environment Files)
- 対象:
/.env/sendgrid.env/.env.local/application.yml/database.yml(Rails)
- 攻撃者の意図:
- 攻撃者がまず狙う情報です。ここにはデータベースの接続パスワード、SendGrid(メール配信サービス)のAPIキー、アプリケーションのシークレットキーがむき出し/平文で置かれていることが多いです。
- 危険性:
- ここが突破されれば、サーバのデータベースは私物化され、メール送信機能はスパムメール配信の踏み台にされます。
システムの脆弱性(Path Traversal & LFI)
- 対象:
/static//etc/passwd/static//etc/shadow/static//proc/self/environ
- 攻撃者の意図:
- 静的ファイルのディレクトリから、強引にOSの中枢ファイルへ手を伸ばそうとしています。特に
shadowファイルなどは、ログイン情報の心臓部です。
- 静的ファイルのディレクトリから、強引にOSの中枢ファイルへ手を伸ばそうとしています。特に
- 危険性:
/etc/passwdが奪われれば、サーバー内のユーザー一覧が露呈し、次の攻撃の正確な座標を与えてしまうでしょう。/etc/shadowも暗号化されているとは言え、ローカル環境でハッシュ値を割り出されてしまいます。- 特に
/proc/self/environが読めると、実行中のプロセスの環境変数が丸見えになり、壊滅的な被害に繋がります。
- 補足:
/staticこれは、特定のWAF(Webアプリケーションファイアウォール)や、リバースプロキシの設定(Nginxのエイリアス設定の不備など)をバイパスしようとする試みです。正規化の過程で // が / に変換される挙動を悪用し、本来アクセスできないディレクトリの外側へ飛び出そうとしています。
クラウドの鍵の窃取(Cloud Credentials)
- 対象:
/static//home/user/.aws/credentials
- 攻撃者の意図:
- AWS(Amazon Web Services)のアクセスキー。サーバ内にこれを置きっぱなしにしている管理が甘い人たちを狙っています。
- 危険性:
- ある意味で最も危険と言えるでしょう。これを奪われれば、aws資産は攻撃者のビットコイン採掘場に変貌し、管理者の元には天文学的な請求書という地獄が待っています。
ここから分かること
彼らは「置き忘れ」や「甘い設定」を狙っています。
- 初期値だから
- 便利だからとstaticを使う
- 管理が楽だから
などは組織の運用であって、攻撃者はそういうところが絶好のカモにしています。これは、私にも跳ね返る言葉ですが:
「ポーカーを始めて30分が過ぎても誰がカモか分からなければ、あなたがカモだ」
のウォーレン・バフェットの言葉はサーバ管理でも通用するというお話しでした。
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