概要
更新サイクルが3ヶ月と短いものの、無料で利用できるということで愛用しているLet's Encrypt。
デフォルトの暗号化形式がRSAからECDSA方式に変わったようで確認方法でハマりました。
なんとか解決したのでメモを残します。
従来の確認方法
RSA方式での証明書は、以下の
openssl x509 -in /etc/certs/hoge.example.com.crt -noout -modulus | md5sum
# SSL証明書ファイル
openssl rsa -in /etc/private/hoge.example.com.key -noout -modulus | md5sum
# 秘密鍵ファイル
を実行し、それぞれのハッシュ値が合致していることで証明書と秘密鍵の整合性の確認を取ることができています。
ECDSA方式に変わったことでの問題
2023年4月時点で、Let's Encryptのデフォルト暗号化形式がRSA→ECDSA方式に変わっていました。
openssl rsa -in /etc/private/hoge.example.com.key -noout -modulus | md5sum
# 秘密鍵ファイル
を実行すると
139945929635648:error:0607907F:digital envelope routines:EVP_PKEY_get0_RSA:expecting an rsa key:crypto/evp/p_lib.c:469:
といったエラーが出ます。
これでは証明書と秘密鍵の整合性が確認できません。
しばらくGoogleと格闘し、なんとか解決策を見つけました。
ECDSA方式でも証明書と秘密鍵の整合性が確認できるコマンド
まず、鍵がECDSA方式であることを確認。
- 確認コマンド
openssl ec -in /etc/private/hoge.example.com.key -text -noout
# 秘密鍵のパスを指定します
- 確認結果
(略)
ASN1 OID: prime256v1
NIST CURVE: P-256
# 上記が表示されればECDSA方式であると確認できます。
次に、以下のようにして公開鍵を抽出してハッシュ値を割り出します。
openssl x509 -pubkey -in /etc/certs/hoge.example.com.crt -noout | openssl md5
(stdin)= ハッシュ値
# SSL証明書ファイル
openssl pkey -pubout -in /etc/private/hoge.example.com.key | openssl md5
(stdin)= ハッシュ値
# 秘密鍵ファイル
### 2つのハッシュ値が合っていれば証明書と秘密鍵の整合性は取れています
以上、ECDSA方式でも整合性を確認することができました。
余談
この、「鍵を用いて鍵を取り出す」って、『ライザのアトリエ3』で無垢の鍵から秘密の鍵を抽出しているようだなと益体もないことが脳裏をよぎりました。