概要

オープンソースの解析システムであるmatomoをAWS Lightsail上にインストールしました。

参考としたURL

本記事で実施すること

  • AWSサーバに導入されているPHPがサポート終了しているため、7.4から8.1にアップグレードする。
  • Ubuntu 20.04にアクセス解析システム「matomo」をインストールする。
  • その際に常時SSL化を行う。
  • Web画面から初期設定を行う。

※アクセス対象のシステムへの設定は別の記事で紹介します。

前提

  • 既に以下のシステムがWAN環境に揃っていること。
  • Ubuntu 20.04
  • Apache 2.4
  • mysql 8
  • PHP 7.4
  • matomo用のサブドメインを取得していること。
  • それに即した証明書があること。

手順

さっくりとした手順

  1. PHPを7.4から8.1にアップグレードする。
  2. MySQLのDBとユーザを作成する。
  3. ディレクトリにmatomoプログラムを配置する。
  4. Apache設定ファイルを作成し、常時SSLで接続できるようにする。
  5. matomoサイトにログインできることを確認する。
  6. matomo Web画面で初期設定をする。

PHPのアップグレードを行います。

sudo apt-get --purge autoremove php*

sudo aptitude install php8.1
sudo aptitude install php8.1-{opcache,pdo,bcmath,calendar,ctype,fileinfo,ftp,gd,intl,json,ldap,mbstring,mysql,mysqli,posix,readline,sockets,bz2,tokenizer,zip,curl,iconv,phar,xml,dev}
sudo aptitude install php8.1-apcu
sudo aptitude install php8.1-memcached

sudo systemctl restart apache2.service

php -v
# PHP 8.1.14を確認しました。

PHPアップグレード後、PHPを動かしているサーバ内のサイトが正常に動くことを確認しました。

データベースを作成します。

sudo mysql -u root -p
CREATE DATABASE matomodb;
CREATE USER 'matomouser'@'localhost' IDENTIFIED BY 'password';
/* パスワードは自身の環境に合わせ、強固なものを設定してください */
GRANT ALL ON matomodb.* to 'matomouser'@'localhost';
FLUSH PRIVILEGES;
EXIT;

matomoプログラムをディレクトリに配置します。

cd /tmp &&pwd
# tmpにいることを確認します

wget https://builds.matomo.org/matomo-latest.zip

unzip matomo-latest.zip

sudo chown -R www-data:www-data matomo

sudo mv matomo /var/www/html/
# 今回は/var/www/htmlに配置します。

ls -ld /var/www/html/matomo
# 該当ディレクトリにファイル一式があることを確認します

Apache設定ファイルを作成します。

  • 【】内を自分の環境に合わせます。
  • コマンド一式をコピー → 別のエディタにペースト
  • その後、【】内を自分の環境に修正してコピー
  • コマンド一式をSSHクライアントに貼り付ける
cat <<- __EOF__ | sudo tee -a /etc/apache2/sites-available/matomo.conf
<VirtualHost _default_:80>
ServerName 【設定したドメイン名】
 RewriteEngine On
        RewriteCond %{HTTPS} off
        RewriteRule ^(.*)$ https://%{HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [R=301,L]
</VirtualHost>

<VirtualHost *:443>
    ServerName 【設定したドメイン名】
    CustomLog 【/var/log/matomo/matomo_access.log combined】
    ErrorLog 【/var/log/matomo/matomo_error.log】
    # アクセスログとエラーログは自分の環境に合わせて設定します。

    DocumentRoot /var/www/html/matomo
    <Directory /var/www/html/matomo>
        Options Indexes FollowSymLinks MultiViews
        AllowOverride All
        Require all granted
    </Directory>

  SSLEngine on

    Protocols h2 http/1.1
    Header always set Strict-Transport-Security "max-age=63072000"

SSLCertificateFile 【SSL証明書のファイルパス】
SSLCertificateKeyFile 【SSL秘密鍵のファイルパス】
# SSLCACertificateFile 【SSL中間証明書のファイルパス】
# 中間証明書が発行元から別ファイルで提供されている場合は、この直上をコメントアウトして中間証明書を指定します

</VirtualHost>

SSLProtocol             all -SSLv3 -TLSv1 -TLSv1.1
SSLCipherSuite          ECDHE-ECDSA-AES128-GCM-SHA256:ECDHE-RSA-AES128-GCM-SHA256:ECDHE-ECDSA-AES256-GCM-SHA384:ECDHE-RSA-AES256-GCM-SHA384:ECDHE-ECDSA-CHACHA20-POLY1305:ECDHE-RSA-CHACHA20-POLY1305:DHE-RSA-AES128-GCM-SHA256:DHE-RSA-AES256-GCM-SHA384
SSLHonorCipherOrder     off
SSLSessionTickets       off

SSLUseStapling On
SSLStaplingCache "shmcb:logs/ssl_stapling(32768)"
# これらのセクションはSSL暗号化強度を高めるための記述です
# </VirtualHost>の外側に書くことにご注意ください
__EOF__

設定を反映します。

cd /etc/apache2/sites-available && pwd
# 対象ディレクトリにいることを確認します

sudo a2ensite matomo.conf

sudo apache2ctl configtest
# Syntax OKを確認します

sudo systemctl restart apache2.service

ブラウザで

https://【matomoを設定したドメイン名】

にアクセスし、初期画面が出ることを確認します。

初期インストール画面の設定

「次へ」をクリックします。

全てチェックされていることを確認して「次へ」をクリックします。

◎データベースを設定します。

  • ログイン: MySQLのユーザー(matomouser)
  • パスワード: 設定したパスワード
  • データベース名:作成したDB (matomodb)

をそれぞれ入力し、「次へ」をクリックします。正常に入力されれば「テーブルを作成されました」とデルので「次へ」をクリックします。

◎スーパーユーザーを設定します。

  • スーパーユーザーログイン:ログインするユーザー名
  • パスワード:ログイン時のパスワード
  • パスワード(再入力)
  • メールアドレス

をそれぞれ入力して「次へ」をクリックします。

◎アクセス解析を行うウェブサイトを設定します。

  • アクセス解析対象のウェブサイトの名前
  • ウェブサイトのURL (このmatomoサイトではなく、アクセス解析を行いたいWebサイト)
  • ウェブサイトのタイムゾーン
  • eコマースか否か

を設定して「次へ」をクリックします。

これらを設定後、トラッキングタグが表示されます。これらを控えて「次へ」をクリックします。

「おめでとうございます!」と表示されればインストールの一連の作業は完了します。