今まで機会がなかったのでボードゲームカフェの方にインストいただき、その場で購入しました。
- わかりやすいルール
- 拡大再生産の楽しさ
- 得点争いの駆け引き
がギュッと詰まった、「定番と呼ばれるだけには理由がある」と実感したボードゲームです。
概要
プレイヤーはルネサンス期の宝石商人として
- 資本となる宝石を手に入れつつ
- 鉱脈/職人/流通経路を購入(あるいは予約)し
- 目抜き通りに宝飾店を構える
ことで自分の商売を発展させていきます。発展の度合いによっては貴族が訪問し更なる威信が得られることでしょう。
そうして、誰かが自らの威信ポイントを15にしたらゲーム終了のトリガー。最終的に一番威信を得られた宝石商が勝者となります。
良かったと思った点
シンプルで美麗なコンポーネント
- カード
- 貴族タイル
- 宝石トークン
のみの潔いコンポーネントはいずれも視認性が高く、宝石トークンの程よい重さもゲームへの没入感を高めてくれます。
分かりやすく言語依存のないルール
手番で行うことは1つのみ。
- 宝石を得る。(無条件で3枚の違う色の宝石トークンを得る or 条件が許せば同じ色の宝石トークン2枚を得る)
- 発展カードを購入する。
- カードを確保し、黄金トークン(ワイルドカード)を入手する。
手番後に
- 宝石トークン(黄金トークン含む)が11枚以上ないか
- 貴族タイルを受け取ることができるか
- 終了条件(威信ポイント15以上)を充たしているか
の3点を確認して手番終了。
カード自体も数字とアイコンが描かれているだけですので、インスト→ゲームへの移行もスムーズです。
確保によるインタラクション
上記の「確保」がゲームの完成度を高めていると思いました。
場にあるカード(または山札の一番上のカード)を手元に置くことで、他の人はこれ以降このカードを得ることができません。それだけではなく、ワイルドカードとして黄金トークンまで得られます。
このシステムにより、
- 相手が取るであろう次のカードをカットする
- 逆にカットされないよう先取りしておく
読み合いが生まれます。序盤の生産基盤、中盤以降の得点をカットすると、汎用性がとても高いアクションに感動しました。
発展カードによる拡大再生産
一度手に入れた発展カードはこれ自体が「宝石トークン」として機能。
場に発展カードが揃っていれば宝石トークンを入手するアクションを取ることなくカードを手に入れることが可能になり、そのカードによってまた別のカードを手に入れる……。
単純なシステムながら拡大再生産サイクルの構築が小気味よいゲーム速度を醸し出しました。
ゲーム中盤以降の得点争いを見据えたセットコレクション
ある程度生産基盤が高まってくると、「いかにして得点を稼ぐか」が必要になっていきます。先述した「確保」システムによって読み合い、取り合いは更に熾烈なものになります。
- 条件がやや緩いが有限の貴族タイルを狙うか
- 条件が厳しいけれど一発逆転も可能なレベル3の発展カードを狙っていくか
の戦略基準が求められました。
やや難点だと思ったところ
ターン/ゲーム終了時のチェックを忘れがち。
「ボードゲーム初心者にも楽しめる」は既に書かれている方々が指摘している事項。ですが、
- 宝石トークン(黄金トークン含む)が11枚以上ないか
- 貴族タイルを受け取ることができるか
- 終了条件(威信ポイント15以上)を充たしているか
は存外気づきません。(特に最初にプレイしている方)なので、不慣れな方が同卓している時は上記をターン終了時に確認しておくといいと思いました。
まとめ
- わかりやすく覚えやすいシステム
- 拡大再生産の魅力
- セットコレクションを見据えた戦略
に加え短期/中期/中期目標も狙いやすいゲーム性。
「これは定番」って納得した次第です。ほぼ公開情報のために感想戦が楽しかったです。
全てのコンポーネントをスキッとまとめられるインサートがビルトインされているのも好み。
当初はなんとなく敬遠していたゲームでしたが、今後はボドゲ会の友として活躍してくれることは間違いない「定番」ゲームでした。