ソロプレイでの感想です。派手なコンポーネント通りに楽しめる要素と、状況とカードに応じたディシジョンメイキングが痺れる作品となっていました。
基本的な流れは船を模した個人ボードに猫や宝物のタイルを配置するだけ。そこそこボードゲームをプレイしている方なら
『テラフォーミング・マーズ』のような要領でカードを入手し『パッチワーク』みたいにタイルを配置する
と言えばイメージしやすいかと思います。
プレイ感はとてもカジュアルなのに
- ボードにターンの流れや得点計算が詳細に書かれているので迷いにくい。
- ゲーム中に引っかかったルールは「バスケット」のルールぐらい整備されたマニュアル。
- 言語依存が高いにもかかわらず色枠で種類が明確に示されているので、ドラフトの基準を立てやすいカード群。
- 失点の要素も緩く、それをカバーするような課題カードによりパズルが苦手でも挽回可能。
と戦略性は高め。特に毎回訪れる「カードを取るか? 猫の救出を最優先するか?」の判断の悩ましさは本ゲームの特筆すべきストロングポイントです。
ソロゲームは「姉」を相手に戦います。ターンごとにセットコレクションが弱くなっていき、課題も示されているから戦略の見通しは立てやすくなっています。
課題の多さにより難易度が自由に調節できるのも素晴らしいところ。
逆に、
- 明らかにカードの強さに差がある。
- 特定のタイルが混ざってしまうと収納が大変
という難点はあります。(特にノーマル宝物と特殊な猫オシャックス)
アートワークが猫に満ちあふれているのは言うまでもありません。
「ゲーム中に実際の猫を“収納”できる裏蓋の注意書き」など、デザイナーの猫への愛があふれてやまない一本。
没入感が異様に高いので、重量級寄りの中量級でありながら体感時間はあっという間でした。