「ヨーロッパを大寒波が襲っている」というニュースを耳にし、僕がロンドンで過ごしていた頃(2009年~2010年)の出来事を思い出しました。ロンドンが大雪で覆われた日――2009年12月21日のことを。
[撮影場所:London, Manor House 露出時間:1/15秒 F値:3.5 レンズ焦点距離:18mm ISO感度:800]
日本への一時帰国を間近に控えたこの日、15:00頃から雪が降り始めました。英国は偏西風と北大西洋海流の影響を受け、滅多なことでは降らないとされているのですが、一向にやむ気配がありません。となると「こんな機会はそうそうあるものではない」と厚着をしてカメラを抱えて中心街に繰り出しました。なお、この時に使っていたカメラはOLYMPUSのE-620。18mm-180mmの汎用ズームレンズ一本です。
[撮影場所:London, Trafalgar Square 露出時間:1/10秒 F値:3.5 レンズ焦点距離:18mm ISO感度:800]
地下鉄を利用して訪れたところはロンドンのど真ん中であるトラファルガー広場。トラファルガーの海戦勝利を記念して作られた広場はピカデリー・サーカスにほど近く、ナショナル・ギャラリーが隣接しているということもあり、国内外の人々で大いに賑わいます。ましてや、写真が示すとおりクリスマス用のデコレーションがあるとあっては、寒さなどお構いなしに「レアな風景を見たい」と考える僕のような人たちがたくさんいるわけでして。
[撮影場所:London, Trafalgar Square 露出時間:1/3秒 F値:4.8 レンズ焦点距離:41mm ISO感度:800]
トラファルガーの海戦を指揮していたネルソン提督の銅像を護衛するかのように鎮座しているライオン像。背後のぼんやり光っている円はビッグベンの時計です。日中はこのライオン像にまたがって記念撮影している観光客がとても多いのですが、流石に雪で滑る中、上ろうと考える人はいなかったようです。
そして、また地下鉄を利用してTower Bridge駅に降りて散策すること30分。
[撮影場所:London, Tower Bridge 露出時間:1/10秒 F値:3.5 レンズ焦点距離:18mm ISO感度:800]
「我が意を得たり」という感じのベストショットに巡り会えました。更なるベストショットを求め、テムズ川流域を更に歩いて行きます。
[撮影場所:London, Thames Riverside 露出時間:1/8秒 F値:3.5 レンズ焦点距離:18mm ISO感度:800]
地元の人が雪だるまを作っていました。早速、作った人に「“彼”の写真を撮っていい?」と訊いて快諾され、先のTower Bridgeを背景に記念写真。
と、とてもとても幻想的な風景に巡り会えたことを感謝したのですが…… 何をトチ狂ったのか「乗り換えるのが嫌だからバスを使おう」と考えてしまいます。案の定、市内は大渋滞。1時間で20mも進めばいい方というほどの混雑です。「何十年に一度」という大雪の上、イギリスの車の70%以上がスノータイヤを所有していないのですから、あちこちでスリップが発生。それが更に渋滞に拍車をかけています。
結局、途中でバスを降りて30分かけて僕の住むアパートまでたどり着きました。この日は体の芯から冷えたのは言うまでもありません。