以前ご紹介した『クラウド時代のハイブリッド手帳術』。その中に、下記の文章がありました。
自分なりの着想や発想は、オリジナリティの源です。他の人でも調べれば見つけられるインプットメモとは違った重要性を持ちます。
さらに、「一度失われてしまうと、二度と再会できない」という点においてもメモを残しておく重要性は高まります。人はいろいろなことを考えますが、その大半を忘れていきます。そして、「何かを考えた」という事実そのものまでも忘れていくので、自分が忘れていることに気がつきません。せっかく新しいアイデアにつながる着想であっても、それを書き留めておかなければ、こぼれ落ちる砂のように簡単に失われてしまいます。
着想とは一期一会の気持ちで付き合い、会った記念に写真を撮影するように、メモして残しておく必要があります。
これは実際その通りなのですが「そのためには、どこでもメモを残せるような仕組み」を整えておく必要があると実感しました。さて、どうしたものかと思いあぐねいていると――サラリーマンになって数年経つか経たないかと言うときに「リールホルダと携帯用ボールペンを組み合わせたどこでも筆記システム(腰リールとGTD)」を愛用していたことを思い出しました。
非常に使い勝手が良かったことは覚えているのですが、肝心要の「携帯できるボールペン」であるペンポッドが発売中止になっていたと言うことで使うのをやめ、現在に至っていたと。
このシステムをどうにかして2012年に用意できるグッズで構築できないか? とロフトや東急ハンズ、百均などを巡り以下の道具をようやく発見。
- 単語カード(百均で見つけたインデックス付き)
- 腰リール(東急ハンズで発見、カラビナなのでベルト穴だけでなく鞄の中にも取り付け可能
- ゼブラ・ワークダッシュ(握るだけでペン先が出てきて、離すと収納。しかもリングと本体は分離可能)
- ストラップ用ひも(百均で購入。脱着可能なもの)
特にワークダッシュを東急ハンズで見つけた時は衝撃が走りました。これこそ、2012年に甦ったペンポッドなのだと。小さくても握りやすさは満点ですし、158円と安価だったので迷わずに購入。
そうして、これらを組み合わせて――
2012年版の「腰リール」です。この「どこでも筆記システム」の利点は、先にご紹介した「腰リールとGTD」にそのまま書かれているとおりです。即ち
情報を永続化するまでのタイムラグが大幅に減ります。やることが
- 何かを聞く、思い付く
- 腰から単語帳を引っぱってくる
- 書き込む
- 手を放す
だけだからです。
思い付いたことや聞いたことをすぐに書き取れるようになるので、忘れないように努力するのではなく、安心して忘れることができるようになるわけです。結果として脳の負荷が減り、心配事が減っていきます(何でも書いておくので結果として仕事が増えた感じがしますが、嬉しい副作用でしょう)。脳内だけで保っておく情報を可能な限り減らすことが個人の生産性に大きく寄与する、というのがGTDの基本的な考え方です。
僕は特に忘れやすい性質なので、こういった「フールプルーフ的なシンプルな仕掛け」というのは重要だなと感じ、こんなシステムを「発掘」した次第です。