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スイス旅行記3日目-5:クライネ・シャイデック(2009年6月24日)

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アイガー・クレッチャー駅からクライネ・シャイデックまでハイキングと洒落込むことにしたわけで。駅舎には山小屋が併設されていて、観光客のベースキャンプにもなっているみたいです。

それにしても、眩しいぐらいのいい天気で「この日が到着した時みたいな曇り空じゃなくて本当に助かった」と思うことしきり。

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登山列車のレールはむき出し。踏切もフェンスもあったものじゃありません。人通りの少なさがなせるのか、はたまた景観の邪魔だからなのでしょうか。風もほとんどないため、格好のハイキング日和の中、ゆっくりと下っていきます。

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眼下にはクライネ・シャイデック駅がミニチュアのように見えています。穏やかでのどかな光景。しかも、この天気の中のこの地方は「どこをどう撮影しても絵葉書になる」詐欺のようなロケーションです。

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そんな中で、この旅行中の――否、2009年でもベスト5には確実に入るベストショットを撮影しました。手前の花、奥のユングフラウ、その間の草原や線路など構図も全て決まりました。この写真を撮るためにここまで来たといっても過言ではありません。事実、これをデジカメのプレビューで見た時にガッツポーズが出たほどです。

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その後も絵葉書ショットは続きます。見てお分かりのように、この写真は線路を「横切りながら」撮ったもの。

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この中をサイクリングしている人たちも発見しました。当時は「あ〜、こんなところでも乗れるんだ」みたいに思っていましたが、今なら「羨ましい」と思ういます。

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先ほどまで乗っていたユングフラウヨッホへと向かう電車を目の当たりにしました。ということは、駅はもうすぐですか。

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果たせるかな、歩きはじめは遥か遠くに見えていた駅がカフェの様子を見ることができるほど近づいてきました。この写真を見ると、当時の空気を思い出すかのような錯覚に陥ります。

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そんなこんなでクライネ・シャイデック駅に到着。まだまだ時間はあります。次なるハイキング先へと向かうことにしました。

(続きます)

スイス旅行記3日目-2:クライネ・シャイデック 〜 ユングフラウヨッホ

クライネ・シャイデック駅で乗り換え、ユングフラウヨッホ駅に向かう電車を待ちます。

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赤い車体が特徴的。ここから富士の8〜9合目に近いところまで電車で登っていくわけです。

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車内は今までとは異なり近代的。高度2〜3000メートルを耐えるための空調設備がしっかり整ってる感じです。なお、ここからは先だっての「ベルナー・オーバーラント周遊パス」の対象外。割引価格とはいえ50フラン(当時で4500円ほど)取られました。尤も、インターラーケン 〜 ユングフラウヨッホを普通に往復しただけで100フランはするのですから、良心的と言えます。

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列車は万年雪に覆われた山脈の「内部」をゆっくりと登っていきます。上の写真の三角の頂きが目指す場所、ユングフラウ。ちなみに、山の名前が「ユングフラウ」であり、駅が「ユングフラウヨッホ」です。

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長く、暗いトンネルに入る前で待機していたラッセル車。ユーモラスな顔が特徴的。そして、電車はくり抜かれたトンネルに入り、途中駅に到着しました。

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2865mのアイガーワンド駅。想像の域を出ませんが、このトンネルを作るときの「途中に設けられた拠点」としてちょっとしたスペースを作り、その名残が駅として残っているのでしょうね。

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山の中の「駅」というよりも「秘密基地」といった趣のスペース。当然のように空気が薄く、ひんやりとしています。

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外壁にはアクリルの窓が設けられており、雄大な、余りにも雄大なアルプスのパノラマを目の当たりにできました。翌々考えたら、普段着にほぼ近い格好で4000メートルはある山の頂上付近まで行く事ができるのです。そう考えたら、値段云々を言うのが馬鹿らしくなってきました。

そして、列車は順調にトンネルを登っていき(高地特有のキーンとした耳鳴りもありました)、ついに

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ユングフラウヨッホ駅にたどり着きました! 「TOP OF EUROPE」の文字が燦然と目に付きます。

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なんと、駅にはプラットフォームがありません。「作れない」というのが実情でしょうけれど。それにしても「空気の薄さ」が実感としてわかります。「高山病に注意して、ゆっくりと動きましょう」的な文がガイドブックにも書かれていました。

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展望台に入ってすぐの場所に、どこか懐かしさがある建造物が。富士山五合目の郵便局と姉妹提携を結んでおり、その記念として寄贈された赤ポストだとか。もちろん、普通のポストとして使うことができ、ここから投函すれば記念消印付きで各地に郵送されるという次第。

明日の日記は、「ヨーロッパの頂上」の絶景を2日ぐらいに亘ってご紹介する予定です。

(続きます)

スイス旅行記3日目-1:インターラーケン 〜 クライネ・シャイデック(2009年6月24日)

ほぼ完徹だったチューリッヒ〜インターラーケン。 夕飯にやや難があったものの泥のように眠って体調はどうにか全快。

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朝ごはんはチューリッヒの時よりも豪華です。パン・ハムに加えて果物も用意されていたのですから。ただ、パンはゴワゴワしています。その理由はスイスの「国民皆兵」にあります。有事に備えて新しい小麦は常に軍隊に回されるため、一般市場に出回るのは1年が過ぎたものが使われているとか何とか。

ともかく、今日の目的は欧州最高峰の「ユングフラウ」の頂を電車で一気に登る長丁場。しっかりと栄養を取って情況を開始します。

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雲の中にいるようだった前日とは打って変わって、この日は快晴! アルプスの山々がとてもクリアに見えます。「ここぞという時の天候運には愛されている」自負がある僕です。この空を見て「今日はいい日になる」と確信しました。

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インターラーケンからユングフラウヨッホ駅に向かうにはその麓であるクライネ・シャイデック駅に向かう必要があります。そのルートは日本人宿泊者が最も多い「グリンデルワルド」を通るルートと、一種独特の滝で有名な「ラウターブルンネン」を通るルートの2種類。今回はグリンデルワルド経由を使います。

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車窓からちょっと驚きの光景。「清流」とはとても言い難い濁った激流です。その理由は、ここが「氷河直近だから」です。岩をも削る氷河の雪解け水が凄まじい勢いでここまで流れている次第です。因みに、この旅行では氷河の凄さを3回ほど体験するのですが、それはその時にお話します。

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列車は結構な斜度をものともせずに登っていきます。様々な緑色を持った森や牧草地が目に痛いぐらいです。そして、車窓の景色を楽しみ――

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乗換駅であるグリンデルワルドでクライネ・シャイデック駅を目指します。6月後半という「本格的な旅行シーズンの前」なのに、ホームは日本人のツアー客でいっぱい。そう言えば、トップシーズンはそれこそ動く隙間がないほどの人で埋め尽くされていましたっけ。

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今度の列車は鮮やかな黄色が特徴的。それにしても、この空の青さが本当に素敵。この何気ない一枚で絵葉書のように見えるのですから……。

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乗車率はそれなりに。日本の通勤列車が豪華に見えるほどの質素な作りです。急勾配を登っていくのですから、軽量化する必要があるといえばそれまでですが……。

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高度は一段と増してきますが、そこで生まれ育つ牛がゆったりと草を食んでいました。移動しながらこんな素晴らしい景色が拝める。電車の旅の醍醐味です。

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そうして、第二のチェックポイントクライネ・シャイデック駅に到着です。高さは富士の五合目とほぼ同じ。そんな場所に鉄道駅をはじめとして観光街が形成されているのですから、驚きは尽きません。

明日の日記では、いよいよ「ヨーロッパの頂上」ユングフラウヨッホまでの光景をご紹介です。

(続きます)

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