カテゴリー: 読書メモ

訪れていた『聖地』。(漫画『ぱすてる』一括購入)

今週の日曜日―― Kindleセールでまとめ買いした漫画『ぱすてる』44冊。

「尾道を舞台にしたラブコメ」というふんわりとした情報しか与えられなかったのですが、中身を読んで驚愕しました。

尾道への解像度

すでに訪れたところが作中の至るところに描かれていました。

  • 尾道水道のパノラマ
  • 路地裏
  • 千光寺公園の山道
  • ロープウェイ
  • 商店街
  • etc..

全てが緻密なスケールで描写されているのには本当にびっくりでした。

漫画感想

元々、尾道は「千光寺公園の一望」に惹かれ、度々訪れていた思い出の地。

そんな場所で

  • 心温まるストーリー
  • 繊細なキャラクター描写
  • 絶妙な空気感

などに更に感動。「尾道が舞台」ってだけで手にする理由はあったはずなのにリアタイしなかったことが悔やまれます。

今年、なんとしてでも尾道に旅行したいと決意をしたほどです。

2020年8月25日のZENタイル。

平日にしては珍しく、まんべんなく碁石が置かれた日となりました。

朝、何かと話題になっていた『宇崎ちゃんは遊びたい!』を一気読み。テンポもよくてコマ割りも丁寧。ストーリーもいい感じなので、これは買って正解でした。

仕事でネガティブなこともありましたが、カバーできる算段がたったので問題なし。

そして、ちょっとした小ネタを発見しました。新たな翻訳フォーマット「DeepL翻訳」で

「みなさんお待ちかね!」を

Ladies and gentlemen, you've been waiting for this!

https://www.deepl.com/ja/translator#ja/en/%E3%81%BF%E3%81%AA%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%8A%E5%BE%85%E3%81%A1%E3%81%8B%E3%81%AD%EF%BC%81

と、原文の意をくんで訳せたことに感激でした。

Google翻訳がこれなのですから、ある種の時代の転換点を見ているような気分。そんな希“望”を見た火曜日でした。

【書評】漫画版『鬼平犯科帳 19巻』(文藝春秋情報出版・さいとう・たかを/池波正太郎)

数日前、図書館に漫画版の『鬼平』が置いてあったので読んでみたという次第。

僕が池波正太郎の名を知ったきっかけは、12年以上前に英国で滞在していたとき、たまたま見つけた『剣客商売』の文庫本。イギリスの(お察しください)な食事事情のため、氏が描写する「今にも、その料理が手元にあるかのような……」食べ物の風景に悶絶した覚えがあります。

それから『散歩の時に何か食べたくなって』などのエッセイ集、『おもしろくって、ありがたい』に代表される短文集を散発的に購入して池波氏の文章から伝わる「生き様」や「仕事のありよう」などのいわゆる池波的“ダンディズム”に憧れています。

それはさておいて、本のレビューというか感想は以下。

『剣客』

落ちぶれた浪人風の剣客が

「これでも…… 俺は、剣術使いだ……。だからよ、剣術使いのなれの果てが、どうしても意地を通したかった…… までの事だ……」

と言っていたので、「その道に生きるもののサガか」と思いながら読んでいると、単なる逆恨みと判明して若干がっかりでした。

下手人の一味を追い詰める長官(おかしら)の台詞回しや行動がいちいち格好よかったです。また、殺陣の描写に凄まじいまでの躍動感があるのは流石の大御所さいとう・たかをの成せる技でした。

『盗賊婚礼』

「“本格”の盗みに努める盗賊のお頭とそれを理解しない手下」「ひょんな事から盗賊一味の顔が割れる」という、鬼平にはありがちのパターンでした。しかし、その中にとても印象に残った言葉があります。

「然しながら、金は人間を活かすために使ってこそ意味のあるもの!」

池波正太郎先生の金銭感覚というか「金銭観」はこれに集約されていると思います。『剣客商売』の中にも「(秋山小兵衛)先生はお金を自分の召使いのように使いこなしていなさる」みたいな表現がありますし。

漫画でここまで面白いのですから、小説を通しで読むときのおもしろさ、読了したときの喜びは格別でしょうねぇ……。 時間のある今だからこそ通しで読んでいきたいものです。

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