コンポーネントやアートワーク、そしてシステムまで含めて「紫陽花」を体現したボードゲームです。
【ゲームシステム】
完全なアブストラクト。「6色オセロ」と思っていただければ分かりやすいです。
プレイヤーは3色(3人の場合は2人)の花コマを持ち、手番ごとに花コマをプレイシートに置いていきます。
両端を同じ色ではさむことで間の色が変わるのは通常のオセロと同じ。そこに紫陽花らしく色移ろいなるフィーチャーが加わります。
花コマを置いた後、隣接するコマの色が
- 桃の隣に赤を置いた:隣接する桃の花が赤に変わる
- 赤の隣に橙を置いた:隣接する赤の花が橙に変わる
と言った具合にグラデーションのように変化。
こうして全てのマスをシートに置ききったらゲーム終了。シート内の花の数を数え、一番多い花を担当しているプレイヤーの勝利となります。
【素晴らしいと思ったところ】
[完全一致のアートとシステム]
- ゲームシステム
- コンポーネント
- アートワーク
- ルール
のどれをとっても「紫陽花」。局面によって移りゆく花の色も、完成した盤面も紫陽花。
[角を取っても安心できないルール]
オセロと異なり、隣接する花の色が伝播。これによって一つの角をとっても取り返されて逆転されるケースが多々発生しました。
[有限の花の色]
担当する花の色はそれぞれ13個で固定。この花の色を使い切ったとしても「オセロのように挟まないと変わらない白の花」に置換されることで、逆に置きすぎるリスクが発生。 そして、色に強弱が存在するので
「こっちを置きすぎたから他の色を活かすには」 「その上で担当する花が一番多くなるには」
といったリソース管理が悩ましいものになります。
[変化を見越したジレンマ]
上述するルールによって、
「今置けば確実にこの場は支配できるけど次にこれを打たれるからビッグアクションはできない」 「逆転されそうだけどここに花を置いておけば後々取り返せる」
といったジレンマに終始悩まされます。
【やや残念だと思ったところ】
[アブストラクト特有の実力差]
運が絡まないゲームの宿命です。明らかに実力差があるという場合は勧められません。
【まとめ】
- とても映える盤面
- イメージしやすいルール
- サクサク終わるのにジレンマ満載
と、花言葉「移り気」を含めて紫陽花を再現した見事なゲームです。