やることはとても単純。「条件を満たした場所に家を置くだけ」なのに、様々な相互作用が絡み合い、得も言われぬプレイ感を出していました。
プレイヤーはラグーザ(現ドブロブニク)の建築家として、街の発展に誰よりも寄与することを目的としています。
家を置くことで得られるものは
- 各種資源の獲得
- 加工物の生産
- 市壁や塔の建築
- 交易
と、わりかしオーソドックスなものですが、ここに、このゲームならではの特徴「都市部の周囲3ヘックスの、先に置かれている家も同じ効果を得てしまう」が、強烈極まりないインタラクションやジレンマを醸し出しています。
例えば、加工品を消費して交易品を得る「Market」アクションを発動するために家を置くと、既にMarketが置かれている家を持っているプレイヤーも同じ行動が連鎖していきます。
そのヘックスを占有しようとしても「同じエリアに置こうとするときには別途追加コストが必要」なルールがあるため、資源を生産する地方にも家を置く必要があるわけで。
また、勝利点を得る方法も
- 交易
- 加工品の売却
- 市壁の建築度合い
- ゲーム終了時に得られる各種加工品の組み合わせ
- ボーナスカード
色々とあるものの、どの方法も先行有利。
「相手が狙っていないところで、いかに効率よく稼いでいくか」
ジャンルとしてはワーカープレイスメントですが、
- 配置したものが帰ってこない
- 運の要素が船やボーナスカードぐらい
ことを考えるとパズル寄りのアブストラクトかなと言う印象です。(特に、ソロプレイの場合は「相手がどこに駒を置くか」が予め明示されておりますし、「次に置く駒」がある程度見えてしまうので、強いアクションに先んじて家駒を置いてしまえば2対1でも負けることはないかなと思いました。
何よりも、家と塔と壁、後は船カードぐらいしか盤面に並ばないのにゲーム終了時に立ち並ぶ見事な光景。