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デザイナーのファンであることと、気軽に遊べそうなプレイ時間に魅力を感じて購入。4人でプレイしての感想です。
言語依存のないコンポーネントとシンプルながらイメージしやすいルールで、短時間のプレイでもジレンマや劇的な逆転劇を楽しめる作品でした。
ゲーム概要
本作はエレベーターホールを舞台にしたカードゲームです。
プレイヤーは、エレベーターに乗り込もうとする家族たちを配置していきます。最終的にうまくエレベーターに乗れた家族を担当するプレイヤーが勝利するというルールです。
ルール概要
- 手札のカードを規則に従って配置します。
- 割り込みルール(例:男子は母の前に割り込むなど)により、順番が変化します。
- 迷子やカフェのルールにより、列が後方にずれたり、家族が消えたりします。
- 山札からカードを1枚補充します。
- この手順を続け、各プレイヤーの手札が1枚になったらラウンド終了し、得点計算を行います。
- 3ラウンド終了時に最も得点の高いプレイヤーが勝利します。
このゲームの素晴らしい点
言語依存のないコンポーネント
ルール説明(インスト)がしやすく、幅広いプレイヤー層に対応できます。
ドラスティックな足きりと加点
得点計算時、エレベーターカードの前に並んでいる3~4人しか得点できません。
そして、得点圏内の後ろに滑り込めた家族ほど高得点を得られます。
さらに、特定の家族(父、祖父など)が指定されている場合は得点が倍になります。
このため、早取りが有利かと思いきや、以下の要素が本作をより深いものにしています。
割り込みによる戦略性
- 女子→男子の前に並ぶ。
- 男子→母親の前に並ぶ。
等の割り込みルールが存在するため、順番が頻繁に変わります。自分の担当する家族を優先させたり、得点圏内にいる他プレイヤーの家族を妨害したりと、読み合いが白熱します。
カフェと迷子のジレンマ
同じ種類の家族が3人並ぶと、列から消えて得点レースから外れます(同年代が意気投合してカフェに行ってしまうイメージ)。
迷子が列に加わると、その色の家族全てが後方に移動します(家族全員が迷子を探すイメージ)。
これらのルールにより、最後まで気の抜けない展開が続きます。
自分の担当する色以外の配置の影響
割り込みルールによって他プレイヤーを利する可能性もあるため、終盤ほど手番の重みが増します。
気になった点
言外のルールがやや分かりづらい
例えば、カフェに行ってしまった家族が1点(迷子は2点)になることや、迷子はエレベーターに乗れたとしても0点になることが最初は分かりにくかったです。
収納面の問題
カードをスリーブに入れると、オリジナルの箱に収まらない点が気になりました。
まとめ
- すっきりとしたコンポーネント
- インストしやすく、分かりやすいルール
- イメージしやすいシステム
- 白熱する読み合いとジレンマ
総じて、『エレベータ前で』は短時間(20分以内)でプレイできる小箱ゲームのお手本的な作品。
手軽に遊べながら、読み合いやジレンマの要素がしっかりと組み込まれており、運と戦略のバランスも高いと感じました。
ボードゲーム初心者から上級者まで幅広い層におすすめできます。