今年遊んだボードゲームの中でも特にお気に入りの作品、『カスカディア』の紙ペン版です。
自然や動物をの調和を目指す本家『カスカディア』の魅力を引き継ぎつつ、独自の楽しさを提供する本作。
全てのシートをソロプレイで行った上での感想です。

ゲームの概要

『カスカディアローリング 波立つ川』(と同時発売の『カスカディアローリング なだらかな丘』)は、本家『カスカディア』と同じく、自然豊かなカスカディア地方を舞台にしたゲームです。

紙ペンゲームとして設計されているにもかかわらず、元のゲームと同じような調和や戦略性を感じられるプレイ感が魅力です。カードやサイコロを用いる新しい仕組みが取り入れられており、短時間で手軽に楽しむことができます。

ゲームのルール

『カスカディアローリング 波立つ川』は、フリップ&ロール&ライトを採用しています。以下が主な流れです。

  1. サイコロを振る
  • 共通ダイスと個別ダイスを振り、出目に応じた動物を一種類選んで記録します。
  • 特殊ダイスを活用すれば、さらに効果的な選択が可能です。
  1. 自然トークンの活用
  • 出目の操作や、動物を二種類記録することができます。
  1. 目標達成カードの達成
  • 記録した動物を使って目標達成カードを達成できます(1ラウンドに1回、1枚のみ)。
  • 達成することで探検値やボーナスを獲得できます。
  1. 探検値の記録
  • 獲得した探検値をシートに記録し、20ラウンド経過後に最終スコアを競います。

このシンプルな流れながら、戦略的な選択が求められる仕組みが秀逸です。

このゲームの好きなところ

スライドするカードによるリプレイ性

目標達成カードは右へスライドし、一定期間を過ぎると消えてしまいます。この仕組みにより、どの目標を「いつ」達成するかのジレンマが生まれ、何度でもプレイしたくなる高いリプレイ性を実現しています。また、ダイス運の影響も程よく、プレイごとに新たな挑戦が楽しめます。

難易度の違う4つのシート

初心者から上級者まで楽しめるよう、難易度の異なる4種類のシートが用意されています。特に高難易度シートは、本家『カスカディア』と同じように動物と地形のセットコレクションが求められ、やり応え十分です。

失点要素のない伸びやかなゲーム

紙ペンゲームにありがちな「書けなかったら失点」というプレッシャーがありません。そのため、ストレスフリーで得点を伸ばすことに集中でき、楽しいプレイ体験が得られます。

このゲームの少し残念なところ

アイコンの視認性が良くない

中央の特殊ダイスはアイコンの視認性がやや低く、例外処理が発生する場面で混乱しがちです。ルールをしっかり確認しながら進める必要があります。

セットアップとインストが少し手間

カードを抜き出してシャッフルする作業が必要なため、意外と時間がかかることがあります。

「取る」→「配置する」が基本の『カスカディア』と異なり、ダイス効果に記録するタイミング、ボーナス発生時の書き方などやや複雑なルールもあります。

慣れるまでは本家『カスカディア』以上に準備に時間を取られるかもしれません。

まとめ

最初は「少し残念な点」が気になるかもしれませんが、何度もプレイするうちに本作の魅力がじわじわと感じられるはずです。本家『カスカディア』と同じプレイ感を持ちながら、紙ペンゲームとしての手軽さが加わっています。すっきりとしたコンポーネントとカスカディアの自然を感じさせる世界観も健在です。
個人的に、本家の動物ディスクと違って転がり落ちるコンポーネントがダイスのみというのは好感が持てます。

チャレンジモードもあるのでソロプレイヤーも大満足です。(元々本家がソロプレイ感強めではありますが)

紙ペンゲーム初心者にもオススメできる本作、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか?