Cave! Hoc ludus ex rebus veris motus est. (注意! このゲームは実際の出来事をモチーフにしています)
コンポーネントもルールも全てが不謹慎。デザイナーが『カルカソンヌ』の作者であることを説明すると更に驚かれること間違い無しの作品です。
概要
「A.D.79 イタリア」この年号にピンとくる歴史好きは多いことでしょう。
紀元79年8月24日、たった一夜で(文字通り)埋もれてしまったポンペイの歴史を追体験するゲームです。
ルール
- 都市に市民を入植させていく前半
- 火山の噴火から市民を脱出させる後半
に分かれていて、最終的に脱出させた自コマが多いプレイヤーが勝利します。
前半:入植フェイズ
カードをプレイし、示された地図のグリッドにコマを置いておきます。
最初の「A.D.79」がデッキから公開されたら、入植者は次々に縁者を呼び寄せていきます。(別の共通するグリッドや他の色に更に駒を置くことができます。
この時、前兆となる「Omen」カードを引いたら任意のコマを火山に投げ入れることができます。
後半: 逃亡フェイズ
2枚目の「A.D.79」がデッキから公開された→ヴェスヴィオスの大噴火。
ゲームは後半戦にスタート。今まで持っていたカードや置かれていないコマを全て箱に戻し、全く別のゲームが始まります。
迫り来る溶岩タイルがポンペイ市街に降り注ぎ、被害は拡散していきます。
溶岩タイルをルールに従って配置し、出口である門の外へとコマを移動させるフェイズです。
- 溶岩タイルがグリッドに直撃した → 当然、市民はヴェスヴィオスの餌食になります。
- グリッドが溶岩タイルに囲まれた → ヴェスヴィオス火山はその範囲内のコマ全てを平らげます。
そして、全てのコマが地図からいなくなったり溶岩タイルで埋められたらゲーム終了です。
このゲームの好きなところ
インパクト
- 名前
- 箱絵
- ポンペイの地図が描かれたゲームボード
- ひときわ異彩を放つ立体のヴェスヴィオス火山
- ゲーム進行
等すべてに出落ち感が満載。歴史にある程度触れているならお察し案件になることもインパクトを増大させます。
言語依存がないルール
『カルカソンヌ』と同じデザイナーということもあって、言語依存は極めて少なく、没入感に溢れたゲーム進行が出できます。
脱出ルールに少し説明が必要ですが、「他の市民を盾にして逃げる」とイメージさせやすいです。
このゲームの問題点
テーマ
「ゲームと現実の区別がつかない方」には徹底的にオススメできないテーマです。不謹慎さが許容できない方へのチョイスは厳に避けるべきです。
入手難易度
テーマの不謹慎さも相まって日本語版が用意されておらず、再販も2013年に一回しかかありません。自分が和訳ルールつきの新品を2018年に手に入れられたのは本当に幸運でした。
まとめ
- 歴史上のイベントをそのまま再現するかのようなテーマ
- 比較的インストしやすいルール
- 不謹慎だけに盛り上がる盤面
など、「こういう方向性のボードゲームもあるんだ」という、自分のその後の作品チョイスの方向性を決定づけたという記念の作品。
2018年に購入して以来、本当に定期的に遊ぶ作品のため改めてレビューいたしました。
おまけ
自宅など、環境が許すなら
- ジミ・ヘンドリックス
- マイケル・ジャクソン
- ムーディー・ブルース
- プリンス
等の特定の曲/アルバムを流すとニヤリとされます。(この遺跡は漫画『第5部』の戦いの舞台です)