先の日記では「地図を豪快に読み違えたために遭難一歩手前」に陥ったお話をしました。今度こそ気を取り直して本来の目的地である「トリュンメルバッハの滝」に向かい、ラウターブルンネンへと戻っていきます。

その移動の最中、にわか雨が相当量降っていて「決断が15分でも遅れていたら、もっと危なかった」と思い知らされます。

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滝へと向かうバスを発見したときは心の底からほっとしたと共に、自分の見識と装備の至らなさを恥じ入りました。このバスは周遊パスの対象外って事で、小銭を用意しました。

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これでもかと言わんばかりの案内図。そうですよね。普通、名勝ならばこんな風にハッキリとした看板がありますよね。どうしてあのときは「この道を下っていけば目的地に着く」と思っていたのでしょうか……。

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さて、この「トリュンメルバッハの滝」は何と言っても「洞窟内を落ちる滝」というのが最大の特徴。氷河が終端にやってきた際に、崖の手前の「軟らかい層」を段々と削っていったため、外から見ることはできなくなったそうです。その洞窟は上から順に見所があると言うことで、向かった先は……

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リフトです。流石は欧州最高峰への鉄道を通した国。洞窟内にこんなのを通すのは朝飯前なのでしょうね。

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奥が見えない長く急な斜面を結構な速度で登っていきます。

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そして、目の前にあったものは想像を遙かに超えるもの凄い光景と「轟音」って言葉がチャチに思えるほどの水の響く音でした。「狭い洞窟に滝がある」話だけ聞けば単純です。しかし、普段、僕たちが目にする滝は屋外であっても瀑布の音が50メートル先にあっても余裕で聞こえるのです。それが屋内にあったら? 答は言うまでもありません。自分の声すらかき消されるような、強烈な音です。

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下る途中、ぽっかりと穴の空いたような場所から外界を見ると、ラウターブルンネンの滝が。背後の瀑布の音と相まって、臨場感タップリです。

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僅かな光が差し込む場所は、とても幻想的。何でも、「2秒でオリンピックプールが一杯になる」凄まじい水量。ドラクエにもこんなダンジョンがありましたが、こんな水量と落差では滝の中を行くなんてのは自殺行為です。

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滝の出口。「まぶしい」と思うよりも先に「随分と耳が落ち着いた」のが正直なところ。いやはや、平衡感覚が大きく狂いました。

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帰りのバスを待っているときに見た光景。3日目、グリンデルワルドに向かうときに見た川の流れの源流みたいなもの。こんな風に水が落ちるのであれば、あれだけの急流は納得がいきます。

流石にこれだけ巡れば一日も終わり。洞窟内で細かな水しぶきがカメラに入り、オートフォーカスが一時的に使えなくなるというトラブルがあったものの、宿に着いて簡単な食事を取った途端にベッドに直行しました。

(続きます)